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平成22年度
Wプログラム

松本清張、山崎豊子、水上勉による社会派ミステリー小説を原作に、名匠たちが丹精こめて作り上げた力作を紹介いたします。
◆張込み
 (1958年・野村芳太郎・松竹・116分)

解説、スタッフ、役名[キャスト]は、後日アップいたします。

◆黒い画集 あるサラリーマンの証言
 (1960年・堀川弘通・東宝・95分)

解説、スタッフ、役名[キャスト]は、後日アップいたします。

◆白い巨塔
 (1966年 大映[東京] 白黒 シネマスコープ 150分)


一人の医学部助教授の教授昇進をめぐって展開される、大学内部の権謀術数の世界を大胆に描いた、山崎豊子の同名小説の映画化作品。発表当時、医学界に波紋を投じた小説であり、近年テレビドラマ化もされ、ふたたび話題を集めた。この映画化では脚本を橋本忍が担当し、1950年代独立プロダクション運動などの活躍で社会派として知られる、山本薩夫が監督にあたっている。「白い巨塔」=「大学医学部」の欺瞞性が、山本監督一流の巧みな語り口で小気味よく暴かれ、痛快な作品となっている。野心に燃える助教授を演じた田宮二郎の魅力も、この作品の成功を支えており、俳優として記念すべき作品となった。山崎豊子原作、山本薩夫監督の同系列の作品に『華麗なる一族』(1974)、『不毛地帯』(1976)がある。

[スタッフ]
(原作) 山崎豊子
(脚本) 橋本忍
(監督) 山本薩夫
(製作) 永田雅一
(撮影) 宗川信夫
(照明) 柴田恒吉
(録音) 奥村幸雄
(音楽) 池野成
(美術) 間野重雄

[役名(キャスト)]
財前五郎 (田宮二郎)
東教授 (東野英治郎)
里見助教授 (田村高廣)
鵜飼教授 (小沢栄太郎)
菊川教授 (船越英二)
船尾教授 (滝沢修)
大河内教授 (加藤嘉)
今津教授 (下条正巳)
財前又一 (石山健二郎)
佐枝子 (藤村志保)
ケイ子 (小川真由美)

◆飢餓海峡
 (1964年 東映[東京] 白黒 シネマスコープ 183分)


原作は、「週刊朝日」に連載された水上勉の長編推理小説である。北海道で脱獄囚による強盗殺人事件が発生した。その日は青函連絡船の遭難事故が起きた日でもあり、事件の解明は難航を極めた。やがて10年の歳月が過ぎた頃、舞鶴で女性の変死体が見つかったことから、事件はようやくその全貌を見せはじめた。貧しさから脱出するため罪を犯した男、貧しさゆえに犯人の恩を忘れなかった女、そして事件を執念深く追いかける刑事ら、社会の底辺で懸命に生きる人々の喜びと悲しみを描いたこの作品は、深い人間観察による力強い演出で内田監督の代表作であると同時に、戦後日本映画の成果の一つでもある。ラストの三国連太郎が海峡に身を投じる場面は、戦後の日本の精神的飢餓を暗示するかのようである。爪のエピソードは原作にはなく、映画独自のものである。三国の力演と左幸子の体当たり的熱演、そして<喜劇の伴淳>がシリアスな老刑事を演じて見事である。「キネマ旬報」ベストテン第5位。

[スタッフ]
(原作) 水上勉
(脚本) 鈴木尚之
(監督) 内田吐夢
(撮影) 仲沢半次郎
(照明) 川崎保之丞
(録音) 内田陽造
(音楽) 富田勲
(美術) 森幹男

[役名(キャスト)]
犬飼多吉/樽見京一郎 (三国連太郎)
杉戸八重 (左幸子)
弓坂刑事 (伴淳三郎)
味村刑事 (高倉健)
八重の父 長左衛門 (加藤嘉)
樽見の妻 敏子 (風見章子)
本島信市 (三井弘次)
妻 妙子 (沢村貞子)
東舞鶴署長 (藤田進)
和尚 (山本麟一)
記者A (室田日出男)

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