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Screening 上映・企画情報
大ホール

日本の初期カラー映画

The Birth and Development of Japanese Color Film
2014.4.8-5.25
作品詳細
38 4/27(日) 4:00pm 5/21(水) 3:00pm  
<イーストマンカラー短篇集>
(計97分)

1954年に岡田桑三が創立し、科学映画の興隆を牽引した東京シネマは、イーストマンカラーを活用した映画会社の先駆でもあった。全日本PR映画コンクールで共に色彩賞を受賞した最初期の作品、『ビール誕生』と『鋳物の技術』を上映する。日本自転車工業会の海外PR用短篇『銀輪』は、日本の実験映画史においても伝説的な作品とされる。2005年に発見されたオリジナルネガを基にデジタル復元したプリントを上映。さらに、戦前期に鳥や小動物の生態を捉えた作品で理研科学映画に一時代を画した下村兼史の戦後作品と、1955年におとぎプロを旗揚げした漫画家・横山隆一による漫画映画も上映。

ビール誕生
(15分・35mm・カラー)

'54(東京シネマ)(監)柳沢寿男(脚)吉見泰(撮)小林米作(特殊写真)木村伊兵衛(解)高島陽

鋳物の技術―キュポラ熔解―
(18分・35mm・カラー)

'54(東京シネマ)(監)野田真吉(脚)吉見泰(撮)入沢五郎(音)箕作秋吉(動画原画)村山知義(解)浅沼博

銀輪[デジタル復元版]
(12分・35mm・カラー)

'56(新理研映画)(監)(脚)松本俊夫(監)矢部正男、樋口源一郎(脚)(美)北代省三、山口勝弘(撮)荒木秀三郎(音)武満徹、鈴木博義(特殊撮影)円谷英二

富士は生きている
(34分・35mm・カラー)

'56(東映教育映画)(監)(脚)下村兼史(撮)稲葉直(音)伊達純(解)近江正俊

ふくすけ
(18分・35mm・カラー)

'57(おとぎプロ)(監)(原)(撮)横山隆一(動画)町山充弘、鈴木伸一、前田一(音)服部良一
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◆イーストマンカラー
米イーストマン・コダック社は、1935年に世界初の多層式カラーフィルム「コダクローム」(外型反転)を発表。主に8mmや16mm映画で用いられた。1950年には35mm映画用で内型ネガ・ポジ方式の「イーストマンカラー」を発表し、以後テクニカラーに取って代わりカラー映画市場の中心を占めていく。日本では大映が意欲的に研究・採用し、これに合わせて東洋現像所(現IMAGICA)が1953年、イーストマンカラーの現像処理工場を完成させる。

〈用語解説〉
多層式カラーフィルム――支持体(ベース)上に(赤・緑・青等)色別の感光層が複数塗布されたフィルム。
内型/外型――発色剤であるカプラーがフィルムの乳剤面に含まれる現像方式を内型、現像液に含まれる方式を外型と呼ぶ。
反転(リバーサル)フィルム――二段階の(反転)現像によって、直接ポジ像を得るフィルム。1950年のイーストマンカラー登場以降は、ネガ・ポジ方式の現像が主流となる。


■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術・装置・設計 (音)=音楽 (出)=出演 (解)=解説
■スタッフ、キャストの人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。



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