密航0ライン

- 83分
- 35mm・白黒
監督デビュー作『港の乾杯 勝利をわが手に』(1956)以来たびたび横浜を舞台とする作品を撮った鈴木清順が、麻薬の密売ルートをめぐる記者たちのスクープ合戦を描いた犯罪アクション。国際的な密輸組織「香港-東京0ライン」を追う新聞記者の香取(長門)とその友人にして競争紙の記者である仁科(小高)。やがて警察による手入れが実行されるが、背後にはスクープをものにしたい香取の暗躍があった。
【POINT】横浜の中心部を貫く大岡川の周辺には、敗戦後、スラムや麻薬の密売トーチカ、青線などが形成された。当地が登場する映画として有名な黒澤明の『天国と地獄』(1963)はセット撮影がメインであるのに対して、この映画は実際にロケを敢行し、高度成長期の影の部分ともいうべき混沌とした横浜の風景をフィルムに収めている。
1960(日活)(監)鈴木清順(原)曽我部道太(脚)横山保朗(撮)峰重義(美)千葉一彦(音)小杉太一郎(出)長門裕之、小高雄二、清水まゆみ、中原早苗、永井智雄、東恵美子、小沢昭一、木浦佑三、高品格、嵯峨善兵