3複数バージョン特集3――日露戦争と関東大震災の記録映画

- 計74分
『國宝的記録映画 旅順開城と乃木將軍』は、セカイフィルム社の駒田萬次郎(好洋)が、1932年に英国アーバン社『旅順の降伏』(1905)の映像に、メインタイトル及び中間字幕を加えて作った記録映画。1957年に作製された既蔵のインターネガから、今回初めて35mmプリントを作製した。『旅順の降伏』のオリジナル版全24場面のうち20場面を含む。また、個人寄贈の35mm可燃性染色ポジを基に復元した『日露大戦争』の中間字幕には「旗艦三笠」、「哨艦信濃丸」の文字が躍るものの、両艦船から敵艦来襲の無線電信が入ったという演出で、実際に海を航行している艦船の多くは敵艦である。後半部分には、ポーツマス日露講和会議に関するフッテージが繋ぎこまれている。
関東大震災発生直後を撮影した記録映画は、文部省製作版(『關東大震大火實況』)と日活製作版(『関東大震災実況』)が知られているが、その他に文献上で判明しているものだけでも50本以上の異なるタイトルが存在し、その全貌はいまだ把握できていない。『日本之大地震』と『震災後之日本』は、外国で家庭用時事映画として製作販売されたパテ・ベビーの9.5mmフィルムを、中間字幕を日本語に翻訳して国内販売したものと思われる。今回、ブローアップして35mmプリントを作製した。『東京大震災の惨状』は、文部省版や日活版のフッテージを多く含むが、これまで存在していなかったショットも含む。『関東大震災』[仮題]は外国向けに震災の被害状況を紹介したもので、新たなフッテージを数多く含む。『1923年9月1日 東京 大震災』[仮題]は戦後に再編集されたものとみられ、劇仕立てのフッテージなどが加えられている。
2/4(日)1:00pmと2/28(水)7:00pmの回は上映前に当館研究員による解説(約10分)があります。
國宝的記録映画 旅順開城と乃木將軍
- 16分
- 16fps・35mm・無声・白黒
1932(セカイフィルム社)

日露大戰爭
- 6分
- 16fps・35mm・無声・染色
1930(大阪フィルム商会)

日本之大地震
- 3分
- 24fps・35mm・無声・白黒
1923以降

震災後之日本
- 3分
- 24fps・35mm・無声・白黒
1923以降

関東大震災 [仮題] → SCENES OF JAPAN’S EARTHQUAKE DISASTER
- 11分
- 18fps・35mm・無声・白黒・英語インタータイトル・日本語字幕付
(原版協力:マツダ映画社)
1923(アメリカン・パテ・ニュース)

東京大震災の惨状
- 11分
- 18fps・35mm・無声・白黒
(原版協力:東洋民俗博物館)
1923頃(山本興行部)

関東大震災実写 1923[仮題]
- 17分
- 18fps・35mm・無声・白黒
(原版協力:マツダ映画社)
1923頃

1923年9月1日 東京 大震災 [仮題]
- 7分
- 16fps・16mm・無声・白黒
1945以降

- 長瀬記念ホール OZU
*トークイベントがあります
- 長瀬記念ホール OZU
*トークイベントがあります