平成19年度プログラムリスト(全22番組、88作品)麦秋(1951年・小津安二郎・松竹・125分)
東京物語(1953年・小津安二郎・松竹・136分) 彼岸花(1958年・小津安二郎・松竹・118分) 秋刀魚の味(1962年・小津安二郎・松竹・113分) 今や世界の映画史に大書される巨匠となった小津安二郎監督が、親と子の関係を静かに見つめた珠玉の作品を紹介いたします。
めし(1951年・成瀬巳喜男・東宝・97分)
おかあさん(1952年・成瀬巳喜男・新東宝・98分) 浮雲(1955年・成瀬巳喜男・東宝・123分) 乱れ雲(1967年・成瀬巳喜男・東宝・108分) 男女の心のあやや生きることのはかなさを、冷徹な視線で描写し、確固たる作風を築いた成瀬巳喜男監督の戦後代表作を、遺作を含めて紹介いたします。
酔いどれ天使(1948年・黒澤明・東宝・98分)
羅生門(1950年・黒澤明・大映・88分) 生きる(1952年・黒澤明・東宝・143分) 天国と地獄(1963年・黒澤明・東宝=黒澤プロ・143分) 人間の生と老、善と悪を、大胆な構成と躍動感あふれる演出で描き続けた世界のクロサワの傑作を紹介いたします。
王将(1948年・伊藤大輔・大映・93分)
弁天小僧(1958年・伊藤大輔・大映・86分) 血槍富士(1955年・内田吐夢・東映・94分) 飢餓海峡(1964年・内田吐夢・東映・183分) 時代劇の表現に革新を試み続けた伊藤大輔、稀なる骨太な作風で日本の風土と日本人の精神を描いた内田吐夢。この二人の巨匠の戦後代表作を紹介いたします。
青い山脈(1949年・今井正・藤本プロ=東宝・172分)
また逢う日まで(1950年・今井正・東宝・109分) 野火(1959年・市川崑・大映・104分) ぼんち(1960年・市川崑・大映・104分) 近代日本の光と影を情感ゆたかなリアリズムで描いた今井正、才気あふれる作風で日本映画の刷新を試み続けた市川崑。この二人の巨匠の代表作を紹介いたします。
わが青春に悔いなし(1946年・黒澤明・東宝・110分)
安城家の舞踏会(1947年・吉村公三郎・松竹・90分) 蜂の巣の子供たち(1948年・清水宏・蜂の巣映画部・84分) 帰郷(1950年・大庭秀雄・松竹・104分) 終戦直後の混乱のなかで、古き時代への悔恨と新しい時代に向けた希望を映し出した力作を紹介いたします。
煙突の見える場所(1953年・五所平之助・新東宝=スタジオ8プロ・108分)
お早よう(1959年・小津安二郎・松竹・94分) 裸の島(1960年・新藤兼人・近代映画協会・96分) 東京オリンピック(1965年・市川崑・東京オリンピック映画協会=東宝・170分) 戦争の傷跡が残る戦後日本で淡々と営まれる日常、そして復興を象徴した国家的イベントを記録した作品を紹介いたします。
くちづけ(1957年・増村保造・大映・73分)
青春残酷物語(1960年・大島渚・松竹・96分) にっぽん昆虫記(1963年・今村昌平・日活・123分) 心中天網島(1969年・篠田正浩・表現社=ATG・103分) 1950年後半より登場した若き映画監督たち――人間の意志と情熱にストレートに描き出したみずみずしい作品群を紹介いたします。
遠雷(1981年・根岸吉太郎・にっかつ撮影所他・135分)
転校生(1982年・大林宣彦・日本テレビ放送網=ATG・113分) 夢千代日記(1985年・浦山桐郎・東映・129分) 花いちもんめ(1985年・伊藤俊也・東映・125分) 都市近郊の農家や老人性認知症など、これまで映画が描いてこなかった問題に果敢に挑戦した1980年代の映画を紹介いたします。
櫻の園(1990年・中原俊・ニューセンチュリープロデューサーズ=サントリー・100分)
大誘拐 RAINBOW KIDS(1991年・岡本喜八・喜八プロ=ニチメン=フジエイト・120分) お引越し(1993年・相米慎二・読売テレビ放送・124分) 毎日が夏休み(1994年・金子修介・パイオニアLDC=サンダンスカンパニー・94分) 漫画や児童文学などをもとに、子供や老人の眼から家族や社会を見つめた1990年代の秀作を紹介いたします。
夜の河(1956年・吉村公三郎・大映・104分)
伊豆の踊子(1963年・西河克己・日活・87分) 五番町夕霧楼(1963年・田坂具隆・東映・137分) 五瓣の椿(1964年・野村芳太郎・松竹・163分) 山本富士子、吉永小百合、佐久間良子、岩下志麻――今や大女優となった彼女たちの若き姿を、文芸ものや時代ものを通して紹介いたします。
稲妻(1952年・成瀬巳喜男・大映・87分)
紀ノ川(1966年・中村登・松竹・166分) 華岡青洲の妻(1967年・増村保造・大映・99分) サンダカン八番娼館 望郷(1974年・熊井啓・俳優座=東宝・121分) 高峰秀子、司葉子、若尾文子、田中絹代――若き彼女たちをスターへと飛躍させた大作、大女優の晩年を輝かせた秀作を紹介いたします。
隠し砦の三悪人(1958年・黒澤明・東宝・138分)
反逆児(1961年・伊藤大輔・東映・110分) 次郎長三国志(1963年・マキノ雅弘・東映・102分) 白い巨塔(1966年・山本薩夫・大映・150分) 三船敏郎、中村錦之助、鶴田浩二、田宮二郎――情熱あふれる男性スターの魅力が全開した作品を紹介いたします。
嵐を呼ぶ男(1957年・井上梅次・日活・101分)
悪名(1961年・田中徳三・大映・94分) 沓掛時次郎 遊侠一匹(1966年・加藤泰・東映・90分) 人生劇場 飛車角と吉良常(1968年・内田吐夢・東映・109分) 石原裕次郎、勝新太郎、渥美清、高倉健――個性豊かな男優たちの溌剌とした魅力が充満した娯楽作を紹介いたします。
大江戸五人男(1951年・伊藤大輔・松竹・132分)
銭形平次捕物控 人肌蜘蛛(1956年・森一生・大映・82分) 旗本退屈男(1958年・松田定次・東映・108分) 赤穂浪士(1961年・松田定次・東映・150分) 阪妻、長谷川一夫、右太衛門、千恵蔵――定番時代劇の醍醐味を存分に発揮したスター競演の作品を紹介いたします。
本日休診(1952年・渋谷実・松竹・96分)
幕末太陽伝(1957年・川島雄三・日活・110分) ニッポン無責任時代(1962年・古澤憲吾・東宝・86分) 喜劇・女は男のふるさとヨ(1971年・森崎東・松竹・90分) 風刺劇に落語ネタ、庶民劇にクレージー・キャッツ――さまざまな笑いで見るものを楽しませてきた喜劇映画の代表作を紹介いたします。
おかしな奴(1963年・沢島忠・東映・110分)
喜劇・大安旅行(1968年・瀬川昌治・松竹・94分) 吹けば飛ぶよな男だが(1968年・山田洋次・松竹・91分) あゝ軍歌(1970年・前田陽一・松竹・88分) 日本映画が量産されていた1960年代に登場した映画監督たちが、風刺劇やシリーズもののなかで新たな挑戦を試みた喜劇映画の秀作を紹介いたします。
キューポラのある街(1962年・浦山桐郎・日活・99分)
けんかえれじい(1966年・鈴木清順・日活・86分) 八月の濡れた砂(1971年・藤田敏八・日活・91分) 伊豆の踊子(1974年・西河克己・東宝映画=ホリプロ・82分) 純情と獰猛さが入り混じった青春の一瞬を、気鋭の監督たちが鮮やかに収めた青春映画の秀作を紹介いたします。
純愛物語(1957年・今井正・東映・130分)
おとうと(1960年・市川崑・大映・98分) 肉弾(1968年・岡本喜八・「肉弾」を作る会=ATG・116分) 旅の重さ(1972年・斎藤耕一・松竹・91分) 苛酷な境遇のなかで純粋な心を一途に守ろうとする若者たちの姿を、繊細なタッチで描き出した青春映画の代表作を紹介いたします。
エノケンの頑張り戦術(1939年・中川信夫・東宝・74分)
ジャンケン娘(1955年・杉江敏男・東宝・92分) 大学の若大将(1961年・杉江敏男・東宝・82分) 君も出世ができる(1964年・須川栄三・東宝・100分) 軽やかなリズムと華やかな色彩にのせて、歌と笑いと夢にあふれた音楽・歌謡映画の決定版を紹介いたします。
にごりえ(1953年・今井正・新世紀映画=文学座・130分)
あすなろ物語(1955年・堀川弘通・東宝・108分) 雁の寺(1962年・川島雄三・大映・98分) 怪談(1964年・小林正樹・にんじんくらぶ・161分) 樋口一葉、井上靖、水上勉、小泉八雲――日本文学を代表する原作を、豊かな情感と奔放な想像力で映画化した文芸ものの傑作を紹介いたします。
西遊記(1960年・藪下泰司・東映動画・88分)
太陽の王子 ホルスの大冒険(1968年・高畑勲・東映動画・82分) 長靴をはいた猫(1969年・矢吹公郎・東映動画・80分) 火垂るの墓(1988年・高畑勲・新潮社・89分) 今や日本文化の顔となったアニメーション映画。日本アニメの歴史を画した代表作を紹介いたします。
平成19年度実施会場リストへ |