13東宝教育映画秀作選

  • 計103分

すて猫トラちゃん

  • 21分
  • 35mm・白黒

東宝教育映画部は、戦後に解体された東宝の航空教育資料部門を母体とし、全国の子供たちを対象に組織的な映画教室運動を展開した。1947年に最初に発表された作品の一つである本作は、日本アニメーションの近代化に貢献した政岡憲三が、戦災孤児の問題から着想した「トラちゃん」シリーズ第1作。すて猫トラちゃんは三毛猫一家の母猫に救われるが、嫉妬した末猫ミケちゃんは家出をしてしまう。トラちゃんが悪戦苦闘してミケちゃんを連れ戻すまで、優雅さをたたえたキャラクターの動きと音楽が見事に共鳴している。

1947(東宝教育映画=日本動画)(監)政岡憲三(脚)佐々木富美男(作画)日本漫画映画社(音)服部正

卵は語る

  • 18分
  • 35mm・白黒

戦前から映画教育分野の第一線で活躍した太田仁吉の手がけた科学映画。雌鶏の羽の下と同じ環境で温められた卵から、ヒヨコが誕生するまでの形態変化の過程を丹念にたどることで、始祖鳥以来の鳥の進化の歴史が語られる。

1947(東宝教育映画=日本映画社)(監)太田仁吉(脚)時岡茂秀(撮)小林米作、丸子幸一郎

名探偵ヒロシ君

  • 35分
  • 35mm・白黒

東宝争議下で一時閉鎖されていた東宝教育映画部の後継・東宝教育映画株式会社が製作した児童劇映画。探偵小説好きの小学生ヒロシが可愛がっている義弟の二郎は、かつて収容施設を脱走した戦災浮浪児である。二郎がやむを得ず犯してしまった罪を隠そうとするヒロシの兄弟愛を描く。

1949(東宝教育映画)(監)関川秀雄(脚)丸山章治(撮)前田実(美)武田謙之助(音)伊福部昭(出)高崎直典、久田英子、原浩司

こんこん鳥物語

  • 29分
  • 35mm・白黒

野鳥生態映画の分野で名高い下村兼史が鹿児島の米ノ津町荒崎(現・出水市)で長期ロケを敢行し、雄が抱卵育雛を行う奇鳥・タマシギ(こんこん鳥)や、葦茎に擬態する習性を持ったヨシゴイの生態に迫る。

1949(東宝教育映画)(監・脚)下村兼史(撮)村上喜久男(録音)空閑冒敏(音)柴田南雄

  • 小ホール
  • 小ホール