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Screening 上映・企画情報
大ホール

日本の初期カラー映画

The Birth and Development of Japanese Color Film
2014.4.8-5.25
作品詳細
1 4/8(火) 3:00pm 5/3(土) 4:00pm  
<コニカラー短篇集>
(計66分)

戦前に横浜シネマ商会の漫画映画で活躍した片岡芳太郎による『魔法の靴』は、三色分解方式によるコニカラー・プリントの最初の作品。『くじら』は近年フィルムセンターでデジタル復元を行い、公開当時の色を甦らせたプリントでの上映。『かわいい魚屋さん』は、「コニカラー・カメラ」が用いられた最初の作品であり、『ゆきのよる』はネガ・ポジ方式による最初の作品である。これらに加えて、大藤信郎のセル・アニメーション『色彩マンガ映画 花と蝶』と、科学映画のパイオニア・太田仁吉の死後に完成した遺作『阿寒湖のまりも』、そして薮下泰司が東映教育映画部の下請けとして作り、東映が動画に踏み出す契機となった作品『うかれバイオリン』を上映。

魔法の靴
(7分・35mm・カラー)

'51(S.C.P)(監)(脚)片岡芳太郎(音)竹岡信幸

くじら(KUJIRA)[デジタル復元版]
(9分・35mm・カラー)

'53(大藤スタジオ)(監)(作画)大藤信郎(音)塚原晢夫

かわいい魚屋さん
(3分・35mm・カラー)

'53(小西六寫眞工業)(監)新村士行(撮)今関光夫

ゆきのよる
(10分・35mm・カラー)

'54(さくらカラー・プロ)(監)(脚)新村士行(撮)柿田勇(美)魚成祥一郎(音)三浦潤(出)青島絢子、根岸孝子、針生京子、長沢京子、増田幸子、浜野敏美、大江泰子

色彩マンガ映画 花と蝶
(9分・16mm・カラー)

'54(千代紙映画社)(監)(作画)大藤信郎(音)紙恭輔

阿寒湖のまりも
(15分・16mm・カラー)

'54(科学映画研究所)(監)(脚)太田仁吉(原)西村眞琴(撮)関口敏雄(音)伊福部昭

うかれバイオリン
(13分・35mm・カラー)

'55(日動映画)(監)(脚)藪下泰司(撮)高城秦策、石川光明(原画)大工原章、森康二、古沢日出夫(動画)市野正二、長沼寿美子、若松一、岡田弥生、内山孝(音)坂本良隆
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◆コニカラー(さくら天然色フィルム)
1941年、小西六(1943年からは小西六写真工業、現コニカミノルタ)は日本最初の写真用多層式カラーフィルム「さくら天然色フィルム」(外型反転)を発売、1947年にはそれを用いた観光映画『夢』が製作される。1951年と1953年には、三色分解ネガからプリントを作製する発色現像方式と三色分解撮影専用の「コニカラー・カメラ」の開発にそれぞれ成功し、「コニカラー・システム」が完成。最初の長篇『緑はるかに』以降、1959年の中止まで、約60本の作品が製作された。

〈用語解説〉
多層式カラーフィルム――支持体(ベース)上に(赤・緑・青等)色別の感光層が複数塗布されたフィルム。
内型/外型――発色剤であるカプラーがフィルムの乳剤面に含まれる現像方式を内型、現像液に含まれる方式を外型と呼ぶ。
反転(リバーサル)フィルム――二段階の(反転)現像によって、直接ポジ像を得るフィルム。1950年のイーストマンカラー登場以降は、ネガ・ポジ方式の現像が主流となる。


■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術・装置・設計 (音)=音楽 (出)=出演 (解)=解説
■スタッフ、キャストの人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。



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