過去の上映
- 2023.10.24 - 10.29
- 上映企画
TIFF/NFAJ クラシックス
小津安二郎監督週間
TIFF/NFAJ Classics: Yasujiro Ozu Week
会 期 2023年10月24日（火）－10月29日（日）
会 場 長瀬記念ホール OZU（2階）
定 員 299名（各回入替制・全席指定席）
主 催 国立映画アーカイブ、東京国際映画祭
協 力 松竹株式会社、株式会社橋本ピアノ
概要
NFAJプログラムNo.48
↑PDF版でもご覧いただけます。
上映会番号 466
本年は小津安二郎監督（1903-1963）の生誕120年、没後60年の記念すべき年にあたります。第36回東京国際映画祭（TIFF）では、近年デジタル修復された作品を中心に、有識者を招いた国際シンポジウムなど、小津安二郎監督にスポットを当てた幅広い上映プログラムが開催されます。本特集では、東京国際映画祭の関連プログラムと連携し、小津監督のサイレントからトーキー初期にかけての作品群（17本、14プログラム）をすべて英語字幕付き35mmプリントで上映します。中でも、近年新たに発掘された『突貫小僧』（1929）の最長版は、本特集が世界初の上映となります。多彩なゲストによるトークや伴奏付きの上映回など、小津監督作品を新たな視点で捉えなおすこの機会に、皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
■（監）＝監督・演出 （原）＝原作・原案 （脚）＝脚本・脚色 （撮）＝撮影 （美）＝美術 （音）＝音楽 （出）＝出演
■すべての作品に英語字幕が付いています。All films have English subtitles.
■スタッフ、キャスト欄の人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
突貫小僧［パテベビー短縮版］ (14分・1929・松竹蒲田・監:小津安二郎)
突貫小僧［マーヴェルグラフ版］ (21分・1929・松竹蒲田・監:小津安二郎)
4.朗かに歩め (96分・1930・松竹蒲田・監:小津安二郎) 5.その夜の妻 (65分・1930・松竹蒲田・監:小津安二郎) 6.東京の
上映作品詳細
1学生ロマンス 若き日Days of Youth(103分・24fps・35mm・無声・白黒)
- 2023年10月26日(木) 7:00 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
憧れの女性（松井）をめぐって張り合う大学生（結城、斎藤）たちのスキー旅行を描いた学生喜劇。アメリカ映画の影響が濃く、ギャグや移動撮影など若々しいタッチが発揮されている。26歳で8作目として監督した初の長篇で、現存する最初期の小津作品。
伴奏付上映
伴奏｜神﨑えり
2大学は出たけれど 他(計59分)
- 2023年10月28日(土) 7:00 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
大学は出たけれど I Graduated, But...(13分・20fps・35mm・無声・白黒・部分)
昭和初期の就職難を背景にした清水宏の原作を映画化。母（鈴木）に「就職した」という嘘の電報を打った青年（高田）が、妻（田中）の献身的な励ましで無事に職を得るまでをユーモアたっぷりに描く。一部の断片のみが現存。
東京の女 Woman of Tokyo(46分・24fps・35mm・無声・白黒)
学生の良一（江川）は恋人の春江（田中）から姉のちか子（岡田）が退勤後に水商売をしていると聞き、姉を問い詰める。警察ににらまれた姉の身を案ずる弟の苦悩を描いた作品で、小津自身、キャメラを低位置にすえて芝居を捉える画面構成はこの頃に決まったと回想している。原作のエルンスト・シュワルツは架空の人物で、エルンスト・ルビッチとハンス・シュワルツの合名。
上映後トークあり（約30分）
ゲスト｜工藤梨穂（映画監督）
徳田雄久（「連続ドラマＷ OZU～小津安二郎が描いた物語～」プロデューサー）
勝木孝（同上）
司 会 ｜金原由佳（映画ジャーナリスト）
＊上映後トークの詳細はこちらをご覧ください。
3淑女と髭 他(計109分)
- 2023年10月24日(火) 6:30 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
淑女と髯 The Lady and the Beard(74分・24fps・35mm・無声・白黒)
髯が災いして恋にも就職にも縁のないバンカラ大学生（岡田）が髯を剃り落とし、モダンな好青年に変身する。アメリカ映画を彷彿させる洒落たユーモアが評価され、小津は前途有望な新進監督として確固たる地位を確立した。ジェームス・槇は小津のペンネーム。
突貫小僧［パテベビー短縮版］ A Straightforward Boy(14分・24fps・35mm・無声・白黒)
突貫小僧［マーヴェルグラフ版］ A Straightforward Boy(21分・24fps・35mm・無声・白黒)
少年（青木）を誘拐した男（斎藤）が、少年の腕白ぶりに振り回される。原作の野津忠二は、野田高梧、池田忠雄、大久保忠素と小津の合名。築山秀夫氏所蔵の16mmからブローアップした現存最長版は本邦初上映となるが、少年と親分（坂本）との珍妙なやりとりや移動撮影など、多くの新発見カットを含む。
上映後トークあり（約20分）
ゲスト｜築山秀夫（長野県立大学教授、全国小津安二郎ネットワーク副会長）
＊上映後トークの詳細はこちらをご覧ください。
4朗かに歩めWalk Cheerfully(96分・24fps・35mm・無声・白黒)
- 2023年10月26日(木) 3:00 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
強面の謙二（高田）は、好きになったタイピストのやす江（川崎）のために堅気になると決心するが、仲間はそれを許さない…。アメリカ映画の影響も色濃い典型的な与太者の改悛劇。蒲田撮影所の「不良少年」を描いたシリーズの一環で製作された。
伴奏付上映
伴奏｜神﨑えり
5その夜の妻That Night’s Wife(65分・24fps・35mm・無声・白黒)
- 2023年10月27日(金) 1:00 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
貧乏な画家（岡田）は娘の治療費のために拳銃強盗をするが、彼をかくまう妻（八雲）の前に刑事（山本）が現れる。アメリカの探偵小説を翻案し、犯罪サスペンスに始まる一夜の心理劇を巧みな編集によって物語る。昭和恐慌期の中、追い詰められる家族を西洋風な背景のもとに描いた。
伴奏付上映
伴奏｜天池穂高
6東京の合唱 Tokyo Chorus(89分・24fps・35mm・無声・白黒)
- 2023年10月29日(日) 1:00 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
不当に解雇された先輩社員を弁護したことで自分も会社を馘首されてしまった岡島（岡田）は、周囲の人々に支えられながら再起していく。北村小松の小説をもとに、サラリーマンの悲哀を喜劇性を織り交ぜて描いている。当時7歳の高峰秀子が長女役で出演。
伴奏付上映
伴奏｜柳下美恵
7青春の夢いまいづこWhere Now Are the Dreams of Youth?(113分・18fps・35mm・無声・白黒)
- 2023年10月29日(日) 3:40 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
かつての学友でありながら社長と社員になった二人の青年（江川、斎藤）。社会の現実の中で二人の友情も揺れ始める。学生喜劇の屈託のない世界から巣立ち、世間の荒波に揉まれていく青年たちの姿は、人間生活の哀歓を掘り下げていった後の作風への方向転換を予言している。
上映後トークあり（約30分）
ゲスト｜近藤啓介（映画監督）
徳田雄久（「連続ドラマＷ OZU～小津安二郎が描いた物語～」プロデューサー）
勝木孝（同上）
司 会 ｜金原由佳（映画ジャーナリスト）
＊上映後トークの詳細はこちらをご覧ください。
8出來ごころPassing Fancy(114分・21fps・35mm・無声・白黒)
- 2023年10月25日(水) 6:20 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
キング・ヴィダー監督のアメリカ映画『チャンプ』（1931）を翻案した下町人情劇で、坂本（阪本）武主演による「喜八もの」の第1作。工場で働きながら小学生の息子と暮らしている喜八は、恋した娘が同僚に惚れていることを知り、二人の恋路を応援する。
上映後トークあり（約30分）
ゲスト｜城定秀夫（映画監督）
徳田雄久（「連続ドラマＷ OZU～小津安二郎が描いた物語～」プロデューサー）
勝木孝（同上）
司 会 ｜金原由佳（映画ジャーナリスト）
＊上映後トークの詳細はこちらをご覧ください。
9母を恋はずやA Mother Should Be Loved(71分・24fps・35mm・無声・白黒・不完全)
- 2023年10月25日(水) 3:00 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
千恵子（吉川）は女手ひとりで二人の息子を育てあげるが、大学に進んだ長男の貞夫（大日方）は、千恵子が実の母でないことを知る。没落してゆく一家の物語に異母兄弟の設定を重ね合わせ、複雑な味わいを与えている。現存するのは冒頭とラストの巻が欠落した不完全版。原作の小宮周太郎は小津のペンネーム。
10浮草物語A Story of Floating Weeds(86分・35mm・無声・白黒)
- 2023年10月28日(土) 1:00 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
旅役者一座の座長・喜八（坂本）が山間の田舎町で昔馴染の女性（飯田）を再訪して騒動が起こる。人情劇「喜八もの」の第2作で、哀愁漂う人間模様を描く。『煩悩』（1928、ジョージ・フィッツモーリス）などを下敷きにした。後に『浮草』（1959）として自身で再映画化。サウンド版として製作されたが、現存するのは無声版のみである。
伴奏付上映
伴奏｜小林弘人
11東京の宿An Inn in Tokyo(80分・35mm・サウンド版・白黒)
- 2023年10月27日(金) 3:30 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
失業して仕事が見つからない喜八（坂本）は二人の子供と工業地帯をうろつく中、同じ状況にある母娘に出会う。不況の世の中で必死に生きる労働者の生活を描いた本作は、「喜八もの」としては異色である。原作者のウィンザアト・モネは without money をもじった架空の人物。
12一人息子The Only Son(82分・35mm・白黒)
- 2023年10月27日(金) 6:40 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
松竹蒲田時代の小津組の撮影技師・茂原英雄（この作品では録音を担当）が開発した「茂原式トーキー」を小津が初めて採用した作品で、サイレントからトーキーへの表現の模索が見られる。長野から上京した息子と彼を支える母親の姿をとおして日本の近代化を批評する。
上映後トークあり（約40分）
ゲスト｜賈樟柯（映画監督）
司 会 ｜市山尚三（東京国際映画祭プログラミング・ディレクター）
通 訳 ｜樋口裕子
＊上映後トークの詳細はこちらをご覧ください。
13淑女は何を忘れたかWhat Did the Lady Forget?(71分・35mm・白黒)
- 2023年10月24日(火) 3:00 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
恐妻家の大学教授（斎藤）の家族に、大阪から自由奔放な姪（桑野）が飛び込んでくる。若き日の小津が傾倒していたエルンスト・ルビッチを思わせる洒落た都会喜劇。本作で撮影監督に昇進した厚田雄春は、以後、小津と終生のコンビを組むことになる。
14戸田家の兄妹Brothers and Sisters of the Toda Family(105分・35mm・白黒)
- 2023年10月28日(土) 3:40 PM@長瀬記念ホール ＯＺＵ
財界の要職にあった父の残した借金のため、母と三女は住む場所を転々とすることを余儀なくされる。父の死をきっかけに解体してゆく上流家庭を描き出した、大船スター総出演の家族劇。中国戦線から帰還した小津の久々の作品であり、興行的な成功を収めた。
■チケットのオンライン発売は各上映日の3日前正午からとなります。
■チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。
■各回の開映後の入場はできません。予告篇はなく、本篇から上映します。
2023年10月24日(火)
11:00 AM 開館
上映後トークあり（約20分） 3淑女と髯 突貫小僧［パテベビー短縮版］ 突貫小僧［マーヴェルグラフ版］
2023年10月25日(水)
11:00 AM 開館
2023年10月26日(木)
11:00 AM 開館
伴奏付上映 4朗かに歩め
伴奏付上映 1学生ロマンス 若き日
2023年10月27日(金)
11:00 AM 開館
伴奏付上映 5その夜の妻
上映後トークあり（約40分） 12一人息子
2023年10月28日(土)
11:00 AM 開館
伴奏付上映 10浮草物語
上映後トークあり（約30分） 2大学は出たけれど 他
2023年10月29日(日)
11:00 AM 開館
伴奏付上映 6東京の
上映後トークあり（約30分） 7青春の夢いまいづこ
♪10月26日(木) 3:00 PM『朗かに歩め』
♪10月26日(木) 7:00 PM『学生ロマンス 若き日』
神﨑えり（こうざき・えり）／作曲、ピアノ
国立音楽大学作曲学科、パリ国立高等音楽院ピアノ即興演奏科卒業。作曲家・即興演奏家・ピアニストとして国内外で活躍し、即興演奏による映画伴奏にも力を入れている。ポルデノーネ無声映画祭、京都国際映画祭などの国際映画祭にて招待演奏を行い、高い評価を得ている。
♪10月27日(金) 1:00 PM『その夜の妻』
天池穂高（あまいけ・ほだか）／作曲、ピアノ
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修了。2003年、フィルムセンター（現・国立映画アーカイブ）の特集「小津安二郎の藝術」にて、初めてサイレント映画の伴奏を担当。作編曲活動に加えて、バレエのレッスンピアニストとしても活動している。
♪10月28日(土) 1:00 PM『浮草物語』
小林弘人（こばやし・ひろと）／作曲、ピアノ
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修了。2004年東京国際映画祭に出演。国立映画アーカイブのほか、神保町シアターに定期的に出演している。東京藝術大学特任准教授、東京音楽大学および洗足学園音楽大学講師。
♪10月29日(日) 1:00 PM『東京の合唱』
柳下美恵（やなした・みえ）／ピアノ
武蔵野音楽大学卒業。1995年、映画生誕百年祭でデビュー以来、国内外の映画館、映画祭で伴奏多数。ボン無声映画祭、タイ無声映画祭、ボローニャ復元映画祭などに招聘され好評を博す。鬼才カール・ドライヤー監督の名作『裁かるゝジャンヌ』の日本製DVDの音楽が評価され、英、米、丁でも採用された。映画に寄り添った即興伴奏スタイルが特徴。
★10月24日(火) 6:30 PM『突貫小僧』他（約20分）
ゲスト｜築山秀夫（長野県立大学教授、全国小津安二郎ネットワーク副会長）
★10月25日(水) 6:20 PM『出來ごころ』（約30分）
ゲスト｜城定秀夫（映画監督）
徳田雄久（「連続ドラマＷ OZU～小津安二郎が描いた物語～」プロデューサー）
勝木孝（同上）
司 会 ｜金原由佳（映画ジャーナリスト）
★10月27日(金) 6:40 PM『一人息子』（約40分）
ゲスト｜賈樟柯（映画監督）
司 会 ｜市山尚三（東京国際映画祭プログラミング・ディレクター）
通 訳 ｜樋口裕子
★10月28日(土) 7:00 PM『大学は出たけれど』他（約30分）
ゲスト｜工藤梨穂（映画監督）
徳田雄久（「連続ドラマＷ OZU～小津安二郎が描いた物語～」プロデューサー）
勝木孝（同上）
司 会 ｜金原由佳（映画ジャーナリスト）
★10月29日(日) 3:40 PM『青春の夢いまいづこ』（約30分）
ゲスト｜近藤啓介（映画監督）
徳田雄久（「連続ドラマＷ OZU～小津安二郎が描いた物語～」プロデューサー）
勝木孝（同上）
司 会 ｜金原由佳（映画ジャーナリスト）
＊ 調整中のゲストなど詳細は、後日公開します。
＊ トークイベントのみの参加はできません。
＊ ゲストは予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
| 一般 | 高校・大学生・ 65歳以上 |
小・中学生 | 障害者手帳をお持ちの方（付添者は原則1名まで）・キャンパスメンバーズ | |
| チケット料金 | 1,300円 | 1,100円 | 900円 | 800円 |
| オンライン販売 | 各上映日の3日前正午から各上映回の開映15分前まで | |||
| 窓口販売（1F） | 各上映回の開映1時間前から5分前まで若干数販売（座席選択不可） | |||
電子チケット購入方法
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・未就学児、優待の方は「障害者手帳をお持ちの方または付添者等券」をお求めください。
入場方法
・チケットのＱＲコードをスマホ画面、または印刷紙面でご提示ください。
・学生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ、優待の方は証明できるものをご提示ください。ご提示のない方はご入場できません。
・料金区分の違うチケットでは入場できません。差額のお支払で観覧することはできません。
・各回の開映後の入場はできません。予告篇はございません。
・開場は開映30分前です。
ご注意ください！
・電子チケットには特集名や作品名が表示されません。上映日時のみ表示されます。お間違いのないようご購入・ご提示ください。
・窓口でご購入いただける当日券は各回1名につき1枚のみです。
・チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。
