無声映画の素晴らしさを体験していただくため、1995年からシリーズ化された特別企画「シネマの冒険 闇と音楽」。本年のプログラムでは、フィルムセンターが所蔵するロシア・ソビエト映画を対象に、帝政ロシア時代を代表するプロタザーノフ、バウエル、サーニンの文芸映画から、モンタージュ派の祖・クレショフの貴重な初期作品、そしてドヴジェンコ、コージンツェフ=トラウベルグ、エルムレルによる1920年代ソビエト映画の名作まで、計8本(6プログラム)をラインナップして上映します(ピアノ伴奏付きプログラムは各日とも2回目の上映が対象となります)。また、『スペードの女王』『人生には人生を』『セルギー神父』『ポリクーシカ』『ズヴェニーゴラ』は新たに日本語字幕を作成したプリントでの上映となります。
----------------------【ピアノ伴奏者紹介(50音順)】----------------------
神﨑えり(こうざき・えり)
国立音楽大学作曲学科を首席で卒業後渡仏、パリ国立高等音楽院ピアノ即興演奏科に日本人として初めて合格・卒業。作曲家として国内外の演奏家への作品提供多数。即興演奏家・ピアニストとして欧米諸国のイベントに出演。近年は即興演奏による映画伴奏に力を入れており、欧州の国際映画祭で招待演奏を行い、高い評価を得ている。2008年、イタリアで開催された無声映画伴奏国際コンクールで観客賞を受賞。
小林弘人(こばやし・ひろと)
東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。在学中より管弦楽、舞台音楽などの委嘱作曲・編曲を手がける。1998年東京国際室内楽作曲コンクール第3位、ピアニストとしても自作をはじめ、室内楽からジャズ、オペラまで幅広いジャンルの演奏活動を続ける。2004年東京国際映画祭に出演。フィルムセンターでは、「D・W・グリフィス選集」や「小津安二郎の藝術」などで即興演奏を披露。東京芸術大学、東京音楽大学、専属学園音楽大学講師。
柳下美恵(やなした・みえ)
無声映画伴奏者。1995年に朝日新聞社主催の映画生誕100年記念上映会でデビュー。国内の映画祭、上映会、大学の公開講座等の他、ボローニャ復元映画祭、ポルデノーネ無声映画祭、ボン無声映画祭、チュンムロ国際映画祭、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ連合)会議、韓国映像資料院など海外公演も多数。紀伊國屋レーベル『裁かるゝジャンヌ』『魔女』の音楽を担当。『裁かるゝジャンヌ』は今年イギリスのユリイカレーベルからブルーレイが発売予定。映画に集中できる伴奏をこころがけている。
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「NFCカレンダー」2012年9月号