メキシコ映画の大回顧
Gran Retrospectiva de Cine Mexicano
概要
1896年8月14日にリュミエール社の技師によって初めて映画が上映されたメキシコは、社会・文化・政治的背景を色濃く反映させながら独自の豊穣な映画文化を発展させてきました。1910年から約7年間におよぶメキシコ革命によって、映画産業の発展に遅れが生じながらも、セルゲイ・M・エイゼンシュテインが『メキシコ万歳』の制作のために訪れた1930年以降、ルイス・ブニュエルをはじめ、欧州から亡命してきた多くの映画人を受け入れて、メキシコ映画は次第に成熟していきます。
第二次世界大戦によって隣接する映画大国・米国が戦時体制に移行する中、1940年代に政治、経済的な安定期に入ったメキシコの映画産業は黄金期を迎えます。メロドラマ、コメディ、ミュージカル、ホラー映画だけでなく、農場を舞台にしたランチョ映画やキャバレーを舞台にしたルンベーラ映画など独自のジャンルを次々と生み出しました。また、エミリオ・フェルナンデス、ロベルト・ガバルドン、フリオ・ブラチョら名匠たち、ドロレス・デル・リオ、マリア・フェリックス、ペドロ・アルメンダリス、ペドロ・インファンテら多くのスター俳優、撮影のガブリエル・フィゲロアら才能あふれる技術陣に支えられ百花繚乱をきわめます。
しかし、戦後のTVの台頭など外的変化の影響を受けて、次第に同国の映画は保守化、硬直化していきます。一方で1960年代にはこうした状況に危機感をおぼえた若手製作者たちが新しい潮流「ヌエボ・シネ」を牽引していきます。その流れと共鳴しながら、1960年にはメキシコ国立自治大学(UNAM)フィルモテカが創立され、1974年には国立の映画保存機関、メキシコ・シネテカ・ナシオナル(CN)が設立されるなど、映画文化を保護する機運が高まりました。また、1983年にはメキシコ映画機構(IMCINE)が設立され、同機構を通じて政府が映画製作を支援し、1990年代からは今日に続く新しい世代の監督たちによる世界的な躍進が始まります。
本共催企画は、メキシコ無声映画期の代表作『灰色の自動車』(1919)から、巨匠監督、スター俳優たちが活躍した黄金期の名作、「ヌエボ・シネ」以降に頭角を現した監督たちによる1980年代までの話題作を、UNAMフィルモテカ、CN、IMCINEの所蔵作品を中心に29プログラム(35作品)にまとめて回顧します。3機関との共催によって実現した、様々な監督・俳優・ジャンル・時代などバラエティに富んだ上映作品を通じて、メキシコ映画の深淵なる世界と出会う絶好の機会となるでしょう。みなさまのご来場をお待ち申し上げます。
開催概要
- 会期
- 2025年1月7日(火)-2月9日(日)※会期中の休館日:月曜日
- 会場
- 長瀬記念ホール OZU(2階)
- 定員
- 310名(各回入替制・全席指定席)/各回の開映後の入場はできません。
- 主催
- 国立映画アーカイブ、メキシコ国立自治大学(UNAM)フィルモテカ、メキシコ・シネテカ・ナシオナル、メキシコ映画機構(IMCINE)
- 協力
- 在日メキシコ大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京
プログラム
■ (監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演 (解)=解説・ナレーション
■ すべての作品に日本語字幕が付いています。
■ 上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
上映日時(チケット購入)
1/7(火) | |
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1/8(水) | |
1/9(木) | |
1/10(金) | |
1/11(土) | |
1/12(日) | |
1/13(月・祝) | 休館日 |
1/14(火) | |
1/15(水) | |
1/16(木) | |
1/17(金) | |
1/18(土) | |
1/19(日) | |
1/20(月) | 休館日 |
1/21(火) | |
1/22(水) | |
1/23(木) | |
1/24(金) | |
1/25(土) | |
1/26(日) | |
1/27(月) | 休館日 |
1/28(火) | |
1/29(水) | |
1/30(木) | |
1/31(金) | |
2/1(土) | |
2/2(日) | |
2/3(月) | 休館日 |
2/4(火) | |
2/5(水) | |
2/6(木) | |
2/7(金) | |
2/8(土) | |
2/9(日) |
■ チケットのオンライン発売は各上映日の3日前正午からとなります。
■ チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。
■ 各回の開映後の入場はできません。予告篇はなく、本篇から上映します。
メキシコ映画の100年
メキシコ国立自治大学(UNAM)フィルモテカのディレクターであったイバン・トルヒージョ氏(国際フィルムアーカイブ連盟[FIAF]会長:1999-2003)による了承を得て、「メキシコ映画祭1997」のカタログに寄せられた論考「メキシコ映画の100年 100 AÑOS DE CINE MEXICANO」を再掲します。メキシコ映画誕生から1980年代まで、メキシコ映画が歩んできた歴史が論じられています。本上映会の鑑賞の手引きとして、ご活用ください。
トークのお知らせ
1月11日(土)
『犯罪者の手』
- ゲスト
- クラウディア・ソフィア・アレバロ・ガリャルド氏(CNコレクション マネージャー)
★13:00の回上映後に約60分、逐次通訳付き
『黄金の鶏』
- ゲスト
- ダニエラ・アラトーレ氏(IMCINE機構長)
★17:00の回上映後に約60分、逐次通訳付き
–
1月12日(日)
『パンチョ・ビリャと進め』
- ゲスト
- ハイメ・アパリシオ氏(UNAMフィルモテカ 国際調整室長)
★12:00の回上映後に約60分、逐次通訳付き
ゲストはウーゴ・ビリャ氏(UNAMフィルモテカ ディレクター)の体調不良により、ハイメ・アパリシオ氏に変更となりました。(12/6更新)
『マカリオ』
- ゲスト
- ハイメ・アパリシオ氏(UNAMフィルモテカ 国際調整室長)
★15:30の回上映後に約60分、逐次通訳付き
–
1月14日(火)
『次の夜明けに』
- ゲスト
- クラウディア・ソフィア・アレバロ・ガリャルド氏(CNコレクション マネージャー)
★15:00の回上映前に約10分、逐次通訳付き
『マリア・カンデラリア』
- ゲスト
- ハイメ・アパリシオ氏(UNAMフィルモテカ 国際調整室長)
★19:00の回上映前に約10分、逐次通訳付き
- ゲストは予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
- トークイベントのみの参加はできません。
チケット料金
- 1,300円
- 一般
- 1,100円
- 65歳以上
- 700円
- 高校・大学生
- 500円
- 小・中学生
障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)
キャンパスメンバーズ(教職員)
キャンパスメンバーズ(学生)
電子チケット購入方法
- 本ホームページの上映日時(チケット購入)からご覧になりたい上映日時の「チケット購入」ボタンを選択。
- 座席と券種を選択。
- メールアドレスやクレジットカードまたはd払いの情報等必要事項を入力。
- 申込が完了しますと、3. で入力したメールアドレスにQRコード付きのチケットが届きます。
入場方法
- チケットのQRコードをスマホ画面、または印刷紙面でご提示ください。
- 学生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方、国立美術館のキャンパスメンバーズ、優待の方は証明できるものをご提示ください。ご提示のない方はご入場できません。
- 料金区分の違うチケットでは入場できません。差額のお支払で観覧することはできません。
- 各回の開映後の入場はできません。予告篇はございません。
- 開場は開映30分前です。
ご注意ください!
- 特集名、作品名は電子チケットに表示されませんので、お間違いないようご購入、ご提示ください。
- 窓口でご購入いただける当日券は各回1名につき1枚のみです。
- チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。