被曝後の田坂が闘病を経て大映東京撮影所で発表した戦後第1作。新国劇の戯曲が原作で、舞台でも同役を演じていた辰巳柳太郎の映画初主演作となった。北海道の道路工事に従事する辰(辰巳)は、飯場で働くしの(水戸)に想いを寄せる。一方、飲み屋で働く梅子(入江)は辰を慕っていた。田坂が封切後も撮影を続け、納得いくように仕上げた稀有な作品。
1949(大映東京)(監)田坂具隆(原・脚)中江良夫(撮)伊佐山三郎(美)柴田篤二(音)斎藤一郎(出)辰巳柳太郎、水戸光子、入江たか子、伊沢一郎、菅井一郎、河津清三郎、船越英二