国立映画アーカイブ開館記念
映画プロデューサー 黒澤満
Inaugurating NFAJ: Mitsuru Kurosawa: A Film Producer
概要
多くの大手スタジオが大作一本立て路線へと転換していた1978年、1本の小品が映画ファンの心をとらえました。その作品『最も危険な遊戯』は、村川透監督と仙元誠三キャメラマンによるスタイリッシュで陰影に富んだ映像や、新進スター・松田優作の身体的魅力に満ちた犯罪アクションでした。そして彼らを起用し作品をプロデュースした黒澤満=東映セントラルフィルムは、撮影所を持たず、固定したスタッフもほとんどいなかったにもかかわらず、魅力的な企画と優秀な人材を核とした、機動力のある野心的な映画作りに挑み、撮影所衰退期において質の高い娯楽作品を多作します。『最も危険な遊戯』以後40年、途中セントラル・アーツと名称を変えながら、映画ファンをワクワクさせる個性的な映画を、現在に至るまで世に送り出してきました。
国立映画アーカイブでは、この巨大な足跡に敬意を表し、上映企画「国立映画アーカイブ開館記念 映画プロデューサー 黒澤満」を開催します。黒澤の200本以上に及ぶ膨大なプロデュース作品の中から20作品を厳選し、『最も危険な遊戯』など松田優作主演作をはじめ、舘ひろしや仲村トオルの出世作、角川映画と組んだ話題作、大人気TVシリーズの劇場版、新進気鋭の若手監督の長篇デビュー作、オリジナルビデオの野心作など多岐にわたる作品を上映します。会期中には黒澤と縁の深い映画人によるトークイベントも開催します。皆さまのご来場をお待ちしています。
黒澤満プロデューサーは2018年11月30日に逝去されました。本企画への御協力に深く感謝申し上げると共に、謹んで哀悼の意を表します。
黒澤満プロフィール(作成協力:日活株式会社)
1933年生まれ。1955年日活入社。新宿日活営業係を経て1958年に梅田日活の支配人に抜擢される。1963年、半年のみ名古屋日活の支配人として異動するが、再び梅田日活の支配人に復帰。1969年、日活関西支社宣伝課長となる。1970年、俳優部次長として製作の現場に呼ばれ、その後映像本部長室長に就く。1971年、日活がロマンポルノ路線へと転換して以降、その企画製作の中核として多くのロマンポルノ作品をプロデュースする。1972年に企画製作部長、1973年に撮影所長に就任。1977年、日活を退社した後、東映芸能ビデオに入社。同年に東映が新たに立ち上げた東映セントラルフィルム(その製作部門が、のちセントラル・アーツに発展)に招聘され、翌年公開の第1回作品『最も危険な遊戯』が話題となる。以後、数多くの映画やTV作品をプロデュースし続けた。株式会社セントラル・アーツ代表取締役社長。2007年、文化庁映画賞(映画功労部門)受賞。2013年、毎日映画コンクール特別賞受賞。
本特集へのメッセージ
私がセントラル・アーツにいた約10年間、現場で働く殆どの人が、自分や自分の家族のため、だけではなく、黒澤さんのために頑張っているように見えました。当の黒澤さんだけが、いつも自分以外の誰かや何かのために、企画を考え、現場を整え、作品を作っていました。誰もが、本当に誰もが黒澤さんを尊敬していました。
―――仲村トオル(俳優)
プログラム
(監)=監督 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演
■スタッフ、キャストの人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
最も危険な遊戯89分・1978・村川透 真夜中の挑戦 皮ジャン反抗族82分・1978・長谷部安春 蘇える金狼131分・1979・村川透 ヨコハマBJブルース112分・1981・工藤栄一 死の断崖93分・1982・工藤栄一 Wの悲劇109分・1984・澤井信一郎 それから130分・1985・森田芳光 ビー・バップ・ハイスクール95分・1985・那須博之 ボクの女に手を出すな95分・1986・中原俊 ラブ・ストーリーを君に104分・1988・澤井信一郎 またまたあぶない刑事95分・1988・一倉治雄 ・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・90分・1988・榎戸耕史 六本木バナナ・ボーイズ90分・1989・成田裕介 べっぴんの町103分・1989・原隆仁 カルロス92分・1991・きうちかずひろ 襲撃 BURNING DOG104分・1991・崔洋一 ニューヨークUコップ88分・1993・村川透 XX 美しき狩人90分・1994・小沼勝 時雨の記116分・1998・澤井信一郎 行きずりの街123分・2010・阪本順治 トークイベント
上映日時(チケット購入)
■作品によって開映時間が異なりますのでご注意ください。
1/8(火) | |
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1/9(水) | |
1/10(木) | |
1/11(金) | |
1/12(土) |
トークイベント長瀬記念ホール OZU |
1/13(日) | |
1/14(月) | 休館日 |
1/15(火) | |
1/16(水) | |
1/17(木) | |
1/18(金) | |
1/19(土) | |
1/20(日) | |
1/21(月) | 休館日 |
1/22(火) | |
1/23(水) | |
1/24(木) | |
1/25(金) | |
1/26(土) | |
1/27(日) |
トークイベント
トークイベントのお知らせ
1月12 日(土)2:05pm-3:00pm(終了時刻は予定)
- ゲスト
- 丸山昇一さん(脚本家)、山根貞男さん(映画評論家)
黒澤満プロデュース作品で多くの脚本を執筆された丸山昇一さんと、映画評論家の山根貞男さんに、黒澤プロデューサーとセントラル・アーツ作品について語っていただきます。
- 入場無料
- 当日1回目の上映をご覧になった方は、そのままトークイベントに参加することができます。トークイベントのみの参加もできます。
上映後トークのお知らせ(1/4追加、1/9、1/16更新)
1月13日(日)4:00pm 『べっぴんの町』上映後
ゲスト 原隆仁監督、柏原寛司さん(脚本家)
※当初予定していた上映前の舞台挨拶ではなく、上映後のトークに変更となりました。
1月24 日(木)3:00pm 『ヨコハマBJブルース』上映後
ゲスト 丸山昇一さん
1月24日(木)7:00pm 『べっぴんの町』上映後
ゲスト 原隆仁監督、柏原寛司さん
- トークのみの参加はできません。
舞台挨拶のお知らせ(12/26追加、1/4、1/9、1/15、1/16、1/22更新)
1月11日(金)7:00pm 『ボクの女に手を出すな』上映前
ゲスト 中原俊監督
1月12日(土)4:30pm 『・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・』上映前
ゲスト 榎戸耕史監督、丸山昇一さん、浜田毅さん(撮影監督)、種田陽平さん(美術監督)
1月13日(日)1:30pm 『六本木バナナ・ボーイズ』上映前
ゲスト 成田裕介監督、柏原寛司さん(脚本家)
1月15日(火)7:00pm 『カルロス』上映前
ゲスト きうちかずひろ監督
1月17日(木)3:00pm 『襲撃 BURNING DOG』上映前
ゲスト 崔洋一監督
1月17日(木)7:00pm 『最も危険な遊戯』上映前
ゲスト 崔洋一監督
1月20日(日)1:15pm 『Wの悲劇』上映前
ゲスト 荒井晴彦さん(脚本家)
1月22日(火)3:00pm 『ニューヨークUコップ』上映前
ゲスト 柏原寛司さん
1月22日(火)7:00pm 『行きずりの街』上映前
ゲスト 阪本順治監督
1月25日(金)7:00pm 『六本木バナナ・ボーイズ』上映前
ゲスト 柏原寛司さん
1月26日(土)4:45pm 『またまたあぶない刑事』上映前
ゲスト 一倉治雄監督、大川俊道さん(脚本家)、柏原寛司さん
1月27日(日)4:00pm 『ニューヨークUコップ』上映前
ゲスト 柏原寛司さん、近藤正岳さん(東映ビデオ株式会社)
- 舞台挨拶のみの参加はできません。
バリアフリー上映
『それから』バリアフリー上映のお知らせ
1月26日(土)1:30pmの回は、聴覚障害者の方のために字幕投影と、映画の音声を増幅する磁気ループ(ヒアリングループ)システム座席をご用意しています。また、視覚障害者向けの音声ガイドはFM配信し、ラジオ貸出もいたします。
磁気ループ(ヒアリングループ)(30席)と音声ガイドラジオ(20台)はメールまたはFAXによる事前予約制です。受付票をメールアドレスあるいはご記入いただいた連絡先に返信いたします。その際、当日の入場方法につきましてもご連絡いたします。
- 磁気ループご希望の方は磁気コイル付補聴器(“T”マーク付補聴器またはヒアリングループマーク付補聴器)をご持参下さい。
- ラジオとイヤホンをお持ちの方も事前にご連絡いただければお席をお取りします。ラジオは周波数88.5MHzにあわせてください。
字幕をご覧になる方は予約は不要です。入場方法につきましては前売・当日券に関するページをご覧ください。
メールおよびFAX予約方法
下記事項についてご記入のうえ、お申込みください。
- 件名
- 磁気ループ(ヒアリングループ)/音声ガイド(どちらかご記入ください)
- 記入事項
-
- 来場者全員(付添者含む)のお名前と、盲導犬(聴導犬)の有無
(付添者のお名前が未定の場合は、「名前未定」とお書きください) - 磁気ループ(ヒアリングループ)希望席数/ラジオ希望台数
- 返信用連絡先(当日も連絡がとれる電話またはメールアドレス)
- 来場者全員(付添者含む)のお名前と、盲導犬(聴導犬)の有無
- 日曜日、月曜日および年末年始(12月27日~1月3日)は返信ができません。
- 個人情報は上記の目的にのみ使用し、使用後は適切に廃棄します
- 開映後の入場はできません。
- 締切
-
1月18日(金)(1月11日とお伝えしておりましたが、1週間延長いたしました)(1/9更新)
- 定員に達し次第、締め切ります。
- 申込先
- Eメールassist@nfaj.go.jp
Fax: 03-3561-0830 - 協力
- 社会福祉法人 聴力障害者情報文化センター、Palabra株式会社
当日券 入場方法
当日券(発券=2階受付)
- 料金
- 一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円、障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
◆当日券でご入場される方には、開館と同時に、当日上映される全ての回の入場整理券を1階ロビーにて発券します。
- 各回の開映後の入場はできません。
- 当日券の発券は、定員に達し次第締切ります。
- 学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
- 当日券の発券は各回1名につき1枚のみです。
入場方法
- 前売券をお持ちの方は、開場時(開映30分前)に、前売券に記載された整理番号順にご入場いただけます。
- その後は、当日券の整理券をお持ちの方が、整理番号順にご入場いただけます。前売券をお持ちの方は、随時ご入場いただけます。
- 前売券・当日券は当日・当該回のみ有効です。
前売券 入場方法
前売券
12月25日(火)10時より、チケットぴあにて全上映回の前売券(全席自由席・各100席分)を販売します。
[Pコード:559-312]
- 前売料金
- 一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円
- 別途発券手数料がかかります。
- 各回の開映後の入場はできません。
- 学生、シニア(65歳以上)の方は証明できるものをご提示下さい。
前売券の購入方法
[Pコード:559-312]
チケットぴあ店舗、セブン-イレブンで購入
12月25日(火)より各プログラムの前日まで
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
受付電話(0570-02-9999)で購入
12月25日(火)より各プログラムの4日前23:59まで購入可能
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
- 毎週火・水2時30分~5時30分はシステムメンテナンスのため受付休止となります。
チケットぴあのサイト(http://w.pia.jp/t/nfaj-kurosawa/)で購入
購入時期によってご利用可能な決済方法が異なります。
⇒前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円、また決済方法によって1件につき決済手数料がかかる場合があります。
- 購入サイトは、準備でき次第アップされますが、ご利用は12月25日(火)10時からです。
- チケットぴあの手数料等については、チケットぴあHPのヘルプ、利用料一覧の頁をご覧ください。
本前売券の購入に、システム利用料(通常216円/枚)はかかりません。 - 前売券の払い戻し、交換、再発行はいたしません。
入場方法
- 前売券をお持ちの方は、開場時(開映30分前)に、前売券に記載された整理番号順にご入場いただけます。
- その後は、当日券の整理券をお持ちの方が、整理番号順にご入場いただけます。前売券をお持ちの方は、随時ご入場いただけます。
- 前売券・当日券は当日・当該回のみ有効です。
企画の紹介(丸山昇一さん寄稿文)
現在発売中の『NFAJニューズレター』第4号(2018年12月-2019年3月号)に掲載されている、丸山昇一さんご寄稿の「ひとつのデスクから、映画と映画人が育っていった。」をPDFファイルで公開しました。是非ご覧ください(左の画像をクリックしてください)。