16土本典昭

  • 99分

岩波映画製作所からフリーに転向してから国鉄の企画した『ある機関助士』(1963)で注目され、1970年代からは水俣病の記録に生涯を捧げた土本典昭(1928-2008)。「水俣」シリーズ以前の『シベリヤ人の世界』は土本としては異色の紀行映画で、ロシア革命50周年に当たる1967年、日本海沿岸のナホトカからモスクワまでの5か月の旅を記録したもの。テレビ放映はされたがこの劇場版は公開されずに終わった。「青の会」が目指した「人間を撮る」という姿勢にのっとり、キャメラの視線は市井の人々が見せる日常の表情に合わされている。

シベリヤ人の世界

  • 99分
  • 35mm・カラー

1968(日本映画新社)(監)土本典昭(製)堀場伸世、郡谷炳浚(撮)山口貮郎(編)太田百子(録)国島正男、安田哲男(音)三木稔(解)小松方正

  • 長瀬記念ホール OZU
  • 長瀬記念ホール OZU