『忠臣蔵』[デジタル復元・最長版]

- 90分 *冒頭の復元デモを含む
- 16fps・DCP・無声・一部染色
歌舞伎や講談をもとにした「忠臣蔵」映画は、1907年の『忠臣蔵五段目』(吉澤商店)以後、多数作られているが、本作は、日本映画最初の全通しの「忠臣蔵」とされる『忠臣蔵』(1910年、横田商会)で主に構成された、現存する最古の「忠臣蔵」映画である。従来は、後に撮り足したカットも含めて、戦後にアフターレコーディングで作成された[活弁トーキー版]で知られていたが、本[デジタル復元・最長版]によって、メインタイトルから「南部坂雪の別れ」以降の多くの場面を含んだ現時点における最長版の鑑賞が可能になった。
『忠臣蔵』[デジタル復元・最長版]の作成は、平成30年度美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業の一環として行い、当館既蔵の『忠臣蔵』[活弁トーキー版] (42分・35mm・白黒)と、マツダ映画社所有の長尺版『実録 忠臣蔵』[活弁トーキー版](74分・35mm・白黒)、無声映画保存会から寄贈を受けた可燃性染色ポジ『忠臣蔵』(49分・35mm・無声・染色)の3本を元素材としている。各フィルムのスキャンデータで画像を比較し、本来の無声映画の最長版を作成するとともに、揺れ止め、フリッカー除去、パラ消し等の画像修復と、素材の違いによる画質の差異も調整した。
1910-1917年頃(横田商会・日活)(監)牧野省三(出)尾上松之助:浅野内匠頭・大石内蔵助・清水一角、片岡市之正:吉良上野介、嵐橘楽:片岡源五右衛門・立花左近・寺坂吉右衛門・和久半太夫、大谷鬼若:脇坂淡路守・村上喜剣・そばや親爺、片岡市太郎:大石主税・そばや伜・小林平八郎、大谷友三郎:浮橋太夫、水谷芳夫:おりく