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平成22年度
Oプログラム

見るものを惹きつけて止まない異端のヒーローたち。シリーズ化やリメイクにより、時代を超越するイコンとなった主人公を描く作品群を紹介いたします。
◆不知火検校
 (1960年・森一生・大映・91分)

解説、スタッフ、役名[キャスト]は、後日アップいたします。

◆次郎長三国志
 (1963年 東映[京都] カラー シネマスコープ 102分)


講談や浪曲など大衆芸能の世界で広く知られている幕末の博徒、遠州清水港の次郎長とその子分たちの活躍を描いた痛快時代劇。監督のマキノ雅弘は 1952年から54年にかけて『次郎長三国志』(東宝)9部作を作っており、次郎長ものの決定版との評価が高い。東映のこの作品はそのリメイク版にあたり、4部作として製作されている。1920年代半ばに監督デビューしたベテラン、マキノ監督にとっては手慣れた素材であり、流れるような巧みな演出で男意気の世界を作り出している。東映が時代劇から任侠映画へと比重を移しつつあった時期でもあり、次郎長(鶴田浩二)、大政(大木実)、法印大五郎(田中春男)、関東綱五郎(松方弘樹)、桶屋の鬼吉(山城新伍)、増川仙右衛門(津川雅彦)、森の石松(長門裕之)という布陣は、そのまま大衆時代劇ともいえる任侠映画の中核をなしていく。

[スタッフ]
(原作) 村上元三
(脚本) 山内鉄也
(脚本・監督) マキノ雅弘
(企画) 小倉浩一郎
(〃) 俊藤浩滋
(撮影) 三木滋人
(照明) 中山治雄
(録音) 東城絹児郎
(音楽) 鈴木静一
(美術) 鈴木孝俊

[役名(キャスト)]
清水の次郎長 (鶴田浩二)
関東綱五郎 (松方弘樹)
お蝶 (佐久間良子)
桶屋の鬼吉 (山城新伍)
大政 (大木実)
法印大五郎 (田中春男)
増川仙右衛門 (津川雅彦)
お千 (藤純子)
森の石松 (長門裕之)
投げ節お仲 (丘さとみ)

◆網走番外地
 (1965年・石井輝男・東映・91分)

解説、スタッフ、役名[キャスト]は、後日アップいたします。

◆人生劇場 飛車角と吉良常
 (1968年 東映[東京] カラ- シネマスコープ 109分)


尾崎士郎の名作として知られる「人生劇場」のうち、特に「残侠篇」に焦点を絞って、巨匠内田吐夢監督が演出した作品である。青春の悩み、男女の愛憎、男の侠気、巡り会いなどを描いたこの小説は、きわめて映画的な題材であり、これまでにも14回にわたり映画化されている。内田自身もすでに1936年に『人生劇場・青春篇』を発表、評価を得て、その年の「キネマ旬報」ベストテン第2位を獲得している。題材としては2回目の挑戦であったが、中心となるのは青成瓢吉や彼をとり囲む文学の世界の人間たちではなく、飛車角や宮川、吉良常といった侠客たち、おとよ、お袖といった底辺を生きる女たちである。本作の製作された時期、「任侠映画」と呼ばれる一連の作品群が量産され、大衆的な人気を集めており、この作品もその一本として企画されたものである。とはいえ、個々の演出は力感と格調にあふれており、ラストシーンに立ちのぼる霧などに付加されたイメージは内田作品以外の何ものでもない。今からふりかえれば、鶴田浩二、若山富三郎、藤純子、高倉健などこのジャンルにおいて一時代を画した俳優たちが、そろって出演している点も意義深い。「キネマ旬報」ベストテン第9 位。

[スタッフ]
(原作) 尾崎士郎
(脚本) 棚田吾郎
(監督) 内田吐夢
(製作) 大川博
(企画) 俊藤浩滋
(撮影) 仲沢半次郎
(照明) 梅谷茂
(録音) 小松忠之
(音楽) 佐藤勝
(美術) 藤田博

[役名(キャスト)]
飛車角 (鶴田浩二)
宮川 (高倉健)
小金 (若山富三郎)
おとよ (藤純子)
青成瓢太郎 (中村竹弥)
寺兼 (大木実)
丈徳 (天津敏)
大横田 (遠藤辰雄)
青成瓢吉 (松方弘樹)
お袖 (左幸子)
吉良常 (辰巳柳太郎)

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