NFAJ Digital Gallery – No.3
公開日:2013年6月28日
第3回
戦前期日本の映画館写真(1)―東京・浅草篇
20世紀最大の娯楽産業として君臨してきた映画―それを担ったのは、昭和初期までに各地に建設された豪奢な映画館の数々でした。大衆を惹きつけるその堂々たる建築、そして華やかな宣伝装飾は、娯楽の王者としての映画の圧倒的なパワーを象徴しています。その第1回は、東京の映画興行の中心地だった浅草六区を取り上げ、中でも代表的な劇場だった富士館(1908年開業)・電気館(1903年開業)・大勝館(1908年開業)の往年の雄姿をご覧いただきます。通りを覆い尽くす群衆の密度にも当時の六区の勢いを見ることができるでしょう。なお、このシリーズの写真はすべて国立国会図書館からの寄贈によるものです(社団法人日本映画連合会旧蔵映画公社資料)。
浅草六区の賑わい(1933年)
The bustle of Asakusa Rokku street (1933)
写真/Photo
1933年7月。雨の六区に傘の花が咲く。右中央は新興キネマ直営の電気館(『剣士桂小五郎』沖博文監督、阪東妻三郎主演/『右門捕物帖 三十五番手柄 越後獅子の兄弟』山本松男監督、嵐寛寿郎主演)、右奥は千代田館(『岩太郎股旅日記』山口哲平監督、葉山純之輔主演)、左手前は松竹封切館の帝国館(『嫁入り前』野村浩将監督、田中絹代主演)。右手前は大勝館。
July 1933. Center: Denkikan Theater, Left: Teikokukan Theater.