過去の上映

三船の初出演作。3人組の銀行強盗が雪深い北アルプスに逃げ込み、山小屋にいた登山家を巻き込んで踏破困難なルートで逃走を図る。ニューフェイスに合格するも撮影部に移るつもりだった三船を、本作が長篇監督デビューとなる谷口千吉が電車で偶然目にとめ、荒々しい強盗役に抜擢した。共演の志村喬とは、この後にも数々の傑作を世に送り出すことになる。

※10月2日12:00PMの回と10月17日10:20AMの回の前売指定席券は完売しました（10月8日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

『銀嶺の果て』の製作時から三船に魅了されていた黒澤が、重い結核に苦しむやくざ役に起用。彼を更正させようとする酒びたりの医者（志村）との交流を描く。黒澤は三船のスピード感あふれる演技を活かし、身体ごと役になりきるよう演出。三船は凄みの裏にある傷つきやすさも表現し、色気の漂う名演で応えた。

※10月2日2:30PMの回と10月18日10:30AMの回の前売指定席券は完売しました（10月3日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

三船が唯一、木下惠介と組んだ作品。熱海の若い医師・江間（三船）は、近郊で療養する九鬼（宇野）の新たな主治医となるが、毎週末、東京から九鬼を見舞いに訪れる妻・典子（田中）に惹かれてしまう。不倫や病いといった重い題材を扱いながらも、快活にクロールで泳ぎ、白く清潔な洋装で真っすぐ恋にぶつかっていく三船の存在により、爽やかな後味を残す作品となった。

※10月3日1:30PMの回と10月16日1:00PMの回の前売指定席券は完売しました（10月6日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

ヴェネチア国際映画祭の受賞などを通じて、日本映画の高い水準を世界に告げた一篇。奥深い森で起きた殺人をめぐって、猛々しい盗賊を演じた三船ほか複数の証言が入り乱れる。橋本忍によるその巧みな作劇、松山崇の指揮による巨大セット、宮川一夫の斬新な撮影術、本作が世界に与えた影響などは当館で開催の企画展で明らかにされる。

※10月3日11:00AMの回と10月22日12:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月6日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

捕鯨船の船長（志村）と新任航海士（三船）が、衝突しながらも互いを認めていくさまが、クジラ漁の実写や、円谷英二による漁船遭難の特撮などを駆使しながら描かれる。多くの作品で共演した2人だが、本作では三船が大学出の純情でスマートな青年、志村は叩き上げで荒っぽい海の男という意外な役どころ。

※10月6日12:30PMの回と10月18日1:20PMの回の前売指定席券は完売しました（9月26日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

酒と賭博に明け暮れていた米太郎（三船）は、妻の死から心機一転し、一人息子を男手一つで育て上げる。野性味あふれる強烈な存在感でスターダムに駆け上っていた三船が、我が子へ愛情を注ぐ父親を演じ、俳優としての可能性を広げた作品。『羅生門』の主役、三船＝志村＝京の共演が撮影時から話題となった。

※10月3日4:10PMの回と10月13日4:00PMの回の前売指定席券は完売しました（10月8日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

三船演じる人情に厚いタクシー運転手と乗客たちの触れ合いを描く。越路吹雪とのデュエットを披露する幸福感たっぷりなひと時から痛切な家族の物語まで、東京の人生模様を三船がバックミラー越しに見つめる。表情豊かな三船が愛おしい快作。

※10月6日3:00PMの回と10月17日4:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月6日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

戦国時代、野武士の襲撃を恐れる農民たちは村を守るべく7人の侍を雇う。三船は、農民出身で、農民と武士の両身分に冷めた眼差しを向けつつも両者をつなぐ菊千代を演じ、規格外の荒々しい身振りでスクリーンに躍動感を吹き込んでいる。雨の中の戦闘シーンは、3台のカメラを動員した大がかりな撮影と巧みな編集により映画史に残る名場面となった。

＊途中休憩あり　

※10月2日5:30PMの回と10月14日2:10PMの回の前売指定席券は完売しました（10月3日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

ダフ屋を取り締まる銀座の顔役「ビュイックの牧」（三船）は、ダフ屋の「ラッキョウの健」（鶴田）がチケットを高額で売りつけていることを知り、彼を打ちのめそうとするが…。仁義に固く正義感あふれる牧を演じた三船と、世渡り上手で女にモテる健を演じた鶴田が各々の持ち味で魅せる華やかな競演が楽しめる一篇。本タイトルは1958年の再公開時のもの。初公開時のタイトルは『男性No.1』。

※10月10日4:30PMの回と10月15日7:00PMの回の前売指定席券は完売しました（10月6日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

家庭を顧みず仕事一筋に生きてきたプロ野球監督（志村）が人生の曲がり角を迎えた時、東京スパローズの主力選手（三船）は監督代行として彼を支える。三船は、志村の代表作となった主演作品をサポートするかたちで、出番こそ多くないが、4番バッターで一塁手という役柄にスター性を発揮する。篤い師弟関係の描写が実際の両者の間柄を彷彿とさせる。

※10月4日1:30PMの回と10月20日12:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月8日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

副業として喫茶店を持とうとする薬問屋の夫婦（高峰、小林）が、夫の兄（千秋）からの無心をきっかけに、夫婦間の重大な危機を迎えてしまうさまが、成瀨作品らしく繊細かつ厳しく描かれる。三船は高峰演じる主人公・喜代子に好意を抱く独身男性の役だが、彼女の悩みを優しく見守り、自制的であろうとするその二枚目ぶりは絶品である。

※10月4日4:30PMの回と10月16日4:00PMの前売指定席券は完売しました（10月3日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

戦時中に日本軍が隠した7億円相当の金貨を求めて5人の男が密輸船でフィリピンに上陸、山奥を舞台に裏切りと疑心が交錯する大冒険を繰り広げる。1962年に設立された三船プロの第1作にして三船唯一の監督作品。編集にかかわった黒澤をはじめ黒澤組のスタッフが集結し、フィリピン現地ロケを行うなど、壮大なスケールの活劇に仕上げている。

※10月11日4:30PMの回と10月22日7:00PMの回の前売指定席券は完売しました（10月1日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

シェイクスピアの「マクベス」を日本の戦国時代の物語に翻案し、演出に能の様式を大胆に取り入れた黒澤の野心作。悲劇の王を演じる三船もまた、誇張した表情や静止した姿勢、足の運び方など様式的な演技を見事に自分のものにし、俳優として新たな境地を示した。クライマックスは映画史上に名高い。

※10月4日10:30AMの回と10月21日11:30AMの回の前売指定席券は完売しました（10月6日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

戦国時代の伝説的豪商・助左衛門（三船）は活躍の場を移すべく航海に出るも嵐に遭遇し、南の国に流れ着く。やがて助左衛門は国を乗っ取ろうと企む宰相（中丸）の計画を知り、国と姫（浜）を救うために立ち上がる。女に弱い仙人（有島）をはじめ次々と登場する一癖ある脇役や、円谷英二の腕が冴えわたる特撮シーンなど見せ場満載の冒険時代劇。

※10月11日1:40PMの回と10月14日11:00AMの前売指定席券は完売しました（10月13日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

ホームドラマの秀作。新婚の久夫（小泉）と雅子（白川）が、周囲の反対や失業にくじけそうになりながらも、愛情を育んでいく。三船は雅子の姉（津島）と駆け落ち結婚した小楽団のホルン奏者という意外な役だが、生活苦を感じさせないおおらかさや若い二人を応援する温かさは、三船ならではの持ち味だろう。

※10月7日12:00PMの回と10月16日7:00PMの回の前売指定席券は完売しました（10月13日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

郡司次郎正『侍ニッポン』の5度目の映画化にあたり、大幅な脚色を加えて重厚なドラマを構築。桜田門外の変に加わった浪人の皮肉な運命を描く。三船は、侍になりたいという切望と苦渋をにじませながら豪放な殺陣を披露する。三船プロと東宝の第１回提携作品にあたり岡本喜八が時代劇を初監督。斬新なアクション演出を施してニヒリズム漂う幕末劇に仕上げた。

※10月11日10:30AMの回と10月20日3:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月9日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

2つのやくざ組織が対立する街に現れた刑事（三船）は足を洗った男（鶴田）に近づくが…。トレンチコート姿の似合うダンディズム、アクションの強烈さ、セリフや仕草の小粋さ、といった三船のハードボイルド的な魅力が凝縮された娯楽映画。岡本喜八の遊び心溢れる演出と軽快なテンポが鮮やかで、9本にのぼる岡本＝三船コンビの代表作といえる。

※10月8日7:00PMの回と10月17日1:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月6日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

三船プロと石原プロの共同製作。黒部ダム建設をトンネル工事中心に描く。噴出する地下水や岩盤崩落など日本土木工事史上に残る難工事の描写が真に迫る。三船演じる北川の家族ドラマや、石原裕次郎演じる岩岡のロマンスに加えて、戦争責任にまでテーマが及ぶ超大作だが、石原と三船の新旧スターが映画を引き締めている。三船はプロデューサーとしても、日活に石原の出演を認めさせるなど手腕を発揮した。

＊途中休憩あり

※10月21日2:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月1日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

真珠湾攻撃からミッドウェイ敗北に至るまでを若き飛行士（夏木）を主人公として描く。第二航空隊司令官・山口多聞（三船）は空母・飛龍の艦橋から厳しい戦況を見据え、苦悩しながらも冷静に作戦を指揮する。特撮によるスペクタクルを活かしつつ、元海軍士官で僧侶でもある松林宗惠監督だからこその無常観が込められた東宝戦争映画の代表作。

※10月8日12:30PMの回と10月14日7:00PMの回の前売指定席券は完売しました（10月7日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

三船が阿南陸軍大臣を演じた『日本のいちばん長い日』（1967、岡本喜八）に続く東宝「8.15シリーズ」第2弾。1939年に連合艦隊司令長官に着任した山本が、真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル撤退を経て戦死するまでを描く。開戦に異を唱え早期戦争終結を目指した良識的な人格者としての山本を、三船は威厳を漂わせて演じ切り、のちに2度も山本役をつとめることとなった。

※10月8日3:30PMの回と10月18日3:50PMの回の前売指定席券は完売しました（10月8日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

2つのやくざ組織が支配する宿場町に、ふらりと現れた浪人の活躍を描く。伝統的時代劇の様式的な殺陣を排した、泥臭くも力感にあふれたアクションで魅せる。型破りなヒーローを演じた三船はヴェネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞。のちにクリント・イーストウッド主演『荒野の用心棒』（1964、セルジオ・レオーネ）として無断でリメイクされた。

※10月7日 3:00PMの回と10月13日7:00PMの回の前売指定席券は完売しました（10月6日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

映画産業が斜陽となるなか、三船プロが実現した各社出身の大スター共演の大作。武田信玄（中村錦之助）の名参謀、山本勘助を描く。合戦シーンに費やせる資金は決して潤沢ではなかったが、上杉謙信（石原）が信玄に切りかかるシーンなど迫真の演出となっている。前年の『黒部の太陽』につづき、年間興行収入1位となった。

＊途中休憩あり

※10月22日3:00PMの回の前売指定席券は完売しました（10月13日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

新国劇および1949年初映画化版で辰巳柳太郎が主演して当たり役とした作品の再映画化。増量してたくましい風貌となった三船が、飯場を渡り歩く肉体労働者を豪快に演じる。仲間（有島）と厚い友情を結び、飯場の女（池内）を巡り現場監督（三橋）と対立し、居酒屋の女将（淡島）に惚れられ…。男の心意気と女の意地が織りなす娯楽活劇が展開される。

※10月10日1:30PMの回と10月15日12:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月13日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

幕末、錦の御旗を掲げ江戸へ進軍する赤報隊の先遣として、農民出身の隊士・権三（三船）は故郷の宿場町に単身乗り込み、圧政に苦しむ民衆を救おうと奮闘する。元々は若者を主人公とした脚本の企画だが、三船プロが採り上げて設定を変更せずに製作。天真爛漫な童心あふれる道化者として、49歳の三船がのびのびと演じている。

※10月10日10:30AM の回と10月20日3:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月19日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

同年公開の大ヒット作『やくざ戦争 日本の首領ドン』（中島貞夫）の続編で、東映初の大作1本立てとして公開された作品。関東への進出をはかる中島組と、それを迎え撃つ関東同盟が日本唯一の首領の座を狙って暴力と政治が絡んだ抗争を繰り広げる。三船が東映のやくざ映画に初出演し、寡黙で冷静に物事を見つめる暴力団のボスを演じる。

※10月15日3:30PMの回の前売指定席券は完売しました（10月15日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）

「男はつらいよ」シリーズ第38作。北海道の知床に向かった寅（渥美）は、老境の獣医・順吉（三船）に出会う。順吉の孤独な日常に踏み入った寅は、彼の心を解きほぐし、彼が秘かに慕う悦子（淡路）と結びつけようと一肌脱ぐのだが…。多くの作品で無骨で力強い役を演じてきた三船が、知床の広々とした草原で恋心を叫ぶ不器用な告白がぐっと胸に迫る。

遠藤周作の同名小説が原作。インド・ガンジス河を舞台に、それぞれの苦悩をかかえて、聖地ベナレス（バラナシ）へと向かうツアーに参加した人々を描く。熊井監督たっての希望で実現した三船最後の出演作。ツアー参加者・木口（沼田）の戦友で、戦場で彼を助けながらも、戦争のトラウマに人生を狂わされた元日本兵役で登場する。

※10月9日12:00PMの回と10月21日7:00PMの前売指定席券は完売しました（10月10日更新・最新情報はチケットぴあのページをご覧ください）