虞美人草

  • 88分
  • 35mm・白黒

中川が東宝在籍末期に手がけた初の文芸作品で、夏目漱石の同原作の映画化としては1935年の溝口健二監督作に続いて2度目。高等遊民の青年・甲野欽吾(高田)と腹違いの妹・藤尾(霧立)、藤尾にかかわる2人の男、宗近(江川)と小野(北澤)、小野の恋人・小夜子(花井)らの揺れ動く人間模様を描く。文学青年の中川は原作の手触りを忠実に再現しつつ、三浦光雄の巧みな撮影を得て緊密でスケール感のある画面をつくりあげた。

1941(東宝映画・東京)(監)中川信夫(原)夏目漱石(脚)櫻田半三(撮)三浦光雄(美)河東安英(音)早坂文雄(出)髙田稔、霧立のぼる、伊藤智子、江川宇禮雄、花柳小菊、勝見庸太郎、花井蘭子、北澤彪、嵯峨善兵、玉井旭洋、龍崎一郎

  • 長瀬記念ホール OZU
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