Art東京国立近代美術館
Craft&Design東京国立近代美術館工芸館
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In Celebration of UNESCO World Day for Audiovisual Heritage
Nikkatsu 100: To the Source of Japanese Cinema


主催:東京国立近代美術館フィルムセンター
後援:日本ユネスコ国内委員会
協賛:古典の日
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【会場】 東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール(2階)
【日時】2012年11月3日(土・祝)
    2:00pm-5:00pm
(終了時刻は予定)詳細はこちら
【定員】299名【料金】一般=1000円/高校・大学生・シニア=800円/小・中学生=600円/障害者(付添者は原則1名まで)は無料/キャンパスメンバーズ=学生400円、教員500円
【発券】2階受付
映画の上映開始後の入場はできません
●発券・開場は開演の30分前から行い、定員に達し次第締切となります。
●学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
●発券は1名につき1枚のみです。
●観覧券は当日・当該回のみ有効です。

 フィルムセンターでは、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が定めた「世界視聴覚遺産の日」(10月27日)を記念して毎年特別イベントを開催しています。5年目を迎える今回は、日本映画最古の“メジャー・プロダクション”日活の創立100周年にあわせて、溝口健二監督の失われた無声映画『慈悲心鳥』(1927)の断片など近年フィルムセンターが入手・復元した珍しいフィルムの紹介と、向島撮影所時代の貴重な現存作品『新派 二人静』(1922)の弁士・伴奏付き上映を行います。

■上映

慈悲心鳥 [断片] (2分・18fps・35mm・無声・白黒)

新たに発掘された溝口健二監督の初期無声映画の断片。菊池寛の小説を映画化したオリジナルは3,499m(13巻)に及ぶ長篇で、二人の野心的な学生と、彼らが想いを寄せる代議士の娘を軸に波瀾万丈のドラマが繰り広げられる内容であったが、そのうち42m(2分)の映像を見ることができる。森田俊雄氏寄贈の可燃性プリントから復元。

'27(日活大将軍)(監)溝口健二(原)菊池寛(脚)畑本秋一(撮)横田達之(美)北猛夫(出)中野英治、岡田時彦、原光代、夏川静江

1931年 日活オンパレード [断片]
(1分・35mm・18fps・無声・調色)

正月用に日活のスター、監督など総動員で製作された顔見せ映画の一部。森田俊雄氏寄贈の可燃性プリントから復元。

'31(日活太秦)(監)阿部豊(撮)横田達之(出)夏川静江、大河内傳次郎、片岡千恵蔵、小杉勇


堀久作社長の帰朝 (3分・35mm・無声・白黒)

1951年1月から3月にかけてアメリカ映画界を視察した堀社長の帰朝の様子。フィルムに登場する日活本社の建物はその後国立近代美術館(1952年開館)そしてフィルムセンター(1970年開館)へと引き継がれることになる。日活株式会社寄贈の可燃性プリントから復元。

'51(日活)



■講演

「『慈悲心鳥』と日活時代の溝口健二」

佐相勉(さそう・つとむ)
映画研究者。溝口健二研究の第一人者として、多くの著書・論文を発表。フィルムが失われた作品についても精緻な資料調査を行いながら、巨匠の全貌の解明に取り組んでいる。著書に『1923 溝口健二「血と霊」』 (筑摩書房、1991)、編書に『映畫読本 溝口健二 情炎の果ての女たちよ 幻夢へのリアリズム』(フィルムアート社、1997)。『溝口健二・全作品解説』(近代文芸社、2001-)は現在9巻まで刊行されている。

■弁士・伴奏付き上映

新派 二人静 (83分・18fps・16mm・無声・白黒)

柳川春葉の家庭小説を映画化した日活向島の新派悲劇。わが子から引き離される芸妓の浪次に扮した中山歌子は、映画劇革新のため1921年に設置された「第三部」が、それまでの女形にかわり採用した女優の一人。女優と女形の共演も興味深い。(プリント提供:株式会社マツダ映画社)

'22(日活向島)(監)大洞元吾(原)柳川春葉(出)中山歌子、新井淳、市川春衛、荒木忍、横山運平、宮島賢夫、若葉馨

○台本・語り

澤登翠(さわと・みどり)

故松田春翠門下。「伝統話芸・活弁」の継承者として、「無声映画鑑賞会」や全国各地の上映会、NHK BS2への出演に加え、大学や文化センターでの講演、執筆等活動は多岐にわたる。ポルデノーネ無声映画祭、シカゴ国際映画祭、ソウル国際女性映画祭、サンフランシスコ無声映画祭、ナント三大陸映画祭など欧米、アジアの映画祭や文化会館での公演も多数。日本映画ペンクラブ賞、文化庁芸術祭優秀賞他を受賞。2010年度「音の匠」として日本オーディオ協会より顕彰される。今年末に弁士40周年リサイタルを予定。

○伴奏

カラード・モノトーン
(作・編曲、指揮、三味線、ギター=湯浅ジョウイチ ピアノ=呉信樹 ヴァイオリン=古橋ユキ フルート=鈴木真紀子)
無声映画の伴奏音楽(生演奏)を担当する西洋楽器と和楽器とを混成した専属合奏団。1994年の結成以来、日本独特の活動写真の音楽を研究し、無声映画全盛期における伴奏音楽の再現に取り組む一方で、映画音楽における新機軸を打ち出し、好評を博している。現在、澤登翠、坂本頼光らの活動弁士と共に各地で行う公演活動は年間数十回(ミニユニットによる演奏を含む)に及ぶ。

ユネスコ「世界視聴覚遺産の日」(10月27日)
映画フィルム、テレビ番組、様々な録音・録画物などの視聴覚遺産を保存し安全保護する事業や活動を推進し、その重要さを啓蒙するために、ユネスコが2006年に定めた国際記念日。ユネスコに属する視聴覚保存機関連絡協議会(CCAAA)での決定を受けて2007年から世界で実施されている。なお、10月27日は、1980年ベオグラードで「映像の保護及び保存に関するユネスコ勧告」が採択された日。フィルムセンターが加盟している国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)でも、連盟をあげてこの日を祝うことを決定し、世界中の会員機関が記念イベントなどの事業に取り組んでいる。

Audiovisual Heritage Memory-The Clock is Ticking
(もう時間はない――“視聴覚遺産=人類の記憶”を守ろう!)
*ユネスコの視聴覚保存機関連絡協議会(CCAAA)による「世界視聴覚遺産の日」のスローガン

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The National Museum of Modern Art, Tokyo