1戦前期作品+人形映画製作所1

- 計132分
持永がアニメーターとして独り立ちした戦前期と、中国から帰国後の1955年に設立した人形映画製作所の初期作品を合わせたプログラム。背景描きが主な仕事だった『あひる陸戰隊』の後、『アリチャン』では四段マルチプレーン撮影台を開発、奥の段に月と流れる雲、3段目にコスモスの咲く遠景、2段目に中景を置き、そして手前の近景で動画を撮影することで立体的な表現を切り拓いた。その技術は『桃太郎の海鷲』の雲の中を飛ぶ飛行機のシーンでも活かされた。そして大戦後の中国でアニメーション作りを指導し、1953年に帰国した持永の最初の仕事は朝日麦酒などのテレビCMであったが、会社設立後は児童向けの人形アニメーションに特化、『瓜子姫とあまのじゃく』に始まる作品群を送り出した。また、朝日麦酒創業50周年記念のPR映画『ビールむかしむかし』でも持永は人形操作に携わっている。多くの人物が華やかに踊る、中世チェコのビアホールのシーンが圧巻である。
※7月22日(土)12:00の回では上映前に研究員による10分程度の作品解説があります。
アリチャン
- 11分
- 35mm・白黒
1941(芸術映画社)(監・画)瀬尾光世(動)持永只仁(音)服部正

あひる陸戰隊
- 13分
- 35mm・白黒
1940(芸術映画社)(監・撮・画)瀬尾光世(背景)持永只仁(音)服部正

桃太郎の海鷲
- 33分
- 35mm・白黒
1943(芸術映画社)(監・撮)瀬尾光世(技術構成)持永只仁、田邊利彦、橋本珠子、塚本靜世(脚)栗原有茂(音)伊藤昇

瓜子姫とあまのじゃく
- 17分
- 35mm・白黒
1956(電通映画社・教育映画配給社=人形映画製作所)(監)持永只仁(監・脚)田中喜次(撮)岸次郎(音)坂本良隆

フクチャンの潛水艦
- 30分
- 35mm・白黒
1942(芸術映画社)(監・原)横山隆一(監)関屋五十二(脚)滋野辰彦(撮)持永只仁(動)前田一

ビールむかしむかし
- 12分
- BD・カラー
1956(電通映画社=人形芸術プロダクション)(監・脚)飯沢匡(撮)岸次郎(形)川本喜八郎(人形操作)持永只仁(セロファン影絵)大藤信郎(音)服部正

五匹の子猿たち
- 16分
- 35mm・白黒
1956(電通映画社・教育映画配給社=人形映画製作所)(監)持永只仁(監・脚)田中喜次(撮)岸次郎(美)吉田謙吉(音)加藤三雄

- 小ホール
*上映前に10分の作品解説あり
- 小ホール