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国際フィルムアーカイブ連盟(FIAF)加盟機関が配信する動画サイトのご案内

現在、新型コロナウィルスによる災禍が世界中で拡がる中、人々は可能なかぎり家に留まることで、感染の被害を最小化しようとしています。そうした中、各国のシネマテーク/アーカイブやさまざまな映画祭の上映もそのほぼすべてが中止・休止されています。

国立映画アーカイブも加盟する国際フィルムアーカイブ連盟(FIAF)では、そうした現状を踏まえ、FIAFの会員アーカイブが公開しているウェブサイトへのアクセスを推奨し歓迎しています。FIAFホームページ内の以下コレクション・ポータルサイトは、世界の約60のフィルムアーカイブが配信する映像コレクションサイトへの入口となっています。入口の向こうに拡がっているのは、自前で運営する特設サイトやYouTube、vimeoなどのプラットフォームを利用したものなど、形式は様々ですが、だれでもいつでもどこからでも、デジタル化された多くの映像コレクションを無料で視聴することができます。アーカイブ映像による歴史研究、映画史研究の《仮想旅行》におでかけください(一部制限あり。以下、❖は外部サイト)。

FIAF加盟アーカイブのコレクション・ポータルサイト

公開されているのは、様々な言語で作られてきた、世界中の珍しい映像ばかりです。すでにパブリックドメインとなったもの、商業公開を目的としなかったもの、その国にとってきわめて重要な価値を有するもの、20世紀の文化・風俗を見せてくれるものなど実に多様ですが、共通するのは、フィルムアーカイブの長年にわたる収集・保存の成果を示すものであること、過去120有余年の世界の歴史を映画技術によって記録したかけがえのない視聴覚文化財であることでしょう。以下は、ほんの一例です。

❖EYE映画博物館(オランダ):世界でもっとも重要な無声映画コレクションの一つであるジャン・デスメット・コレクションの数々

❖UCLA映画テレビアーカイブ:ジェームズ・ディーンのテレビ出演作を含む伝説のUSS提供番組「スティール・アワー」など

❖EFG(ヨーロピアン・フィルム・ゲートウェイ):欧州の38のフィルムアーカイブが所蔵するフッテージを公開しているポータル。第一次世界大戦の映像が特に重要。

❖ニュージーランド視聴覚アーカイブ(Ngā Taonga Sound & Vision):ニュージーランドのあらゆる記録・文化・歴史映像が閲覧できる。

❖タイ・フィルムアーカイブ:1955年に製作されたタイ初のアニメといわれる「驚くべき出来事」Amazing Incidents a.k.a. Miracle Happens (เหตุมหัศจรรย์ Het Mahatsachan)など。

さらに、そうした多種多様な映像を、「イタリアの旅」「ストライキ」「ダンス」「サッカー」「子供」「飲酒」といったテーマによってまとめた番組編成も始まっています。

❖コレクションのテーマ別番組編成:Programming FIAF Affiliates’ Online Film Collections

 

 

【国立映画アーカイブのオンラインサービス】

このFIAFポータルにリンクされている当館の二つの配信サイトも人気が高く、世界中から多くのアクセスを受けています。まだ、視聴されていない方々には、ぜひ一度、ご視聴をお勧めいたします。

日本アニメーション映画クラシックス

映像でみる明治の日本

また、静止画サイト「NFAJデジタル展示室」では、国立映画アーカイブの資料コレクションから精選した日本映画史関連資料を、テーマ別に公開し、映画史的な文脈を解説しています。失われた初期日本映画の研究や映画館の歴史調査に資するこのバーチャル展示室へも、みなさまのご訪問をお待ちしています。

 

国立映画アーカイブ

 

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