二色式カラー映画『千人針』の復元

 

今回は、フィルム映画のデジタル復元に関する話題です。

 

フィルムセンターでは2002年以来、デジタル技術を活用した映画の復元について取り組んでいます。

フィルムの劣化によって生じる画面の揺れや傷を取り除き、激しい褪色を補正するなど、従来のアナログ的な手法では不可能であったことが、デジタル技術の進化により実現されるようになっています。

この技術進化はもちろん現在も続いており、ハードウェア・ソフトウェアの進化、さらにそれを扱う技術者の技の進化とも相まって、これまでは除去できなかった映像的な瑕疵にも対応できるようになっています。

 

さて、今回ご報告させていただくのは、国内では極めて稀な二色式カラーを採用した作品『千人針』(1937年)のデジタル復元事例になります。

続きを読む