中川信夫が東宝在籍末期に手がけた漱石文学の映画化。三浦は人物のアップを多用してスター俳優たちの競演を鮮やかに切り取りながら、人物の視線の交わりを丁寧にとらえ、6人の若い男女の揺れ動く関係を描出。パンショットやクレーンショットなどあらゆる撮影技法を駆使して緊密な画面をつくりあげた。
1941(東宝東京)(撮)三浦光雄(監)中川信夫(原)夏目漱石(脚)櫻田半三(美)河東安英(音)早坂文雄(出)髙田稔、霧立のぼる、伊藤智子、江川宇禮雄、花柳小菊、勝見庸太郎、花井蘭子、北澤彪、嵯峨善兵、玉井旭洋