過去の上映
- 2023.1.4 - 2.5
- 上映企画
アカデミー・フィルム・アーカイブ
映画コレクション
Film Treasures from the Academy Film Archive
会 期 2023年1月4日(水)-2月5日(日)
会期中の休館日:月曜日
会 場 小ホール(地下1階)
定 員 151名(各回入替制・全席指定席)
※ 会期、上映スケジュールおよびチケットの発売日、定員の変更等の場合はHPでお知らせします。
※ マスク着用のない方の入館をお断りします。
※ 来館者全員に検温を行います。37.5℃以上の方は入館をお断りいたします。
主 催 国立映画アーカイブ
アカデミー・フィルム・アーカイブ
Nate Christenson / ©A.M.P.A.S.
Nate Christenson / ©A.M.P.A.S.
Nate Christenson / ©A.M.P.A.S.
概要
アカデミー・フィルム・アーカイブ(以下AFA)は、アカデミー賞で知られる米国映画芸術科学アカデミーの映画保存機関として、1991年に正式に発足した比較的新しいアーカイブです。しかし、その歴史は映画芸術科学アカデミーが1929年より開始した映画の収集にさかのぼることができます。以降、アカデミー賞受賞・ノミネート作から、先鋭的な実験映画、映画の予告篇や記録映画、ホームムービーなどに至るまで、外国映画も含め現在23万本を収集・保存し、復元も積極的に行っています。また、監督やスタッフ、俳優から、研究者に至るまで、多くの関係者からフィルムや製作資料などの寄贈を受けており、アカデミー賞関連作品以外にも多様なコレクションを形成しています。これらの所蔵作は同じく映画芸術科学アカデミーの機関で、2021年9月に開館したアカデミー映画博物館など多くの施設で上映されており、まさにハリウッドの中心地で映画遺産を守り、後世に伝える役割を果たしています。
今回、国立映画アーカイブがAFAと共同で開催する「アカデミー・フィルム・アーカイブ 映画コレクション」は、23プログラム(35本)の上映を通じて同館のコレクションや近年の復元の成果などを幅広く紹介する企画です。日本人監督作を含むアカデミー賞受賞作や、同館が保存に尽力したサタジット・レイの監督作、さらに復元活動の大きな成果のひとつである、バーバラ・ハマー監督作などを上映します。また、現存が初めて確認された映画の貴重な断片を含む『日本の映画作り』(1935)といった日本とつながりの深い映画も上映いたします。すべての映画ファンにとって必見の特集となっておりますので、みなさまのご来館を心よりお待ちしております。
観客のみなさまへ
アカデミー・フィルム・アーカイブの使命は、映画を収集・保存し、映画が芸術や科学に対して果たしてきた重要な貢献へのアクセスを確保することです。とりわけ「アクセスの提供」は、この使命の本質的な部分です。映画が収蔵庫の棚に置かれているだけなら、「収集」や「保存」に何の意味があるでしょう。当館が所蔵する映画は、観客の皆さまの目に触れてこそ価値があります。私たちのコレクションを世界中のスクリーンで共有できることは、とても嬉しいことです。素晴らしい映画たちをぜひ大きなスクリーンでご覧下さい。
マイケル・ポゴゼルスキ
アカデミー・フィルム・アーカイブ館長
■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演 (声)=声の出演 (解)=解説・ナレーション
■特に表記のない場合は、製作国はアメリカ合衆国です。
■外国語映画には、すべて日本語字幕が付いています。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
■特集には不完全なプリントや状態の悪いプリントが含まれていることがあります。
草原のハーレム (59分・1937・アソシエイテッド・フィーチャーズ・監:サム・ニューフィールド)
3.青空恋をのせて (86分・1932・カド・カンパニー・監:トム・バッキンガム) 4.日本の映画作り 他 (計48分) 5.街の野獣[プレ・リリース版] (111分・1950・米/英:20世紀フォックス・監:ジュールス・ダッシン) 6.荒馬と女 (125分・1961・セヴン・アーツ・プロダクションズ・監:ジョン・ヒューストン) 7.ナイト・タイド (86分・1961・フェニックス・フィルムズ・監・脚:カーティス・ハリントン) 8.主人公 (117分・1966・インド:R・D・ボンショル・監・原・脚・音:ショットジット・ラエ(サタジット・レイ)) 9.ジェイソンの肖像 (108分・1967・シャーリー・クラーク・プロダクションズ/グレーム・ファーガソン・プロダクションズ・監・声:シャーリー・クラーク) 10.きゅうり畑のかかし (82分・1972・スライディング・ポンド・カンパニー・監:ロバート・J・カプラン) 11.悪魔と戦うキューバ人 (122分・1971・キューバ:ICAIC・監・脚:トマス・グティエレス・アレア) 12.バーバラ・ハマー初期作品集 (計86分) 13.グレゴリオ・コルテスのバラッド (106分・1982・NEH/CPB/アメリカン・プレイハウス/NCLR・監・脚:ロバート・M・ヤング) 14.クイーン・オブ・ダイヤモンド (76分・1991・メンケスフィルム・監・脚・撮:ニナ・メンケス) ■アカデミー賞受賞作品■ 16.羅生門 [デジタル復元版] (88分・1950・日本:大映京都・監・脚:黒澤明) 15.孔雀夫人 (101分・1936・サミュエル・ゴールドウィン・プロダクションズ・監:ウィリアム・ワイラー) 18.バリー・リンドン (185分・1975・英/米:ホーク・フィルム/ペレグリン/ワーナー ブラザース・監・脚:スタンリー・キューブリック) 17.恋の手ほどき (115分・1958・MGM・監:ヴィンセント・ミネリ) 19.アメリカ合衆国ハーラン郡 (103分・1976・キャビン・クリーク・フィルムズ・監・録音:バーバラ・コップル) 20.ノーマ・レイ (114分・1979・20世紀フォックス・監:マーティン・リット) 21.狼男アメリカン (97分・1981・英/米:ライカンスロープ・フィルムズ・監・脚:ジョン・ランディス) 22.アニメーション短篇集 (計61分) 23.ザ・パーソナルズ 黄昏のロマンス (37分・1998・ケイコ・フィルムズ・監・編集:伊比恵子)
予備選挙 (53分・1960・ドリュー・アソシエイツ/タイム・製作・脚・編集主任:ロバート・ドリュー)
上映作品解
1アンニー可愛やLittle Annie Rooney(96分・DCP・無声・染色)
- 2023年1月5日(木) 3:00 PM@小ホール
- 2023年1月7日(土) 7:20 PM@小ホール
- 2023年1月21日(土) 6:30 PM@小ホール
- 2023年1月25日(水) 3:00 PM@小ホール
映画芸術科学アカデミーの創立メンバーの一人である伝説的な女優メアリー・ピックフォードが製作に原案、主演まで務めたサイレント・コメディの傑作。当時33歳のピックフォード扮するお転婆少女が、NYの貧民窟に息づく浮浪児たちの力を借りて、警察官の父を殺した真犯人を追う。映画保存のパイオニアでもあったピックフォードが残した可燃性染色ポジ(米国議会図書館蔵)をもとにAFAが2014年に復元。伴奏音楽を収録したDCPでの上映。
2ブラック・アンド・タン/草原のハーレム(計78分)
- 2023年1月25日(水) 7:00 PM@小ホール
- 2023年2月1日(水) 3:00 PM@小ホール
- 2023年2月5日(日) 1:30 PM@小ホール
ブラック・アンド・タン Black and Tan(19分・DCP・白黒)
『バレエ・メカニック』(1924)でフェルナン・レジェと共作したダドリー・マーフィーが、アフリカ系アメリカ人による文化が花開いたハーレム地区のキャバレーを舞台に、生活費を稼ぐために苦心するピアニストと踊り子を描く。デューク・エリントンが初出演した本作は、AFAによるブラック・シネマの復元プロジェクトに取り上げられ、再評価の機運が高まっている。
草原のハーレム Harlem on the Prairie(59分・DCP・白黒)
ジャズ歌手のハーブ・ジェフリーズが初めて映画に出演し、オール・ブラック・キャストで撮られた西部劇ミュージカル。黒人専用劇場で上映することを目的に製作された人種映画であり、現存する貴重な作品の一つ。旅回りの父娘一座は盗み隠していた金塊を無法者たちに狙われ、娘は誘拐されてしまう。俳優のジャンカルロ・エスポジートとローレンス・フィッシュバーンがAFAへ寄贈した人種映画コレクションの16mmプリントをもとに復元された。
3青空恋をのせてCock of the Air[Uncensored version](86分・DCP・白黒)
- 2023年1月4日(水) 3:00 PM@小ホール
- 2023年1月18日(水) 3:00 PM@小ホール
- 2023年1月28日(土) 1:30 PM@小ホール
- 2023年2月3日(金) 7:00 PM@小ホール
ハワード・ヒューズ製作による恋愛コメディ。魅惑的な舞台役者リリー(ダヴ)は「女たらし」と有名なパイロット(モリス)に狙いを定める。映画業界の自主検閲規則であるプロダクション・コード運用初期に、撮影済みのきわどいセリフやシーンを削って公開された。自主検閲で切除される前のマスターポジ(画)が発見され、AFAは声優を起用して音声の欠落箇所を録音しなおすというチャレンジングな手法で本作を甦らせた。
*当時切除された箇所にはハサミのマークがでます。
⇩ 本作の音声新規録音の様子がご覧になれます。
4日本の映画作り 他(計48分)
- 2023年1月28日(土) 4:00 PM@小ホール
- 2023年2月2日(木) 3:00 PM@小ホール
日本の映画作り Movie Making in Japan: A Screen Snap-shot(28分・DCP・白黒)
アカデミーの要請を受け、J.O.スタヂオの大澤善夫が日本の映画産業の状況を紹介するために送付したスタジオ各社のトーキー映画抜粋集。1997年にAFAのマイケル・フレンド所長(当時)から全3巻のうち1巻目のみを受贈していたが、このたび同館で新たに発掘された2-3巻目において、1935年に製作された『剣雲薩摩歌』(池田富保)、『なみだの母』(永富映次郎)、『海國大日本』(阿部豊)の断片の現存が初めて確認された。同時期にアカデミー側が入手した『弱虫珍選組』(1935、市川崑)と合わせてAFAがDCP化し、約90年ぶりに里帰りを果たした。
AFA所蔵ホームムービー集 Home Movies Treasures from the Academy Film Archive(計20分・DCP・白黒/カラー)
ハリウッド映画史に偉大な足跡を残した映画人の華やかな私生活や撮影時の舞台裏などを捉えた貴重なホームムービー集。
上映作品の詳細
▪明治大学野球部 訪米親善試合 (1924年・2分・白黒)
Baseball Game at Dugdale Park, Seattle Meiji University vs. Local Team 1924
▪ハースト・キャッスルに集まるハリウッドスターたち (1931年・3分・白黒)
Hollywood Guests at San Simeon (Hearst Castle) circa 1931
▪ドロレス・デル・リオ、セドリック・ギボンズ夫妻のパーティー (1935年・4分・カラー)
Dolores Del Rio and Cedric Gibbons Throw a Party 1935
▪ボガート、バコール夫妻のサンタナ号での休暇 (1948-1952年・4分・白黒/カラー)
Humphrey Bogart and Lauren Bacall at Home and Sailing on “Santana” circa 1948-1952
▪ディズニーランド開園初日 (1955年・4分・カラー)
Opening Day at Disneyland July 17,1955
▪『島の女』撮影時のソフィア・ローレン (1956年・3分・カラー)
Sophia Loren on Location in Greece for “Boy on a Dolphin” 1956
*上映後にAFAのジョセフ・リンドナー氏による講演(約60分/逐次通訳付き)を行います。
5街の野獣[プレ・リリース版]Night and the City[Pre-release version](111分・35mm・白黒)
- 2023年1月13日(金) 2:30 PM@小ホール
- 2023年1月15日(日) 4:25 PM@小ホール
言葉巧みにレスリングの興行権を得たハリー(ウィドマーク)は、一世一代の好機になりふり構わず開催資金を集めようとする。『裸の町』(1948)のNYロケ撮影で魅せたダッシンが、夜のロンドンを舞台に裏社会の秩序を乱す山師を描く。アメリカ公開版より長いイギリス公開版も製作されたが、今回はさらに長いプレ・リリース版を上映する。
協力:コスミック出版
*1月15日(日) 4:25 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/13更新)
6荒馬と女The Misfits(125分・DCP・白黒)
- 2023年1月19日(木) 7:00 PM@小ホール
- 2023年1月21日(土) 12:30 PM@小ホール
- 2023年1月26日(木) 6:30 PM@小ホール
離婚のためにネバダ州リノを訪れたロズリン(モンロー)は、カウボーイのゲイ(ゲーブル)と知り合う。劇作家アーサー・ミラーが自身の短篇を自ら脚色。終盤の野馬狩りのシーンでは、広大な砂漠を背景に、価値観の違いゆえに互いを傷つけあう関係の残酷さが痛ましく描かれる。クラーク・ゲーブル、マリリン・モンローともに本作が遺作となった。AFAとフィルム・ファウンデーション(以下FF)によって復元された版を上映。
7ナイト・タイドNight Tide(86分・35mm・白黒)
- 2023年1月10日(火) 7:00 PM@小ホール
- 2023年1月14日(土) 4:40 PM@小ホール
水兵ジョニー(ホッパー)は、遊園地のアトラクションで人魚を演じるモーラ(ローソン)に惹かれていく。『キャット・ピープル』(1942、ジャック・ターナー)をはじめ、ヴァル・リュートンが創造したホラー映画の世界観に魅了されていたハリントンが、超自然的な存在に魅入られる感覚を夢幻的な雰囲気のなかで表現したカルト・ホラー。AFAの協力を得て、ニコラス・ウィンディング・レフン監督の財団が2019年に復元した版を上映。
*1月14日(土) 4:40 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/10更新)
8主人公নায়ক (Nayak)(117分・35mm・白黒・日英字幕付 with English subtitles)
- 2023年1月6日(金) 2:30 PM@小ホール
- 2023年1月12日(木) 7:00 PM@小ホール
- 2023年1月14日(土) 1:30 PM@小ホール
映画賞授賞式に向かう列車の中、人気スターのムケルジは自らの過去を省みる。主役を演じるウットム・クマル本人のスター性も取り込み、人気俳優となった男が抱える不安や葛藤を実験的な構成で語る意欲作。サタジット・レイ監督は1992 年にアカデミー賞名誉賞を受賞。AFAは本作や「オプー三部作」など同監督作品の復元・保存を数多く手がけている。
*英語字幕に読みづらい箇所がございます。予めご了承ください。
*Please note that most of the English subtitles are not clearly visible.
*1月14日(土) 1:30 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/13更新)
9ジェイソンの肖像Portrait of Jason(108分・DCP・白黒)
- 2023年1月19日(木) 3:00 PM@小ホール
- 2023年2月1日(水) 7:00 PM@小ホール
- 2023年2月4日(土) 7:00 PM@小ホール
アフリカ系アメリカ人男性が同性愛者としての自らの人生について、アルコールと麻薬で酩酊しつつも独白し続ける姿を捉えたドキュメンタリー。撮影行為を前景化させながら12時間連続してまわされたキャメラによって、現実と虚構が交錯する。クラークがドキュメンタリーの革新運動である「シネマ・ヴェリテ」への応答として世に送り出した。AFAとマイルストーンフィルムなどによる共同復元版での上映。
10きゅうり畑のかかしScarecrow in a Garden of Cucumbers(82分・DCP・カラー)
- 2023年1月17日(火) 7:00 PM@小ホール
- 2023年1月24日(火) 3:00 PM@小ホール
- 2023年1月27日(金) 7:00 PM@小ホール
- 2023年2月4日(土) 4:00 PM@小ホール
女優になる夢を叶えるため町を出たイヴ(ウッドローン)が、NYで奔走する姿をミュージカル仕立てで描く。ルー・リードの「ワイルド・サイドを歩け」の歌詞冒頭に登場するホリーことホリー・ウッドローンやタリー・ブラウンが出演。当時のNYアンダーグラウンドシーンを象徴する二人の溢れる魅力が存分に発揮されている。DuArtフィルム&ビデオラボ閉鎖の際に行方不明であった本作のネガフィルムが発見され、AFAの手がけた復元により鮮やかに甦った。
*2月4日(土) 4:00 PMの回に本作プロデューサーのハンク・アルパート氏による上映後トーク(約30分/逐次通訳付き)を行います。
*ハンク・アルパート氏からのメッセージはこちらをご覧ください。
11悪魔と戦うキューバ人Una pelea cubana contra los demonios(122分・DCP・白黒・日英字幕付 with English subtitles)
- 2023年1月29日(日) 1:00 PM@小ホール
- 2023年1月31日(火) 7:00 PM@小ホール
- 2023年2月3日(金) 3:00 PM@小ホール
『苺とチョコレート』(1994)でアカデミー賞外国語映画賞(現在の国際長篇映画賞)にノミネートされたトマス・グティエレス・アレアは、革命後のキューバを代表する映画作家。本作では、17世紀のスペインによる占領や狂信的な神父に対して反感を抱く地主のフアンを、その後の300年にわたる独立闘争に連なる革命的人物として描き出した。シネマテカ・デ・クーバとAFAの友好関係を活かした共同作業により、2016年に復元された版での上映。
*性的暴力描写を含みます。
⇩ 本作復元の経緯をご覧になれます。
12バーバラ・ハマー初期作品集(計86分)
- 2023年1月5日(木) 7:00 PM@小ホール
- 2023年1月7日(土) 4:00 PM@小ホール
- 2023年1月11日(水) 7:00 PM@小ホール
1968年から制作をはじめ、様々な手法やメディアを用いながらクィア映画の地平を切り拓いたハマーによる70年代から80年代初頭にかけての初期作品集。同時代の女性解放運動に触発されながら、『シスターズ!』、『月経』、『スーパーダイク』、『ダブル・ストレングス』などでは実験的な手法を用いて不可視にされてきたレズビアンの性/生の表象を模索する一方、『ジェーン・ブラッケージ』や『オーディエンス』では、周縁化された女性たちの歴史を再構築するという後期ハマー作品の特徴が垣間見える。AFAとエレクトロニック・アーツ・インターミックスなどによって復元が行われた。
*本プログラムは性的描写を含みます。
*上映当日、本プログラムの字幕監修を担当していただいた溝口彰子氏による解説を配布します。
*1月7日(土) 4:00 PMの回に菅野優香氏(同志社大学大学院准教授)による上映後解説(約40分)を行います。
*1月7日(土) 4:00 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/6更新)
シスターズ! Sisters!(8分・DCP・カラー)
月経 Menses(3分・DCP・カラー)
ジェーン・ブラッケージ Jane Brakhage(10分・DCP・白黒)
スーパーダイク Superdyke(17分・DCP・カラー)
ダブル・ストレングス Double Strength(15分・DCP・カラー)
オーディエンス Audience(33分・DCP・白黒)
13グレゴリオ・コルテスのバラッドThe Ballad of Gregorio Cortez(106分・DCP・カラー)
- 2023年1月20日(金) 7:00 PM@小ホール
- 2023年1月31日(火) 3:00 PM@小ホール
- 2023年2月5日(日) 4:00 PM@小ホール
1901年にテキサスで起きた実際の事件がモチーフ。保安官を撃ったメキシコ系アメリカ人のグレゴリオ(オルモス)は逃避行を繰り広げる。プロデューサーのモクテスマ・エスパルザと主演のオルモスは、メキシコ系アメリカ人の繊細な描写に信頼を置いていたヤングを監督に起用。語り継がれてきたメキシコ系の人々の英雄譚を、西部劇の形式を用いて映画で受け継いだ。2016年作製の復元版での上映。
*公開時の製作者の意図を尊重し、スペイン語部分には日本語字幕をつけておりません。
14クイーン・オブ・ダイヤモンドQueen of Diamonds(76分・DCP・カラー)
- 2023年1月14日(土) 7:20 PM@小ホール
- 2023年1月17日(火) 3:00 PM@小ホール
- 2023年1月22日(日) 4:20 PM@小ホール
従来のハリウッド映画が内包する権力構造や女性の描かれ方に対する批判的視座のもとにインディペンデントで映画制作を続けるニナ・メンケスの代表作。他の彼女の作品でも重要な役割を果たす実妹のティンカ・メンケスが主演し、ラスベガスでディーラーをしながら砂漠の町で生きる女性の日常を描いている。1991年のサンダンス映画祭において女性監督による長篇作品として初めてドラマ部門で上映され、高い評価を得た。2019年作製の復元版での上映。
*1月14日(土) 7:20 PMの回と1月22日(日) 4:20 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/21更新)
■アカデミー賞受賞作品■
映画芸術科学アカデミーが主催するアカデミー賞は、1929年の第1回を皮切りに、俳優や監督、スタッフなど映画人たちの優れた功績を、次第に授賞対象を広げながら顕彰してきました。アカデミー賞受賞作のなかから、30年代から90年代までの作品を中心に、有名作や復元作、女性の監督や製作者による重要作などをスクリーンでお楽しみください。
16羅生門 [デジタル復元版](88分・35mm・白黒・英語字幕付 with English subtitles)
- 2023年1月20日(金) 3:00 PM@小ホール
- 2023年1月26日(木) 3:00 PM@小ホール
【第24回アカデミー賞 名誉賞】
三人の男女の食い違う証言を主軸にした緻密なシナリオや、宮川一夫によるモノクローム撮影の美などの芸術性が認められ、1951年のヴェネツィア国際映画祭金獅子賞とアカデミー賞名誉賞(現在の国際長篇映画賞)の受賞を通じて、日本映画の国際的評価を一気に高めた一篇。角川映画株式会社(当時)・AFA・当館が共同で作製した復元版は、公開時の白黒映画の繊細な表現力を最大限に引き出して、2010年に全米映画批評家協会の映画遺産賞を受賞した。
15孔雀夫人Dodsworth(101分・DCP・白黒)
- 2023年1月4日(水) 6:30 PM@小ホール
- 2023年1月18日(水) 7:00 PM@小ホール
- 2023年1月21日(土) 3:20 PM@小ホール
【第9回アカデミー賞 室内装置賞】
実業家のダズワース(ヒューストン)は引退後、第二の人生を求めて妻(チャタートン)とヨーロッパへ旅立つが…。ワイラー、ゴールドウィンのコンビによる第4作。プロダクション・コードすれすれの大胆な題材が、緩急を効かせた演出で繊細に表現される。アカデミー賞常連のリチャード・デイは本作で2度目の室内装置賞(現在の美術賞)を受賞した。2019年にAFAとFFにより共同復元された版を上映。
協力:コスミック出版
18バリー・リンドンBarry Lyndon(185分・35mm・カラー)
- 2023年1月6日(金) 5:50 PM@小ホール
- 2023年1月13日(金) 5:50 PM@小ホール
- 2023年1月15日(日) 12:00 PM@小ホール
【第48回アカデミー賞 撮影賞、歌曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞】
ヴィクトリア朝時代を代表するサッカレーの小説を巨匠キューブリックが映画化。アイルランドの農家の息子バリーが18世紀イギリスの貴族社会でのしあがり、やがて欲望のうちに破滅していく。緻密な時代考証のもと、ケン・アダムによる美術、ミレーネ・カノネロとウルラ=ブリット・ショダールンドによる衣裳などによって当時の風俗を再現、さらにアポロ計画のために開発されたレンズや超高感度フィルムを用いて蝋燭の灯りのみで撮影を行ったことも話題を呼んだ。
協力:ワーナー ブラザース ジャパン
*途中休憩あり
*1月6日(金) 5:50 PM、1月13日(金) 5:50 PM、1月15日(日) 12:00 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/10更新)
17恋の手ほどきGigi(115分・35mm・カラー)
- 2023年1月7日(土) 1:00 PM@小ホール
- 2023年1月10日(火) 3:00 PM@小ホール
【第31回アカデミー賞 作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞(カラー部門)、美術監督・装置賞、衣裳デザイン賞、編集賞、作曲賞(ミュージカル部門)、歌曲賞】
社交界の礼儀作法を学ぶジジ(キャロン)は、ガストン(ジュールダン)と人生の岐路に立つ。ファッション写真家として名高いビートンらによって過剰なほどに細部までデザインされた世界で、俳優たちの魅力あふれるミュージカル映画。シュヴァリエとギンゴールドが黄昏の浜辺で歌うI Remember It Well は、ミネリ作品に頻出する世代交代と記憶の継承/忘却のテーマを彷彿とさせる名ナンバーで、ミネリの自伝のタイトルにもなっている。
協力:ワーナー ブラザース ジャパン
*1月7日(土) 1:00 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/4更新)
19アメリカ合衆国ハーラン郡Harlan County U.S.A.(103分・35mm・カラー)
- 2023年1月8日(日) 4:10 PM@小ホール
- 2023年1月11日(水) 3:00 PM@小ホール
【第49回アカデミー賞 長篇ドキュメンタリー映画賞】
ケンタッキー州ハーラン郡の鉱山で賃金や労働環境の向上を求めストライキが起こるも、雇用主側は銃を持った男たちなどを送り込んで妨害。撮影隊は闘争の真っただ中で、抵抗する人々の姿を撮影し続けた。また、歌手のヘイゼル・ディケンズや労働者たちの歌が、人々の生と抵抗の精神を力強く表現。監督のコップルは本作とAmerican Dream(1990)で2度オスカーを手にしている。
⇩ バーバラ・コップル監督のアカデミー賞受賞スピーチをご覧になれます。
*1月8日(日) 4:10 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/7更新)
20ノーマ・レイNorma Rae(114分・35mm・カラー)
- 2023年1月8日(日) 1:00 PM@小ホール
- 2023年1月12日(木) 3:00 PM@小ホール
【第52回アカデミー賞 主演女優賞、歌曲賞】
1978年に『抱きしめたい』(ロバート・ゼメキス)、『ビッグ・ウェンズデー』(ジョン・ミリアス)を手がけた女性プロデューサー・コンビのタマラ・アセイエフとアレックス・ローズが、ハリウッド映画のヒロインの殻を破る女性像を打ち出した作品。南部の工場で働くシングル・マザーのノーマ・レイ(フィールド)は、NYから来たルーベン(リーブマン)とともに組合作りに奮闘する。
*1月8日(日) 1:00 PMの回は、オンライン完売しました。オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前までチケット若干数を販売します。(1/4更新)
21狼男アメリカンAn American Werewolf in London(97分・35mm・カラー)
- 2023年1月24日(火) 7:00 PM@小ホール
- 2023年1月29日(日) 4:10 PM@小ホール
【第54回アカデミー賞 メイクアップ賞】
イギリスを旅するアメリカ人のデヴィッド(ノートン)とジャック(ダン)。満月の夜、二人は大きな獣に襲われるが…。血なまぐさい襲撃が催す恐怖と、狼男になり果てた男の苦悩を、ユーモアを絡めて描いた異色作。光学的効果を使わず狼男への変身を演出したいというランディスの要望に応え、リック・ベイカーは身体に起こる変形を特殊メイクでリアルかつ精巧に表現し、この年に創設されたアカデミー賞メイクアップ賞を受賞した。NFAJ所蔵のプリントを上映。
22アニメーション短篇集(計61分)
- 2023年1月27日(金) 3:00 PM@小ホール
- 2023年2月4日(土) 1:30 PM@小ホール
個性豊かなアカデミー短篇アニメーション賞ノミネート作及び受賞作を紹介する短篇集。個人作家やイギリスの老舗スタジオであるアードマン製作による作品、加藤久仁生『つみきのいえ』などを含む。フィルムに絵を直接描きこむダイレクトアニメーションの手法で制作された『キック・ミー』、映画と絵画を融合させたようなクレイアニメの手法を用いて20世紀の美術史を辿る『階段を降りるモナ・リザ』、変調された歌声に合わせて手描きによる男の顔が悪夢的に変形していく『ユア・フェイス』の3作は、AFAによって近年復元された。
キック・ミー Kick Me(8分・DCP・カラー)
ユア・フェイス Your Face(3分・DCP・カラー)
階段を降りるモナ・リザ Mona Lisa Descending a Staircase(7分・DCP・カラー)
【第65回アカデミー賞 短篇アニメーション賞】
ウォレスとグルミット、危機一髪! A Close Shave(31分・DCP・カラー)
【第68回アカデミー賞 短篇アニメーション賞】
つみきのいえ La maison en petits cubes(12分・DCP・カラー)
【第81回アカデミー賞 短篇アニメーション賞】
⇩ 加藤久仁生監督のアカデミー賞授賞スピーチをご覧になれます。
23ザ・パーソナルズ 黄昏のロマンス/予備選挙(計90分)
- 2023年1月22日(日) 1:30 PM@小ホール
- 2023年1月28日(土) 7:00 PM@小ホール
- 2023年2月2日(木) 7:00 PM@小ホール
ザ・パーソナルズ 黄昏のロマンス The Personals: Improvisations on Romance in the Golden Years(37分・DCP・カラー)
【第71回 アカデミー賞 短篇ドキュメンタリー賞】
マンハッタンのコミュニティセンターで、演劇活動に打ち込むユダヤ系の高齢者たちの姿を捉えた記録映画。高齢となっても人生に楽しみを見出す人々の想いが率直に語られる。NY大学の卒業制作の長篇をもとに製作され、アカデミー賞短篇ドキュメンタリー映画賞を受賞。伊比恵子は日本人女性監督として初のオスカーを手にした。
⇩ 伊比恵子監督のアカデミー賞授賞スピーチをご覧になれます。
予備選挙 Primary(53分・DCP・白黒)
1960年のアメリカ大統領選挙に向け、民主党の候補者指名を争うジョン・F・ケネディとヒューバート・H・ハンフリーの対決を追う。ナレーションに頼らない新たな報道の形を模索していたドリューがリーコックに声をかけ企画。より機動性の高い手持ちキャメラなどの開発も行われた。A・メイズルスやペネベイカーも参加し、記録映画の潮流「ダイレクトシネマ」のアメリカにおける発火点となった記念碑的作品。ジョナス・メカスら個人映画作家にも高く評価された。
■証明書にて割引のチケットをご予約いただけるのは、ご来館者おひとりにつき、各回1枚のみです。ご来館者おひとりで複数枚の割引チケットをご予約することはできません。
■各回の開映後の入場はできません。予告篇はなく、本篇から上映します。
2023年1月4日(水)
11:00 AM 開館
2023年1月5日(木)
11:00 AM 開館
2023年1月6日(金)
11:00 AM 開館
途中休憩あり 18バリー・リンドン
2023年1月7日(土)
11:00 AM 開館
2023年1月8日(日)
11:00 AM 開館
2023年1月10日(火)
11:00 AM 開館
2023年1月11日(水)
11:00 AM 開館
2023年1月12日(木)
11:00 AM 開館
2023年1月13日(金)
11:00 AM 開館
途中休憩あり 18バリー・リンドン
2023年1月14日(土)
11:00 AM 開館
2023年1月15日(日)
11:00 AM 開館
途中休憩あり 18バリー・リンドン
2023年1月17日(火)
11:00 AM 開館
2023年1月18日(水)
11:00 AM 開館
2023年1月19日(木)
11:00 AM 開館
2023年1月20日(金)
11:00 AM 開館
2023年1月21日(土)
11:00 AM 開館
2023年1月22日(日)
11:00 AM 開館
2023年1月24日(火)
11:00 AM 開館
2023年1月25日(水)
11:00 AM 開館
2023年1月26日(木)
11:00 AM 開館
2023年1月27日(金)
11:00 AM 開館
2023年1月28日(土)
11:00 AM 開館
2023年1月29日(日)
11:00 AM 開館
2023年1月31日(火)
11:00 AM 開館
2023年2月1日(水)
11:00 AM 開館
2023年2月2日(木)
11:00 AM 開館
上映後講演あり 4日本の映画作り 他
2023年2月3日(金)
11:00 AM 開館
2023年2月4日(土)
11:00 AM 開館
2023年2月5日(日)
11:00 AM 開館
チケット料金
一般:1,000円/高校・大学生・65歳以上:700円/小・中学生・障害者(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ・未就学児・優待:500円
・料金区分の違うチケットでは入場できません。差額のお支払で観覧することはできません。
・学生、65歳以上、障害者、キャンパスメンバーズの方は証明できるものをご提示ください。ご提示のない方は入場できません。
・未就学児、優待の方は「障害者または付添者等券」をお求めください。
オンライン販売
・12月27日(火)以降、毎週火曜日10:00amより、翌週(火~日)上映回の電子チケットを当館HPより公式チケットサイトにて各回の開映15分前までオンライン販売します。
・1月10日(火)~ 15日(日)の上映回は12月27日(火)にチケットを発売します。12月27日(火)に1月4日(水)~ 15日(日)の2週間分のチケットを一斉発売しますのでご注意ください。
窓口販売
・上映当日、当館1階窓口にて各回開映1時間前から5分前まで、チケットを若干数販売します。座席選択はできません。窓口に並ばず購入でき、座席選択可能なオンライン購入をお勧めします。オンライン完売となった場合も、当日の窓口販売はございますが、枚数は限定数となります。
電子チケット購入方法
電子チケットなら ・手数料無料 ・紙のチケットの発券不要 ・座席選択可 |
上映日時ページより電子チケットをオンライン販売します。詳しい購入手順の説明はこちら(PDF)をご参照ください。上映日時ページから購入される場合は、3ページ目からご覧ください。
販売期限
各回の開映15分前まで
購入方法
1. 本ホームページの上映日時ページからご覧になりたい作品の上映日時を選択。
2. 座席と券種を選択。
3. メールアドレスやクレジットカードまたはd払いの情報等必要事項を入力。
4. 申込が完了しますと、3. で入力したメールアドレスにQRコード付きのチケットが届きます。
・etix.comからのメールを受信できるよう予め設定をお願いします。
・申込済みチケットの照会はこちらの「申込済みチケット照会」を選択ください。
入場方法
・入場時に、QRコードを表示したスマホ画面、またはQRコードを印刷したものをご提示ください。
(QRコードのご提示がない場合はご入場できませんので、PCにより電子チケットをご購入された方は、必ずQRコードのPDFを印刷してご持参ください。)
・学生、65歳以上、障害者、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ、優待の方は証明できるものをご提示ください。ご提示のない方はご入場できません。
・各回の開映後の入場はできません。予告篇はなく、本篇から上映します。
・開場は開映30分前です。
【ご注意ください!】
電子チケットには特集名や作品名が表示されません(上映日時のみ表示されます)。お間違いのないようご購入・ご提示ください。
下記の上映回は、オンライン完売しました。(1/21更新)
1月6日(金) 5:50 PM『バリー・リンドン』
1月7日(土) 1:00 PM『恋の手ほどき』
1月7日(土) 4:00 PM『バーバラ・ハマー初期作品集』
1月8日(日) 1:00 PM『ノーマ・レイ』
1月8日(日) 4:10 PM『アメリカ合衆国ハーラン郡』
1月13日(金) 5:50 PM『バリー・リンドン』
1月14日(土) 1:30 PM『主人公』
1月14日(土) 4:40 PM『ナイト・タイド』
1月14日(土) 7:20 PM『クイーン・オブ・ダイヤモンド』
1月15日(日) 12:00 PM『バリー・リンドン』
1月15日(日) 4:25 PM『街の野獣』[プレ・リリース版]
1月22日(日) 4:20 PM『クイーン・オブ・ダイヤモンド』
【当日の窓口販売あり】
オンライン完売となった上映回につきましても、上映当日、当館1階窓口にて開映1時間前から5分前まで、チケットを限定枚数を販売します。
『きゅうり畑のかかし』のプロデューサー
ハンク・アルパート氏からのメッセージ
監督ロバート・J・カプランとの出会い
まずは第一章から始めよう。私がロビーこと、ロバート・J・カプランに出会った経緯について。
1970年のある日、ニューヨークのパーク・アベニューを歩いていたら偶然ペンシルベニア大学の同窓生に会ったんだ。彼女は写真家だった。話は逸れるけど、ちょうどその時期に私は “Tiny Tim” の名で知られるテレビ歌手の広報をやっていたので、写真家の彼女に広報写真を撮らないか提案したりするなど、会話が弾んだよ。その時に、彼女の古い友人でニューヨーク大学の映画科をちょうど卒業したばかりのロバート・J・カプランの話になったんだ。彼に会うべきだと彼女は言った。
その頃私は小さな投資会社に勤めていたけど、そろそろ独立して(当時私はロビーと同じ23.5歳)、映画製作のためのお金を集めたいと思っていたんだ。
このころはスタジオが力を失い、低予算のインディペンデント映画が人気だった頃だからね。
製作が始まる
ロビーと私は次第に一緒に働き始めて、彼のおかげで素晴らしいクリエイティブチームが揃った。脚本にサンドラ・スコペトーネ、音楽にジェリー・ブラット、そして撮影監督にポール・グリックマン。
さらにサンドラとジェリーは色々なアーティストと知り合いで、なんとか作品に協力してもらえないかみんなを説得したんだ。歌詞を書いてくれたマーシャル・ベアー、カメオ出演してくれたリリー・トムリン、素晴らしいキャバレー歌手のタリー・ブラウン、いくつかの歌を歌ってくれたベッド・ミドラー(当時はスターになる前)、そしてもちろん、ホリー。ホリーはちょうどアンディー・ウォーホルが製作した『Trash』と『Women in Revolt』に出演したばかりだった。(ルー・リードの『ワイルドサイドを歩け』の最初の歌詞にもホリーが登場するよね)
その間、私は資金集めに奔走していて、その話だけでも物語がたくさんあるんだけど。多くの出資者とそのガールフレンドたちも実は映画に出演してるんだ…これ以上は話さないけどね…。並行して、素晴らしい写真家であり多くのカサヴェテス作品のプロデューサーを務めたサム・ショウが良きメンターとなってくれたよ。
映画の製作は1971年の夏から始まった。16mmで撮影して35mmにブローアップする作業はDu Artで行った。幸運にも閉鎖されるDu Artの倉庫からネガが見つかったんだ。
71年の夏に、マンハッタンとオープニングだけはニュージャージー州(カンサス州の設定)で撮影した。いわゆる許可取りなしの“ゲリラ・スタイル”。私たちは若さと、あつかましさと、ナイーブさの完全なミックスだった。
サンドラの脚本は基本的には「オズの魔法使い」が元になっていて、小さな町に住む女の子がニューヨーク(aka エメラルドシティ)に行くけれど….しかし、すべては期待と違った、という話。登場人物の名前は原作とは正反対。出来事は二流。世界は完全に逆さま。ニューヨークはエメラルドシティではないし….
でも、ホリーが歌う夢のシーンだけは、いまだに夢のように感じられる。そしてなによりも、映画のラストがすべてを語っているよね。
そして上映へ
当時、映画配給会社を見つけることができてラッキーだったよ。1972年3月15日にグリニッジ・ヴィレッジにあるThe Waverlyで封切りとなって、1年ちょっとは上映が続いたんだ。その後も大学のキャンパスで深夜の上映会で上映されたりしたけれど、(その時には配給会社がNew Lineに変わっていて。ちなみにNew Lineは当時『Reefer Madness』が大ヒットしていた。)徐々に観客がいなくなっていったんだ。
ところで、私の妻は「ワイルドサイドを歩け」をぜひ聞いてほしいと話しているよ。私たちが当時何をしたかったのかというエッセンスが曲の歌詞とムードに凝縮されているから。
『きゅうり畑のかかし』上映日時
- 1月17日(火) 7:00 PM 1月24日(火) 3:00 PM
1月27日(金) 7:00 PM 2月4日(土) 4:00 PM
*2月4日(土) 4:00 PMの回にハンク・アルパート氏による上映後トーク(約30分/逐次通訳付き)を行います。
マスク着用のない方の入館をお断りします。
当館の新型コロナウイルス感染症拡大防止策
・来館者全員への検温を実施。
・館内各所に手指用消毒液を設置。
・清掃・消毒を強化。
・ホール内の換気を強化。
・スタッフはマスク・手袋等を着用して対応。
・受付などの対面場所に飛沫ガードを設置。
ご来館の皆様へのお願い
・発熱や風邪などの症状がある方は、来館をお控えください。
・咳エチケットにご協力ください。
・館内で体調を崩された場合は、スタッフにお知らせください。
・こまめな手洗いや手指の消毒にご協力ください。
・入退場やご観覧の際は、互いに適切な距離を保つようお願いいたします。
・ロビー等での飲食は、蓋の閉まる飲み物以外は禁止にさせていただきます。
・感染発生時の入館者追跡のため、ご自身で入館日時の記録をお願いいたします。
上映以外に関する当館の対策およびお願いにつきましては、こちらをご覧ください。