◆東京オリンピック
(1965年 東京オリンピック映画協会/東宝 カラー シネマスコープ 170分)
1964年10月10日から24日まで開催された第18回オリンピック東京大会は、スポーツによる国際交流の場を通して、わが国が世界にその復興を示した国家的規模の一大行事であったと言えるだろう。この作品はそのメモリアル・フィルムとして市川崑総監督以下、561人のスタッフが結集して製作され、翌年公開されるや空前の観客動員を記録し、12億を超える配給収入を上げた話題作である。また、その際に「記録か芸術か」という問題を提起し、様々な議論を巻き起こしたことも忘れられない。それは、この作品がスポーツの勝敗よりも、スポーツをする「人間」により多くの描写を費やしたためとも言えるのだが、これはこれで作家市川崑としての一貫した姿勢でもあった。結果は、カンヌ国際映画祭批評家協会賞受賞、「キネマ旬報」ベストテン第2位選出にも表れている。
[スタッフ]
(企画・監修) オリンピック東京大会組織委員会
(製作) 東京オリンピック映画協会
(プロデューサー) 田口助太郎
(総監督) 市川崑
(脚本) 和田夏十/白坂依志夫
(〃) 谷川俊太郎/市川崑
(技術監督) 碧川道夫
(音楽監督) 黛敏郎
(録音監督) 井上俊彦
(監督部) 細江英公/安岡章太郎
(〃) 谷川俊太郎他
(撮影部) 林田重男/宮川一夫
(〃) 中村謹司/田中正 他
(ナレーター) 三国一朗