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Screening 上映・企画情報
大ホール・小ホール

第36回PFF

36th Pia Film Festival

※上映作品、上映日時によっては会場が小ホールのものもございます。

2014.9.13-9.25
作品詳細
AwardA 9/13(土) 11:30am 9/17(水) 6:30pm  
ナイアガラ
(27分/カラー)

生きている音、生きている私。大丈夫、恐れることなどなにもない

18歳になった女の子やまめは、施設を出る直前に祖父母の存在を知る。祖父は死刑囚で、祖母は認知症。という事実を、驚きも落胆もせず受け入れる彼女の前向きさに、まず引きこまれる。祖母を介護する青年が録音する、街中の何気ない日常の音の愛おしさから、生きている有難みを実感、感動がじんわり胸に沁み込んでいく。
施設育ち、死刑囚、認知症など、深刻なドラマの予感に思わず身構える観客を、鮮やかに裏切っていく。自分の境遇をマイナスではなく、常にプラスで考えるヒロインの思考回路に、教えられることは多い。そこにいるはずのない人が目の前に現れても、怯えず、慌てず、何も問いたださない。そうした彼女の態度ひとつひとつが積み重なって、滝のように炎が流れる花火が「生」そのものに見え、爽やかな夜風に吹かれた心地に満たされるのだ。 文:片岡真由美(映画ライター)

監督:早川千絵(37歳/東京都出身)

人に非ず
(65分/カラー)

ヤギを人が撃ち、人をやつが撃つ。これは殺戮か?それとも生態系の法則か?

小笠原諸島の父島にある観光客向けホテル・ホライズンにひとりの新人従業員がやってくる。彼は、海と山の豊かな自然に囲まれた一見のどかに見える日常生活の裏に、閉鎖的な環境からくる陰鬱な人間関係があるのを垣間見る。それは人知れず、陰惨な事件の萌芽の温床となっていた。
小笠原諸島の雄大な海や山を背景として展開する、ほとんど動機を欠いたまま淡々と行われる凶行と、それらを背後に覆い隠すことでむしろいままでなかった輝きを取り戻す日常とのコントラスト。人間らしいのかそうではないのか。世界のごくごく一部に過ぎない人間の狭い基準によって立てられたその問いが、鳥、獣、虫、あるいは山や海といった、人ではないものたちの間で発せられる時、その意味をまったく変える。 文:結城秀勇(ライター・映写技師)

監督:矢川健吾(26歳/神奈川県出身)

■PFFアワード監督の来場予定およびゲスト来場の追加情報は随時PFF公式ホームページで発表します。
■やむを得ない事情により、プログラムおよび来場ゲストが変更になる場合がございます。
■全プログラムとも、録画・録音機器、及びPCの会場への持ち込みは禁じられています。

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The National Museum of Modern Art, Tokyo