8清作の妻

- 93分
- 35mm・白黒
老人の妾だった過去を持つ女(若尾)が、村の模範青年(田村)と結ばれ、村人の冷ややかな視線に抵抗しながら愛を突き通していく。日清戦争時の閉鎖的な村社会を舞台に、差別や偏見と戦う女の凄まじい生き様が強烈な印象を残す一作である。『青空娘』(1957)以来、長年コンビを組んできた若尾文子が増村の追究する「近代的人間像」を見事に具現化している。
〈こちらもおすすめ――企画担当より〉
ひたむきに愛を貫く女。増村と若尾が創造した女性像の原点となる作品は何といっても『妻は告白する』(1961)です。雨に濡れた若尾の甘く美しく、どこか空虚な眼差しに戦慄する一本です。
1965(大映東京)(監)増村保造(原)吉田絃二郎(脚)新藤兼人(撮)秋野友宏(美)下河原友雄(音)山内正(出)若尾文子、田村高廣、千葉信男、紺野ユカ、殿山泰司、早川雄三、成田三樹夫、潮万太郎、穂高のり子、杉田康、佐々木孝丸
- 小ホール
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