ひき逃げ

- 94分
- 35mm・白黒
交通事故が年々増加していた当時の社会状況を反映したサスペンス。成瀬巳喜男は主人公の内面的葛藤に焦点を当てている。夫に先立たれた国子(高峰)は幼い息子を一人で育てていたが、ある日、自動車との接触事故により息子を喪う。後日、ひき逃げ犯が自首してくるが、実際にハンドルを握っていたのは会社重役の妻・絹子(司)だった。真実を知った国子は絹子の家庭に入り込み、報復の機会をうかがう。
【POINT】おもな舞台となっているのは打越から根岸台へと向かう丘陵地に位置する山元町の一帯。市電の走る風景こそ失われたものの、印象的に登場する打越橋や商店街など現在でも撮影時の面影が見て取れる。
1966(東宝)(監)成瀨巳喜男(脚)松山善三(撮)西垣六郎(美)中古智(音)佐藤勝(出)高峰秀子、司葉子、小川安三、黒沢年男、加東大介、中山仁、賀原夏子、浦辺粂子、稲葉義男、加藤武、土屋嘉男、佐田豊、小沢栄太郎