1複数バージョン特集1――横田商会製作の『忠臣蔵』

- 計125分
日本映画の父・牧野省三と最初の映画スター・尾上松之助コンビによる『忠臣蔵』(オリジナル長は不明)は、1910~12年に撮影された各場面をまとめたもので「日本映画最初の全通しの『忠臣蔵』」と呼ばれる。今回マツダ映画社所蔵の35mm可燃性ポジから復元した『実録 忠臣蔵』は、NFC既蔵版(42分)と同様、後に音声を付加された活弁トーキー版であるが、NFC既蔵版には含まれていないメインタイトルのほか、「南部坂雪の別れ」以降の多くの場面を含んでいる。一方の『忠臣蔵』[仮題]は、近年無声映画保存会が発掘した35mm可燃性染色ポジから復元したもので、全8巻中の2、3、5、8巻のみの不完全版ながら、場面構成や字幕の書体を一部共有していることから、これを基にして上記の活弁トーキー版が作られたと思われる。(復元作業:IMAGICAウェスト)
2/3(土)12:30pmの回は上映前に当館研究員による解説(約5分)があります。
忠臣蔵 [仮題]
- 51分
- 16fps・35mm・無声・染色・部分
1910-12(横田商会)(監)牧野省三(出)尾上松之助、片岡市之正、大谷鬼若、嵐橘楽

実録 忠臣蔵 [活弁トーキー版]
- 74分
- 35mm・白黒
1910-12(横田商会)(監)牧野省三(出)尾上松之助、片岡市之正、大谷鬼若、嵐橘楽 (特別口演)巴うの子(声色弁士)生駒雷遊、国井紫香、加藤柳美、谷天朗

- 長瀬記念ホール OZU
*トークイベントがあります
- 長瀬記念ホール OZU