藤十郎の戀

- 95分
- 35mm・白黒
松竹からの移籍発表後、暴漢に左の頬を切られた林長二郎が、本名の長谷川一夫を名乗って出演した東宝入社後第1作。入江との共演も話題を呼び大ヒット。芸道のため、幼なじみの女将(入江)に偽りの恋を仕かけ、死に至らしめる名女形(長谷川)の物語を描く。屋外から差し込む柔らかい光に比して、暗部を強調した日本間のライティングが、三浦の流麗なキャメラワークと相俟って劇的効果を高めている。初公開時は122分だったが、現存しているのは95分の戦後公開版。
1938(東宝東京)(撮)三浦光雄(監)山本嘉次郎(原)菊池寛(脚)三村伸太郎(美)小村雪岱(音)菅原明朗(出)長谷川一夫、入江たか子、藤原釡足、汐見洋、御橋公、瀧澤修、小杉義男
★印の回は上映後に宮尾大輔氏(カリフォルニア大学サンディエゴ校教授)によるオンライン講演(約40分)があります。