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大藤信郎コレクションのデジタル化資料を活用した調査研究事例紹介

平成28年度BDCプロジェクトでの資料デジタル化調査研究(映画関連資料の原資料からのデジタル化作業)では、フィルムセンター所蔵の大藤信郎コレクションの資料デジタル化を行いました。

デジタル化された資料の一部は、ウェブサイト「日本アニメーション映画クラシックス」の大藤信郎記念館のページにおいて公開されており、手書き台本、造形作品や切り紙キャラクターなど、約140点の資料がご覧いただけます。

 

BDCプロジェクトでは、アニメーション史研究者である臼井直也氏に協力を依頼し、デジタル化された大藤信郎コレクションの新たな活用方法について研究しています。

本記事は、臼井氏による中間報告を通して、調査研究活動の内容をご紹介するものとなります。

 

■今年度の「デジタル化資料を活用した調査研究」概要

大藤信郎(1900-1961)は日本のアニメーション映画の草創期から活躍した作家であり、フィルムセンターにはその貴重な旧蔵資料が数多く所蔵されています。

今年度、“活用”のための調査研究では、大藤の未完成遺作となった映画作品「竹取物語」を対象に、数バージョンが残されたシナリオや作画撮影台本、セルや原画等のデジタル化された資料を参照しながら、

  • 資料分析による年代特定と、制作技法や構想の推移についての考察
  • デジタル化された画像データの画像品質や、原資料の再現性などについての考察

を行っています。

なお、平成28年度に実施した大藤信郎コレクションの資料デジタル化は、以下の行程で行なわれました。

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大藤コレクションの資料デジタル化作業工程の概要

 

大藤信郎記念館のページでは「JPEG小画像」が公開されていますが、この“活用”のための調査研究では、必要に応じてより高解像な「保存データ」(TIFF形式)や原資料の参照も行われています。

臼井直也氏による、調査研究の内容は下記の報告書(中間報告)をご覧ください。 bdcblog_oofujireport_pic

「大藤信郎『竹取物語』のデジタル化されたシナリオを用いた分析(中間報告)」報告書

■補足

本ブログでは調査研究の最終レポートもご紹介する予定です。是非ご期待ください。

 

なお、大藤信郎コレクションについての概要と目録情報及び、デジタル化に当たっての技術的事項の内容は、当館の研究紀要「大藤信郎コレクション ─目録とデジタル化」にて記述しておりますので、あわせてご参照ください。

 

臼井 直也

アニメーション史研究家。デジタルハリウッド大学非常勤講師、東京大学大学院工学系研究科非常勤講師、第一工業大学非常勤講師。東京外国語大学大学院博士前期課程修了。大藤信郎関連の論文に、「大藤信郎が日本アニメーションの海外への初期発信に果たした役割―1950,60年代の海外映画祭およびアニメーション機関との書簡分析から―」「大藤信郎アニメーションの海外映画祭への発信及び現地評価に関する調査研究―海外映画祭を中心としたネットワークが大藤作品の受容および評価に果たした役割に関する一考察―」がある。

 

(TN)


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「映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究」は文化庁の美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業です。

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BDCプロジェクトはNational Research Project
for the Sustainability of Born-Digital Cinema
の略称です。

事業名は「映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究」です。