映画監督 森田芳光
Yoshimitsu Morita Retrospective

概要
1970年代の自主映画ムーブメントのさなかに登場し、1980年代の日本映画を牽引、以後もキャリアを通じて多彩な作品を送り出した森田芳光(1950-2011)。同時開催の展覧会と連動しながら、その足跡をたどる特集上映を開催します。
東京・渋谷で育った森田は、日本大学芸術学部放送学科在学中から8㎜映画を制作。1978年の『ライブイン茅ヶ崎』が現在のぴあフィルムフェスティバルの前身である自主製作映画展に入選するなど高い評価を得ました。大森一樹、石井聰亙ら自主映画出身の監督たちが商業映画に進出して成功を収めるなか、1981年、みずから製作資金を捻出し配給交渉をおこなった商業映画第1作『の・ようなもの』を発表、その瑞々しい感覚が注目を集めます。さらに、1983年の『家族ゲーム』はキネマ旬報ベスト・テンの第1位に選出されるなど大変な反響を巻き起こし、森田は名実ともに同時代を代表する映画監督となりました。
ほかにも1980年代には、現在までカルト的なファンをもつ異色のハードボイルド『ときめきに死す』(1984)、漱石文学を映画化して再びキネマ旬報ベスト・テン第1位に選ばれた『それから』(1985)、吉本ばななのベストセラー小説の映画化『キッチン』(1989)などを発表。一作ごとに異なる題材に挑戦しながら、特有の世界観を展開しました。1990年代には、インターネットを介したコミュニケーションの風景にいち早く着目した『(ハル)』(1996)、ベストセラー小説をそれぞれ独自の解釈で映画化した『失楽園』(1997)、『黒い家』(1999)などで技量の幅を示し、2000年代以降は、『阿修羅のごとく』(2003)、『間宮兄弟』(2006)、『武士の家計簿』(2010)、そして遺作となった『僕達急行 A列車で行こう』(2012)など成熟した手腕と旺盛な実験精神を同時にうかがわせる作品を次々に手がけました。
近年では、米国、フランス、韓国、台湾などで回顧上映が開催され、あらためて海外でも評価が高まっています。
本特集では、監督作品だけでなく、脚本家としての仕事にもスポットを当て、31プログラム(38作品)によって、その業績を多面的に検証します。また、そのうちの15作品については今回新たにニュープリントを作製しました。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。
開催概要
- 会期
- 2025年10月14日(火)-10月26日(日)、11月4日(火)-23日(日)※会期中の休館日:月曜日
- 会場
- 長瀬記念ホール OZU(2階)
- 定員
- 310名(各回入替制・全席指定席)/各回の開映後の入場はできません。
- 主催
- 国立映画アーカイブ
- 協力
- ニューズ・コーポレイション(森田芳光事務所)
[NFAJプログラムNo.66 | 上映会番号 487]
プログラム
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Ⓒ1981N.E.W.S. CORPORATIONの・ようなもの103分・1981・森田芳光 -
Ⓒ東映シブがき隊 ボーイズ&ガールズ78分・1982・森田芳光 -
Ⓒ1983日活株式会社(本)噂のストリッパー/ピンクカット 太く愛して深く愛して計134分 -
Ⓒ日活/東宝家族ゲーム106分・1983・森田芳光 -
Ⓒ1984 ハネシネマときめきに死す104分・1984・森田芳光 -
ⒸKADOKAWA 1984メイン・テーマ101分・1984・森田芳光 -
Ⓒ東映それから130分・1985・森田芳光 -
そろばんずく109分・1986・森田芳光 -
Ⓒ東映・サンダンス・カンパニー悲しい色やねん102分・1988・森田芳光 -
Ⓒ松竹株式会社愛と平成の色男96分・1989・森田芳光 -
Ⓒ光和インターナショナルキッチン106分・1989・森田芳光 -
Ⓒ1991 TOHO CO., LTD.おいしい結婚109分・1991・森田芳光 -
Ⓒ光和インターナショナル/藤子・F・不二雄プロ未来の想い出 Last Christmas118分・1992・森田芳光 -
Ⓒ光和インターナショナル(ハル)119分・1996・森田芳光 -
Ⓒ1997「失楽園」製作委員会失楽園119分・1997・森田芳光 -
Ⓒ光和インターナショナル/松竹39 刑法第三十九条133分・1999・森田芳光 -
Ⓒ1999「黒い家」製作委員会黒い家119分・1999・森田芳光 -
Ⓒ2003「阿修羅のごとく」製作委員会阿修羅のごとく135分・2003・森田芳光 -
Ⓒ2004「海猫」製作委員会海猫 umineko129分・2004・森田芳光 -
Ⓒ2004 江國香織/小学館 Ⓒ2006「間宮兄弟」製作委員会間宮兄弟119分・2006・森田芳光 -
Ⓒ2007「サウスバウンド」製作委員会サウスバウンド114分・2007・森田芳光 -
Ⓒ2007「椿三十郎」製作委員会椿三十郎119分・2007・森田芳光 -
Ⓒ2009 アスミック・エースわたし出すわ110分・2009・森田芳光 -
Ⓒ2003 磯田道史/新潮社 (c)2010「武士の家計簿」製作委員会武士の家計簿129分・2010・森田芳光 -
Ⓒ2012「僕達急行」製作委員会僕達急行 A列車で行こう117分・2012・森田芳光
脚本家・森田芳光
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3年目の浮気75分・1983・中原俊 -
ウホッホ探険隊105分・1986・根岸吉太郎 -
Ⓒ光和インターナショナル/日本テレビ免許がない!103分・1994・明石知幸 -
キリコの風景105分・1998・明石知幸
特別上映
- (監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演
- スタッフ、キャスト欄の人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
- 上映分数は当日のものと多少異なることがあります。
- 不完全なプリントや状態の悪いプリントが含まれていることがあります。
- *印が付いている作品は、公開当時成人指定を受けた作品です。当該の上映回には女性専用席を設けます。
- NEWとある作品はニュープリントでの上映です。
- ★の回はトークイベントや解説があります。
上映カレンダー
10/14(火) | |
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10/15(水) | |
10/16(木) | |
10/17(金) | |
10/18(土) | |
10/19(日) | |
10/20(月) | 休館日 |
10/21(火) | |
10/22(水) | |
10/23(木) | |
10/24(金) | |
10/25(土) | |
10/26(日) | |
10/27(月) | 休館日 |
10/28(火) | - |
10/29(水) | - |
10/30(木) | - |
10/31(金) | - |
11/1(土) | - |
11/2(日) | - |
11/3(月・祝) | 休館日 |
11/4(火) | |
11/5(水) | |
11/6(木) | |
11/7(金) | |
11/8(土) | |
11/9(日) | |
11/10(月) | 休館日 |
11/11(火) | |
11/12(水) | |
11/13(木) | |
11/14(金) | |
11/15(土) | |
11/16(日) | |
11/17(月) | 休館日 |
11/18(火) | |
11/19(水) | |
11/20(木) | |
11/21(金) | |
11/22(土) | |
11/23(日・祝) |
特別上映の作品(森田芳光初期8mm作品集(1)・森田芳光初期8mm作品集(2))は入場料が無料となります
。入場にあたっては電子チケットが必要です。電子チケットは、上映前日の11月7日(金)12:00から取り扱い開始となります。窓口では開映1時間前から5分前までチケット(若干数)をお求めいただけます。- チケットのオンライン発売は各上映日の3日前正午からとなります。
- チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。
- 各回の開映後の入場はできません。予告篇はなく、本篇から上映します。
トークのお知らせ
10月25日(土)
『(ハル)』
- 登壇者
- 佐野亨(当館研究員)
12:00の回上映後に約30分の解説があります。
10月25日(土)
『の・ようなもの』
- 登壇者
- ライムスター宇多丸氏(ラッパー、ラジオパーソナリティ)
15:30の回上映後に約30分のトークがあります。
10月26日(日)
『39 刑法第三十九条』
- 登壇者
- 鈴木京香氏(俳優)
12:30の回上映後に約30分のトークがあります。
11月8日(土)
「森田芳光初期8mm作品集(1)」
- 登壇者
- 河添博幸氏(広告プロデューサー、森田芳光8mm作品上映企画者)、夏目房之介氏(マンガ・コラムニスト)、三沢和子氏(映画プロデューサー)
12:00の回上映後に約40分のトークがあります。
- ゲストは予告なく変更となる場合がございます。予めご了承ください。
- トークイベントのみの参加はできません。
バリアフリー上映
『それから』/『(ハル)』バリアフリー上映
11月15日(土)12:30の『それから』と16:00の『(ハル)』は、聴覚障害の方向けの日本語字幕と、映画の音声を増幅するヒアリングループシステムをご用意しています。また、視覚障害の方向けの音声ガイドをFM配信し、ラジオ貸出もいたします。
予約について
ヒアリングループと音声ガイドをご利用の方はメールまたはFAXによる事前予約をお願いいたします。また、聴覚・視覚障害の方で、字幕でご覧になる方やラジオとイヤホンを持参される方も、お席の予約をお勧めしますので、11月13日(木)までにご連絡ください。席数や貸出機器には限りがございます。お早めにお申し込みください。
- ヒアリングループご希望の方は磁気コイル付補聴器(“T”マーク付補聴器)をご持参ください。
メールおよびFAX予約方法
件名:希望の上映回(各回または両方の回)/字幕・ヒアリングループ・音声ガイド(いずれかをご記入ください)
記入事項:
①来場者全員のお名前(付添者は人数だけでも可)
②希望席数/ラジオ希望台数
③返信用連絡先(当日も連絡がとれる電話番号またはメールアドレス)
- 日曜・月曜に予約申込された場合、予約受付の返信は後日お送りします。
- 個人情報は上記の目的にのみ使用し、使用後は適切に破棄します。
申込期間:10月28日(火)―11月13日(木) *定員に達し次第、締め切ります。
申込先:assist@nfaj.go.jp FAX: 03-3561-0830
協力:Palabra株式会社、社会福祉法人聴力障害者情報文化センター
スタンプラリーのお知らせ
【実施期間】
2025年10月14日(火)~26日(日)、11月4日(火)~23日(日)
【スタンプ設置場所】
上映: 2階ロビー
展覧会:7階エレベーター前
※上映作品のスタンプはプログラムに応じて入れ替えます。チケットをご購入いただいた方のみ開場時にご入場いただけます。
※展覧会のスタンプは、展覧会のチケットをご購入いただかなくても押すことができます。
※台紙はお一人様1枚でお願いいたします。ご来館の際はお忘れなくご持参ください。
スタンプがたまったら景品をプレゼント!
スタンプ15個で…特製クリアファイル
スタンプ全部で…特製トートバッグ
景品は1階受付にてお渡しいたしますので、スタンプがたまった方はお申し出ください。
景品受取締切:2025年11月30日(日)
チケット案内
特別上映の作品(森田芳光初期8mm作品集(1)・森田芳光初期8mm作品集(2))は入場料が無料となります。入場にあたっては電子チケットが必要です。電子チケットは、上映前日の11月7日(金)12:00から取り扱い開始となります。窓口では開映1時間前から5分前までチケット(若干数)をお求めいただけます。
- 通常料金
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- 520円
- 一般
- 310円
- 高校・大学生・65歳以上
- 100円
- 小・中学生
- 無料
- 障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)
キャンパスメンバーズ(教職員)
キャンパスメンバーズ(学生)
- オンライン販売
- 各上映日の3日前正午から各上映回の開映15分前まで
- 窓口販売(1F)
- 各上映回の開映1時間前から5分前まで若干数販売、お支払いは現金のみ
電子チケット購入方法
- 本ホームページの上映カレンダーからご覧になりたい上映日時の「チケット購入」ボタンを選択。
- 座席と券種を選択。
- メールアドレスやクレジットカードまたはd払いの情報等必要事項を入力。
- 申込が完了しますと、3. で入力したメールアドレスにQRコード付きのチケットが届きます。
入場方法
- チケットのQRコードをスマホ画面、または印刷紙面でご提示ください。
- 学生、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方、国立美術館のキャンパスメンバーズ、優待の方は証明できるものをご提示ください。ご提示のない方はご入場できません。
- 料金区分の違うチケットでは入場できません。差額のお支払で観覧することはできません。
- 各回の開映後の入場はできません。予告篇はございません。
- 開場は開映30分前です。
注意事項
- 特集名、作品名は電子チケットに表示されませんので、お間違いないようご購入、ご提示ください。
- 窓口でご購入いただける当日券は各回1名につき1枚のみです。
- チケットのオンライン完売情報は、公式チケットサイトにてご確認ください。