「映画関連資料デジタル化の手引」について

“映画”にまつわる資料は、映画産業としての企画・製作・流通等の過程で生み出される資料や、個の映画人の生涯にわたるコレクション資料などをはじめとし、平面・立体などの形態の違いや印刷物・手書原稿・原画など様々な特性をもつといえます。近年、情報技術の発達とともに、これら資料の有効活用のためデジタル化の需要が高まっているものの、デジタル化に伴う技術事項や作業行程の効率化についての知識は、広く一般化していない状況であるといえます。

 

BDCプロジェクトでは、フィルムセンター所蔵のスチル写真、ポスター、脚本、プレス資料、制作資料、その他立体資料など、様々な種別の映画関連資料[※1]を題材にデジタル化を行ってきました。

この度、これらのデジタル化の作業を通じ得られたデジタル化の仕様や、技術の標準化に係る情報を取り纏め、「東京国立近代美術館フィルムセンター映画関連資料デジタル化の手引」(以下、手引書[※2])の作成を行いました。

手引書は、国立国会図書館「国立国会図書館 資料デジタル化の手引 2017年版」からの内容を積極的に参照しており、セットで用いられることを想定しています。

図書を中心とする資料だけでなく、平面から立体物まで多岐にわたる映画関連資料のデジタル化に対応できる内容を加えており、データ品質の確保及びデジタル化作業の効率化についての内容も含んでいます。この「手引書」を館外の方にもご参考いただけますと幸いです。

 

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「東京国立近代美術館フィルムセンター映画関連資料デジタル化の手引」

 

 

※1 当館所蔵の映画関連資料は、映画フィルムや音声素材、ビデオ素材を除く資料を指す

※2 手引書において、特に技術仕様部分は映画アーカイブ機関のみならず、類型の資料・資産を有する組織一般に共通し参考にできるものである

 

 

(TN)