成金/港の日本娘

  • 計112分

途中に約10分間の休憩時間を設けます。

3月22日(土) 14:30 伴奏付上映
伴奏:うさぴーん

成金 [SANJI GOTO — THE STORY OF A JAPANESE ENOCH ARDEN]

  • 34分
  • 15fps・35mm・無声・白黒・不完全・英語インタータイトル/日本語字幕付

横浜の工業都市化を主導した浅野財閥傘下の東洋汽船は1917年に東洋フィルムを設立、中国の映画産業に寄与したベンジャミン・ブロツキーを招聘して世界輸出を前提とした映画製作に乗り出す。ハリウッドで俳優として活動していたトーマス栗原が監督し、「日本のチャップリン」と呼ばれた中島岩次郎が主人公の後藤三次を演じたこの映画は、“SANJI GOTO — THE STORY OF A JAPANESE ENOCH ARDEN”と題されて米国に輸出された。ニューヨーク近代美術館から寄贈されたフィルムは前半部のみ現存。

【POINT】東洋フィルムは山下町(現在の元町公園付近)に撮影所を構えていた。その後、大正活映に改組され、本牧に居を構えていた谷崎潤一郎を文芸顧問に招いて『アマチュア倶楽部』(1920、トーマス栗原)などを製作。内田吐夢、井上金太郎、岡田時彦ら錚々たる映画人を輩出することとなる。

1918(東洋フィルム)(監)ハリー・ウイリアムズ、トーマス栗原(撮)R・D・アームストロング(出)中島岩次郎、木野五郎、鈴木美代子、鈴木千里、ナダ・リントン

港の日本娘

  • 78分
  • 22fps・35mm・無声・白黒

横浜随一のモダンボーイとも称された北林透馬の同名小説の映画化。外国人居留地の女学校に通う砂子(及川)とドラ(井上)は親友同士。砂子は思い焦がれていた青年ヘンリー(江川)と交際することになるが、移り気なヘンリーは耀子(沢)という女性とも深い仲に。嫉妬に駆られた砂子がとった行動は…。名匠・清水宏が港町横浜の瀟洒なムードを漂わせながら、巧みな演出手腕で描いたメロドラマ。

【POINT】外国客船、教会、チャブ屋など開港以来の横浜を象徴する舞台立てに注目。ヘンリー役の江川宇礼雄は山下居留地の出身で、山手のインターナショナルスクールに通い、谷崎潤一郎邸に出入りしていた縁で大正活映に参加、俳優・監督として活躍した。この映画ではまさに自身を反映したかのような役柄を颯爽と演じている。

1933(松竹蒲田)(監)清水宏(原)北林透馬(脚)陶山密(撮)佐々木太郎(美)金須孝(出)及川道子、井上雪子、江川宇礼雄、沢蘭子、逢初夢子、齋藤達雄、南條康雄

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    伴奏付上映