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Screening 上映・企画情報
大ホール・小ホール

第36回PFF

36th Pia Film Festival

※上映作品、上映日時によっては会場が小ホールのものもございます。

2014.9.13-9.25
作品詳細
AwardH 9/16(火) 3:30pm 9/18(木) 6:30pm  
流れる
(13分/カラー)

僕の友だち見つけたよ。心があれば、言葉はいらないはずだったのに…

すぐそばを川が流れる公園で暮らす少年。彼はある時、傍らに置かれた小石の存在に気づく。小石と共に、公園と川との間の狭い空間を転々と行き来する少年。しかし、ある時小石は忽然と消えてしまう。一切のセリフを排し、たったひとりの登場人物と彼の所持する石との不思議な関係を描く。
登場人物の背景もわからぬまま、観客は彼と彼の手に握られた小石とを、そして彼の周りに広がる光景をただ見つめることになる。蹴り上げられたサッカーボールが川の向こう岸に落下する時、寄りかかった木の大きさが引きの画で示される時、ありふれたなんということのない光景が目の前でその空間としての豊かさを押し広げられて行く。最小限の要素を用い、そこから普遍性と壮大さを引き出す本作には、紛れもない才能が宿っている。 文:結城秀勇(ライター・映写技師)

監督:橋本将英(16歳/福岡県出身)

還るばしょ
(36分/カラー)

日常の中で少しずつ溜まっていく澱を解放させた瞬間、泥にまみれて彼女は太陽を見上げた

歯科衛生士として働くちかげは毎日を淡々と過ごしている。女友達の家に泊まりに行く彼氏を許し、付き合っている意味を同僚からも問われ、姉には「ちかげってなんかつまんなそーだよね」と言われても、それが幸せとも不幸とも感じていなかった。そんな日常が少しずつ、ちかげ自身を受け入れさせなくなっていく…。
矛盾を抱えながら生きている人間の複雑な内実を、忘却の彼方においやるのではなく、映画の中の主人公を通して炙り出す。それを見ている私たちの中から引き出される言葉もまた、根の深い領域からやって来るだろう。自分でも気付かない何かが違和感を引き寄せるようにして…。『還るばしょ』は、我に還るという感覚に限りなく近い響きを見るものに残す。 文:小原 治(映画館スタッフ)

監督:塚田万理奈(22歳/長野県出身)

Super Tandem
(40分/カラー)

この善行はだれのため?若さと善意と衝動が承認欲求を求めて暴走する

人のために何かしたい。その決意のもとに自警団を結成した大石と悪友荻田。万引き犯を手痛く成敗するも、待ち受けるのは暴走族の復讐劇。それでも己が信ずる方向へ!エロ漫画カラー版制作、深夜のカーチェイス、暴走族とのMCバトル、救急センターへのゲリラ突撃。現実と妄想のラインを超えた強引気ままなストーリー。荒々しく襲いかかる映像と音楽の洪水。迸る勢いが私たちを引きずり込む。
有り余る若さと捨てきれない幼稚さと近しい暴力。監督は地元富士宮に生きる若者たちに愛を持って、時に自虐的なまでに演出し、ひねくれた自身を映画のフレームで見事描ききった。その根底にある純粋な思いは終始一貫している。人のために、善のために動けるか。
一人の青年の全力の叫びが、乗り合せた者に伝播し、世界の願いへと変わる奇跡を見る。 文:木下雄介(映画監督)

監督:小林勇貴(23歳/静岡県出身)

■PFFアワード監督の来場予定およびゲスト来場の追加情報は随時PFF公式ホームページで発表します。
■やむを得ない事情により、プログラムおよび来場ゲストが変更になる場合がございます。
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The National Museum of Modern Art, Tokyo