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海外のフィルムアーカイブ 韓国 第1回(全2回)

 

技術的な話題がしばらく続いているので、海外ではこのデジタル保存問題にどう対処しているの?というところを少し、俯瞰的に見てみましょう。

 

わたしたちの調査では、世界のフィルムアーカイブ活動を牽引する米国、英国、フランス、北欧諸国から、欧米以外の映画保存先進国オーストラリア、メキシコ、韓国、比較的大規模な国立フィルムアーカイブを擁する欧州の旧社会主義国など、最新技術に偏らず、歴史や制度の面も考慮しながら多角的に、デジタル映画の収集と保存、そして活用に関する実際の取り組み状況を見せてもらうため、多くの機関を訪問しました。

 

順を追って、各国の様子をお伝えしていこうとおもっていますが、まずは身近なところ、韓国の状況からご紹介します。

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BDCプロジェクトレポート第4回更新

 

BDCプロジェクトレポート第4回:日本の映画界におけるデジタルデータの保存の現状を更新致しました。

今回のプロジェクトレポートは、BDCプロジェクトにて「デジタル映像の保存についてのアンケート調査」を実施し、結果から見えてきたことをまとめたものになります。

日本の映画業界が直面している現状についてご覧ください。

 


『映画に関する映像データの長期保存と活用を目的とした自由度の高い持続可能なシステム構築のための調査研究』について

 

今回は情報システムに関する内容です。

平成27年度に実施した「映画に関する映像データの長期保存と活用を目的とした自由度の高い持続可能なシステム構築のための調査研究」についてご紹介します。

 

1.調査研究の経緯

現在、映画業界では、デジタル技術により製作される作品が中心であり、その映像データには様々な特徴があります。それらは各種情報技術と密接に関連するとともに、その技術は多様性をもち、めまぐるしく変化しています。

また、近年の映画製作では製作委員会方式が一般化していますし、個人でも映画製作が可能となっています。

これらの状況下では「映像データの保存先の多様化」、「データ保存についての責任が曖昧になる」、「保存に対し十分な対応がなされていない」などから、データ滅失をはじめとする様々な問題が顕在化しているといえます。

 

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デジタル映像コンテンツに関わる情報セキュリティ

 

今回は情報セキュリティに関する内容です。

 

1.一般的な情報セキュリティ

一般的に、情報セキュリティにおいては「情報の機密性、完全性、可用性を維持する(ISO/IEC 27002)」ために、様々な脅威から情報資産を守ることが基本となります。

これには、技術的、物理的、人的、組織的に様々な対策を講じることが必要になります(注1)

現実的な対処を行えるよう、情報セキュリティを体系的かつ系統立てて捉えたのが、情報セキュリティマネジメントシステム(Information Security Management System、以下ISMS)です。

情報セキュリティの対応には費用とリソースが必要になるため、ISMSではその配分を決定できる『経営層を頂点とした体制で組織的に』情報セキュリティに取り組みます。

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二色式カラー映画『千人針』の復元

 

今回は、フィルム映画のデジタル復元に関する話題です。

 

フィルムセンターでは2002年以来、デジタル技術を活用した映画の復元について取り組んでいます。

フィルムの劣化によって生じる画面の揺れや傷を取り除き、激しい褪色を補正するなど、従来のアナログ的な手法では不可能であったことが、デジタル技術の進化により実現されるようになっています。

この技術進化はもちろん現在も続いており、ハードウェア・ソフトウェアの進化、さらにそれを扱う技術者の技の進化とも相まって、これまでは除去できなかった映像的な瑕疵にも対応できるようになっています。

 

さて、今回ご報告させていただくのは、国内では極めて稀な二色式カラーを採用した作品『千人針』(1937年)のデジタル復元事例になります。

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デジタル上映のフォーマット

 

フォーマットに関する話題の2回目です。

 

現在、映画上映の大半はフィルムではなく、デジタルで行われています。

このデジタル上映で用いられるデータのフォーマットとしては、DCP(デジタルシネマパッケージ)と呼ばれる、画像、音声、字幕等のデータをひとまとめにしたものが標準的に用いられています。

デジタルシネマの黎明期には、メーカー毎に異なるフォーマットが乱立していましたが、このDCPの形でフォーマットが確定しスタンダードとなったことが、その後のデジタルシネマの大きな発展につながりました。

以前お伝えした通り、沢山あるフォーマットからどれか1つを選択することは容易ではないのですが、劇場での上映用フォーマットに関しては、このDCPというフォーマットで確定されており、これはアーカイブにとっては非常にありがたい状況とも言えます。

 

一方で、現在流通しているDCPはInteropDCPと呼ばれるもので、この仕様の一部は十分な標準化がなされていないということが指摘されています。

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デジタル映画の制作・流通に用いられるファイルフォーマット

 

今回はファイルフォーマットに関する話題です。

 

デジタル映画の制作・流通の過程においては、どのようなフォーマットのファイルが発生しているのでしょうか。

例えば、撮影の段階で使用されるのは、汎用的なQuickTimeかもしれませんし、Canon Cinema RAWなど、カメラメーカー独自のRAWフォーマットかもしれません。

編集や特殊効果を加える段階では、MXFやOpenEXRが使われているかもしれませんし、完成データとしては、画はDPX、音はWAVといった、画と音がばらばらな形になっているかもしれません。

さらに流通の段階では、公開先に合わせてMXFやQuickTimeが作られたり、場合によってはそれらのファイルを作るために、TIFFやAVIが中間ファイルとして作られるかもしれません。

制作ワークフローの多様化だけでなく、劇場上映から種々のデバイスに向けたデジタル配信など、公開方法もまた多様化しており、1作品に対して作成されるファイルフォーマットは実に様々です。

(各ファイルフォーマットについては、記事最後にある報告書を参照下さい)

 

このような状況に対し、ワークフロー上のどのタイミングで発生したデータを、どういったスペックのどのようなフォーマットで保存しておくべきなのか、といった課題は、常に議論の的となっています。

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デジタルデータ保存のためのメディア

 

デジタル技術の進歩は非常に速く、データを保存するメディアにおいても進展は著しいものがあります。

保存メディアとして、代表的なものには、光ディスク、磁気テープ、磁気ディスク、半導体の4種類があります。

これまで、フィルムに記録され、保存されてきた映像や画像はデジタル化され、前述の保存メディアに保存されるようになってきています。これら4種類の保存メディアにはそれぞれ特徴があるので。ここではその特徴について述べてみたいと思います。

詳細はレポートを参照してください。

 

1.記憶容量(1TB=約1,000GB=約1,000,000MB)

一般的な光ディスクの容量は以下のようになっています。

  • CD(Compact Disc)1枚で、700MB(メガバイト)
  • DVD(Digital Versatile Disc)1枚で、4.7GB(ギガバイト)
  • BD(Blue-ray Disc)1枚で25GB

最近、BDより高密度なアーカイバルディスク(AD)が発売され、1枚の容量としては、両面で300GBあります。

 

一方、磁気テープでは、LTO(Linear Tape Open)テープ1本に6TB(テラバイト)記録することができます。

将来的にはLTO1巻当たり150TBを超える記録容量が可能であると報告されています(注1)

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BDCプロジェクトレポート

2016/9/27にBDCプロジェクトレポート第3回をアップロードしました。

今回は「映画のデジタル保存と活用を支える法的基盤」と題し、法や制度といった社会的枠組から公共フィルムアーカイブの課題を取り上げています。

レポートは以下のリンクを参照してください。

 

BDCブログ開設前の過去2回分もあわせて参照ください。

2015年度活動報告やデジタルによる映画保存・活用における技術的課題について触れています。

 



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「映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究」は文化庁の美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業です。

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BDCプロジェクトはNational Research Project
for the Sustainability of Born-Digital Cinema
の略称です。

事業名は「映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究」です。