9曽根崎心中

  • 112分
  • 35mm・カラー

大映倒産後フリーになった増村が行動社で撮った最後の作品。映画初主演の宇崎竜童は増村の演出に従い「強くあえいで死ぬ気で」演じ、独特の存在感を示した。義理でも人情でもない女と男の壮烈な「意地」と「誇り」を近松物のうちに凝縮。まるで絶叫するような台詞回しが恋を貫く男女の強い情念を感じさせる増村後期の金字塔。

〈こちらもおすすめ――企画担当より〉
『好色一代男』(1961)は、『曽根崎心中』と同じく江戸時代の上方を舞台にしていながらも、「増村的女性」の代わりに、自分の欲望のままに生きる男(市川雷蔵)の一生を戯画的に描いた増村の異色作です。

1978(行動社=木村プロ=ATG)(監・脚)増村保造(原)近松門左衛門(脚)白坂依志夫(撮)小林節雄(美)間野重雄(音・出)宇崎竜童(出)梶芽衣子、左幸子、井川比佐志、橋本功、灰地順、目黒幸子、加藤茂雄、伊藤正博、木村元、千葉裕子

  • 小ホール
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