過去の上映
- 2017.11.9-11.19
- 上映企画
京橋映画小劇場No. 36
ドキュメンタリー作家 羽田澄子 Part 2
Kyobashi-za No. 36
Sumiko Haneda: A Documentary Filmmaker, Part 2
会期:2017年11月9日(木)−11月19日(日)
※十三世片岡仁左衛門の記録映画『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』6部作のみ大ホール(2階)で上映します。
会場:小ホール(地下1階)
定員:151名(各回入替制)
観覧券の発券:地下1階受付
『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』6部作
会場:大ホール(2階)
定員:310名(各回入替制)
観覧券の発券:2階受付
★各回の開映後の入場はできません。
料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・観覧券の発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・観覧券の発券は各回1名につき1枚のみです。
概要
PDF版でもご覧いただけます ↓
《京橋映画小劇場》第36回企画として、昨年度の第34回に続き「ドキュメンタリー作家 羽田澄子 Part 2」を開催します。第2弾となる今回は、十三世片岡仁左衛門の最晩年の至芸をゆったりと捉えた『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』6部作(1992-94年)をはじめとする、歌舞伎を題材に採った作品群を中心に、岩波映画時代の無形文化財や舞台芸術に取り組んだ作品、さまざまなPR映画やドキュメンタリー、TVシリーズ「生きものばんざい」の各エピソードなど、計23作品を12プログラムに組んで上映します。『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』6部作は、大ホールにてご鑑賞いただけます。皆さまのご来場をお待ち申し上げます。
■年は製作年を記載しています。
■(監)=監督・演出 (製)=製作 (脚)=脚本 (撮)=撮影 (録)=録音 (音)=音楽・音楽監督 (出)=出演 (解)=解説・ナレーション
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
■NPと付記された作品は、ニュープリントでの上映となります。
大田区につたわる無形文化財 (35分・1973・企画:東京都大田区|製作:岩波映画・監・脚:羽田澄子)
4.生きものばんざい モンシロチョウの恋 他 (計104分) 5.岩波ホール演劇シリーズ第二回公演 東海道四谷怪談 (93分・1976・企画:岩波ホール|製作:岩波映画・監:羽田澄子) 6.歌舞伎の魅力 新歌舞伎 他 (計105分) 7.歌舞伎役者 片岡仁左衛門 若鮎の巻 (100分・1992・企画:仁左衛門の芸談をきく会|製作:自由工房・監:羽田澄子) 8.歌舞伎役者 片岡仁左衛門 人と芸の巻 上巻 (94分・1992・企画:仁左衛門丈の芸談をきく会|製作:自由工房・監:羽田澄子) 9.歌舞伎役者 片岡仁左衛門 人と芸の巻 中巻 (101分・1992・企画:仁左衛門丈の芸談をきく会|製作:自由工房・監:羽田澄子) 10.歌舞伎役者 片岡仁左衛門 人と芸の巻 下巻 (110分・1992・企画:仁左衛門丈の芸談をきく会|製作:自由工房・監:羽田澄子) 11.歌舞伎役者 片岡仁左衛門 孫右衛門の巻 (86分・1992・企画:片岡仁左衛門丈の芸談をきく会|製作:自由工房・監:羽田澄子) 12.歌舞伎役者 片岡仁左衛門 登仙の巻 (158分・1994・企画:仁左衛門丈の芸談をきく会|製作:自由工房・監:羽田澄子)
上映作品詳細
1鐡齋の画 他(計89分)
- 2017年11月9日2:00 PM@小ホール
- 2017年11月15日4:30 PM@小ホール
頌 齊藤知一郎 (32分・35mm・カラー)
1961年2月に逝去した大昭和製紙の創業者・齊藤知一郎の追悼記録映画。葬儀の記録映像と共に、若き日の知一郎の姿や昭和天皇が製紙工場見学に来た様子、静岡県立吉原工業高校に建てられた「努力の道」の石碑などが紹介され、故人の功績が称えられる。
木と家(25分・35mm・カラー)
柱と梁の構造や仕口・継手の手法など、独特の特徴をもつ日本の木造家屋を、全国各地に残るさまざまな民家を例に取りながら、茶室や書院造、江戸の町家など歴史的な展開も交えて解説する。木が生きる長い時間に対する羽田の省察は、のちの『薄墨の桜』(1977)においてさらに発展することになる。第12回産業映画コンクール日本産業映画大賞受賞。
鐡齋の画(32分・35mm・カラー)
明治から大正期にかけて活躍した文人・富岡鉄斎の絵画の世界を探究する。「蓬莱仙境図」や「蘇東坡図」など著名な絵画が、画賛や鉄斎の言葉と共に丹念に紹介される。製作を企画した清荒神清澄寺(兵庫県宝塚市)は鉄斎作品の蒐集で知られ、1975年には境内に鉄斎美術館を開設した。
2コカ・コーラのお話 他(計75分)
- 2017年11月9日5:00 PM@小ホール
- 2017年11月17日2:00 PM@小ホール
EXPO'70 コンピュートピア(23分・16mm・カラー)
1970年の大阪万博における古河パビリオンの展示を紹介するPR映画。同パビリオンは、東大寺にかつてあった七重塔を模して建てられたことで当時話題となり、内部では富士通社製のコンピュータを利用した未来の生活(コンピュートピア)を展示した。
コカ・コーラのお話(15分・35mm・カラー)
コカ・コーラのPR映画。コカ・コーラの発明と人々への浸透ぶりが写真やイラスト、アニメーションなどで分かりやすく説明され、製造工場の様子も紹介される。アニメーションはアートアニメスタジオによる。第16回日本産業映画コンクール奨励賞受賞。
日米文化交流の記録 -1983年-(17分・16mm・カラー)
サントリー美術館が1983年秋にニューヨークのジャパンハウス・ギャラリーで開催した「秋草・流水」展と、同時期にサントリー文化財団がジャパン・ソサエティと共同で開催した日米シンポジウム”Only Yesterday, the 1970s”の記録映画。レセプションや当時の館長・佐治敬三による記念講演などが捉えられている。
加令 -肌の変化とそのしくみ-(20分・35mm・カラー)
ポーラ化粧品の新製品「ルネート」の発売にあたって製作されたPR映画。年齢による肌の変化がイラストや科学実験映像を駆使して説明される。能面を用いた演出も興味深い。
3大田区につたわる無形文化財/早池峰神楽の里
- 2017年11月14日2:00 PM@小ホール
- 2017年11月17日5:00 PM@小ホール
早池峰神楽の里(52分・16mm・カラー)
岩手県北上山地・早池峰山の麓の町に残る山伏神楽とそれを守る人々の記録。町民による募金活動にも支えられ、2年をかけて完成した。しかし羽田には伝えきれなかったとの想いが残り、続いて自主作品として3時間を超える大作『早池峰の賦』(1982)を完成させることとなる。
大田区につたわる無形文化財(35分・16mm・カラー)
大田区に伝わる貴重な祭事や芸能を記録した作品。羽田にある水神社の水神祭や六郷神社のこども流鏑馬祭、獅子舞、厳正寺の水止舞などが捉えられている。
4生きものばんざい モンシロチョウの恋 他(計104分)
- 2017年11月14日5:00 PM@小ホール
- 2017年11月16日2:00 PM@小ホール
「新日鉄アワー 生きものばんざい」は、1973年10月から1982年9月にかけて、NET(現テレビ朝日)系列局およびTBS系列局において、日曜午前に放映された30分枠の教養番組(全466話)。各回、さまざまな生き物の生態や人間との関わりが描かれる。羽田は6話分の演出を担当したが、それらのうち27話「モンシロチョウの恋」、51話「流れ藻 運命の乗合バス」、59話「奇魚! 魚を釣る魚」、65話「モモンガ 赤ちゃん日記」を上映する。
生きものばんざい 流れ藻 運命の乗合バス(26分・16mm・カラー)
生きものばんざい モンシロチョウの恋(26分・16mm・カラー)
生きものばんざい 奇魚! 魚を釣る魚(26分・16mm・カラー)
生きものばんざい モモンガ 赤ちゃん日記(26分・16mm・カラー)
5岩波ホール演劇シリーズ第二回公演 東海道四谷怪談(93分・16mm・カラー)
- 2017年11月10日2:00 PM@小ホール
- 2017年11月16日5:00 PM@小ホール
1976年6月に岩波ホールで上演された「東海道四谷怪談」(武智鉄二演出、落合清彦脚本)の舞台記録。伊右衛門役に中村扇雀(現・四代目坂田藤十郎)、お岩・小佛小平・お熊の三役に白石加代子、直助権兵衛に伊藤雄之助(途中から東屋源喜の代役で宅悦も務めた)、お梅に川口小枝が配されている。
6歌舞伎の魅力 新歌舞伎 他(計105分)
- 2017年11月10日5:00 PM@小ホール
- 2017年11月15日1:30 PM@小ホール
歌舞伎の魅力 菅丞相 片岡仁左衛門 -義太夫狂言の演技-(36分・16mm・カラー)
「菅原伝授手習鑑」の通し上演(1981年11月)を機に国立劇場が企画した作品。「義太夫の素養のある役者」である十三世片岡仁左衛門が菅丞相を演じるさまを、絵巻物や文楽公演のフッテージ等を交えつつ描く。この作品における羽田と仁左衛門の出会いは、後の『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』6部作へとつながる。昭和57年度芸術祭優秀作品賞受賞。
歌舞伎の魅力 音楽 おさん 茂兵衛 大經師昔暦 にみる(35分・16mm・カラー)
歌舞伎の舞台における音楽の役割と、歌舞伎役者にとっての音楽の素養の重要性が、六世中村歌右衛門が阿古屋を演じ琴・三味線・胡弓を弾く「壇浦兜軍記」や七世中村芝翫がおさんを演じる「大經師昔暦」の記録映像と共に解説される。昭和60年度文化庁芸術作品賞(短篇映画の部)受賞。
歌舞伎の魅力 新歌舞伎(34分・16mm・カラー)
明治後期から昭和初期にかけて、特定の劇場に専属していない作家たちが創作した新歌舞伎が、歌舞伎の歴史にどのような新しさを加えたかが、坪内逍遥作「牧の方」と長谷川伸作「一本刀土俵入」の舞台記録映像、さらには稽古の様子や、役者や作家へのインタビューなども交えながら解説される。
7歌舞伎役者 片岡仁左衛門 若鮎の巻(100分・16mm・カラー)
- 2017年11月11日11:00 AM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年11月18日11:00 AM@長瀬記念ホール OZU
『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』6部作(1992-94)は、十三世片岡仁左衛門(1903-1994)に魅せられた羽田監督が、その芸や芸談を残すため、1987年から仁左衛門が亡くなる1994年までの長期にわたって撮影した作品である。第一作の本作は、上方歌舞伎若手役者の勉強会として1980年から1989年まで年に1度の公演が行われた「若鮎の会」の8回目(1987年)の様子を捉える。「一条大蔵譚」と「傾城反魂香(吃又)」の稽古風景から本舞台の上演までが映し出され、半濁音の発音の仕方のような細部にまでわたる仁左衛門の指導ぶりを知ることができる。
8歌舞伎役者 片岡仁左衛門 人と芸の巻 上巻(94分・16mm・カラー)
- 2017年11月11日2:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年11月18日2:00 PM@長瀬記念ホール OZU
「人と芸」は仁左衛門84歳から88歳までの4年間にわたり芸談、舞台、生活を記録したもの。本作は、84歳となる1987年に出演した「伊賀越道中双六」(6月)、「紙子仕立両面鑑」(10月)、「寿曽我対面」(12月)それぞれの上演の様子を中心にまとめられている。「寿曽我対面」は京都南座の顔見世35回連続出演になる記念すべき公演であった。
9歌舞伎役者 片岡仁左衛門 人と芸の巻 中巻(101分・16mm・カラー)
- 2017年11月11日4:30 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年11月18日4:30 PM@長瀬記念ホール OZU
仁左衛門85歳となる1988年が記録されている。前年末の顔見世に続く1月の「寿曽我対面」、2月の「菅原伝授手習鑑」、5月「妹背山婦女庭訓」の上演の様子が伝えられる一方、23歳のときにまとめた短篇集の話、乗り物好きなこと、片岡家のお盆など舞台以外の仁左衛門を知ることができる。
10歌舞伎役者 片岡仁左衛門 人と芸の巻 下巻(110分・16mm・カラー)
- 2017年11月12日11:00 AM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年11月19日11:00 AM@長瀬記念ホール OZU
1988年から1991年の「芸談をきく会」で語られた芸談を中心に、家族インタビューで子供たちから見た仁左衛門の姿や、仁左衛門歌舞伎の立ち上げを回想する夫婦の談話、視力を失い病に倒れながらも演じた南座での「堀川波の鼓」や「菊畑」など、芝居一筋に生きる仁左衛門の姿が多面的に捉えられる。
11歌舞伎役者 片岡仁左衛門 孫右衛門の巻(86分・16mm・カラー)
- 2017年11月12日1:40 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年11月19日1:40 PM@長瀬記念ホール OZU
1989年10月の歌舞伎座「恋飛脚大和往来」の稽古と舞台の様子をふんだんにおさめ、前年の星野源一写真集『風姿 歌舞伎役者・十三代目片岡仁左衛門』出版時に行われた仁左衛門一家のインタビューから、舞台に打ち込む一家の姿を一気に見せる。
12歌舞伎役者 片岡仁左衛門 登仙の巻(158分・16mm・カラー)
- 2017年11月12日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
- 2017年11月19日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
6部作の最終作は、仁左衛門の最晩年を捉え続ける。「楼門五三桐」の石川五右衛門や「八陣守護城」の佐藤正清など、90歳にしてなお初役を務める若々しい姿や、長く上演されなかった「鬼一法眼三略巻」三段目・奥庭の場を、諸先輩から受け継いだ芸を残していく責任感と共に上演する姿が映し出される。喜代子夫人をはじめ、仁左衛門を支えた女性たちの存在も印象深い。
■作品によって開映時間が異なりますのでご注意ください。
■各回の開映後の入場はできません。