Art東京国立近代美術館
Craft&Design東京国立近代美術館工芸館
MOMAT TOP
Screening 上映・企画情報
大ホール・小ホール

第36回PFF

36th Pia Film Festival

※上映作品、上映日時によっては会場が小ホールのものもございます。

2014.9.13-9.25
作品詳細
AwardF 9/14(日) 6:00pm 9/19(金) 0:00pm  
怪獣の日
(30分/カラー)

優れたSF映画は現実の陰画。この怪獣への対処法は、この国の現実そのもの

内閣府からの発表で映画は始まります。太平洋沖に現われた未知の怪獣は、自衛隊と米軍による作戦でなんとか活動を停止させることに成功したと。そして、その遺骸がやがて日本の沿岸に漂着すると…。これは、その沿岸の町を舞台にした、さまざまな立場の人々を描いた物語です。
無策な政府、その政府からの補助金を目当てに、怪獣を建屋で囲んで観光名物にしようとする住民一派。全く未知の生態であるが故、完全に死んでいるとは確約できないと、反対する主人公たち…。そこで交わされる議論と対立は、明らかなメタファーとなって鑑賞者に投げかけられます。そう、この映画は決して無邪気な特撮エンタテインメントではありません。作り手の静かな怒り、商業映画ではなかなか見受けられない気骨というものを、是非ご覧ください! これぞ怪獣映画スピリッツ! 文:真壁成尚(映像ディレクター)

監督:中川和博(27歳/奈良県出身)

沖縄/大和
(98分/カラー)

僕とあなたを隔てるラインはどこにある?当事者目線の切実さで、気づき、気づかせ、始めてゆこう

沖縄に生まれ育った監督は、沖縄と本土の間にある心理的な境界線の存在を仮定し、それを追求するドキュメンタリーの制作を始める。そこで出会う人々の言葉や顔から浮かび上がってくるのは、沖縄と日本本土の政治的な歴史ばかりではなく、豊かな民俗学的考証でもあり、そこに生きる個々人それぞれが持つ小さな歴史でもある。
この映画を見て、いや、映画の枠を越えた日常生活でも否応なしに気づかされるのは、隔てられた沖縄と大和のそれぞれの内部でさえ、いかに人々は分断され孤立させられているかということだ。沖縄の内部で基地反対派と推進派は一本の道路を挟んで対立し、同様のことは本土でも起こる。この「沖/縄/大/和」、あるいは「お/き/な/わ/や/ま/と」とでも言うべき絶望的な状況を真摯に見つめることからしか、連帯は始まらない。 文:結城秀勇(ライター・映写技師)

監督:比嘉賢多(22歳/沖縄県出身)

■PFFアワード監督の来場予定およびゲスト来場の追加情報は随時PFF公式ホームページで発表します。
■やむを得ない事情により、プログラムおよび来場ゲストが変更になる場合がございます。
■全プログラムとも、録画・録音機器、及びPCの会場への持ち込みは禁じられています。

Calendar 上映・展示カレンダー
上映・展示カレンダー
The National Museum of Modern Art, Tokyo