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2000年6月-7月号

大ホール(2階)

特別追悼特集

偉大なる“K”(2):黒澤明

Homage to Three Great "K"s - Part 2: Akira Kurosawa

5月30日(火)~ 7月29日(土)
料金=一般410円/学生250円/小人180円

 1910年3月23日生まれ。1936年、P・C・L(同年東宝に合併)に助監督として入社、 山本嘉次郎監督らに師事し、1943年、「姿三四郎」で監督デビュー、 日本映画界に新風を吹き込んだ。 1950年の「羅生門」が、ヴェネチア国際映画祭グランプリを受賞してからは、 「世界のクロサワ」として時代の寵児となり、その後、発表する1作ごとが注目を浴び、 また、数々の海外映画祭での受賞を積み重ねて、国籍を越えた巨匠としての名声を 不動のものとした。 「現代ハリウッドの蔭の改革者」(ジョージ・ルーカス)とも呼ばれる黒澤明が 生涯に生み出した30作は、今も、世界中の映画作家に多大な影響を与え続けている。

 “おそらく黒澤明の最大の武器は、日本という国にあっていかなる文化にも 束縛されることなく、生来ストーリーを語る技術を備えていることであり、ま た、西洋の古典文学を翻案して映画化する天賦の才に恵まれていることであ る。”

 “ドストエフスキーの「白痴」、ゴーリキーの「どん底」、あるいはシェーク スピアの「マクベス」(「蜘蛛巣城」)や「リア王」(「乱」)に挑戦しようなど という映画監督は日本には他にいない。さらに彼は、歌舞伎から「虎の尾を踏 む男達」を翻案し、能舞台の技術や音楽を「蜘蛛巣城」や「影武者」に生かし ている。

 “自らと並び立つ巨匠であり、また、もっとも尊敬する目標でもあるジャン・ ルノワール、ジョン・フォード、溝口健二といった人々と同じく、黒澤はその 映画にまつわる霊感をありとあらゆる世界の映画、文学、音楽から得てきたの だ。”

 “しかもなお、「生きる」と「七人の侍」というもっとも偉大な2作は、完全 に自身のオリジナル脚本によるものである--これは、物語を生み出す彼の天 才やその人間尊重の信条が、ジャンルも時代も国籍もすべて超越していること の証である。”

オーディ・ボック:THE INTERNATIONAL DICTIONARY OF FILM AND FILMMAKERS - 2: DIRECTORS (St. James Press, 1991 edition)より


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