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Screening 上映・企画情報
大ホール

映画監督五十年 吉田喜重

Kiju Yoshida Retrospective
2010.10.5-10.31

2010年10月5日(火)~10月31日(日)

開催要領

主催:東京国立近代美術館フィルムセンター
協力:現代映画社、横浜美術館

会場=大ホール
定員=310名(各回入替制)
料金=一般500円/高校・大学生・シニア300円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料
発券=2階受付
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。

★開映後の入場はできません。
★10月の休館日:月曜日

 吉田喜重監督の記念すべきデビュー作『ろくでなし』が公開されたのは、いまからちょうど50年前の1960年7月のことでした。一躍「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」の旗手として注目を集めた吉田は『秋津温泉』(1962年)、『嵐を呼ぶ十八人』(1963年)などの作品で企業映画の定型を破り、また1964年に『日本脱出』の一部がカットされたのを機に松竹を退社、「現代映画社」を中心とする独立プロに活動の場を移してからは、性と政治、日本の近代化がはらむ矛盾を鋭く追及する一方、まばゆいハイキー・トーンのモノクロ撮影や余白を残した構図、鏡や水、日傘などのモチーフで独自のスタイルを確立しながら、日本映画の前衛を牽引していくことになります。
 とりわけ時空間が交錯する実験的な話法を試みた『エロス+虐殺』(1970年)のフランス公開後は国際的な評価も高まり、さらに『戒厳令』(1973年)の発表後はテレビ・シリーズ「美の美」(1974-1977年)や『BIG1物語 王貞治』(1977年)などドキュメンタリーとの間を往還しながら、作家と映画表現の関係を問い続けてきました。そして、2003年には13年振りの劇映画となる『鏡の女たち』を発表。2008年にはパリのポンピドゥ・センターでも大規模な回顧上映が開かれるなど、その作品世界に新たな注目が集まっています。
 本企画では、劇映画全19作に、長・短篇の記録映画を加えた計43本(24プログラム)の上映を通して、映画監督・吉田喜重50年の足跡を回顧します。

1 ろくでなし(88分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
2 血は渇いてる(87分・35mm ・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
3 甘い夜の果て(85分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
4 秋津温泉(112分・35mm・カラー・シネマスコープ・モノラル)
5 嵐を呼ぶ十八人(109分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
6 日本脱出(93分・35mm・カラー・シネマスコープ・モノラル)
7 水で書かれた物語(120分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
8 女のみづうみ(102分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
9 情炎(97分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
10 炎と女(101分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
11 樹氷のよろめき(97分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
12 さらば夏の光(96分・35mm・カラー・シネマスコープ・モノラル)
13 エロス+虐殺(164分・35mm・モノクローム・シネマスコープ・モノラル)
14 煉獄エロイカ(118分・35mm・モノクローム・スタンダード・モノラル)
15 告白的女優論(124分・35mm・カラー・スタンダード・モノラル)
16 戒厳令(110分・35mm・モノクロ・スタンダード・モノラル)
17 「美の美」シリーズ①(計168分)
幻視の画家ボッシュ-I-  異端の北方ルネサンス
幻視の画家ボッシュ-Ⅱ-  地獄への下降
幻視の画家ボッシュ-Ⅲ-  千年王国への夢
ブリューゲル 画家が亡国を目撃するとき  集団への遠近法
ブリューゲル 画家が亡国を目撃するとき  美しい風景を犯すもの
画家 カラヴアッジオの犯罪  殺人の果ての写実性
画家 カラヴアッジオの犯罪  シチリア マルタ島への逃避行
18 「美の美」シリーズ②(計168分)
スペインの魔術師 ゴヤ-I-  不吉な宮廷画家の出現
スペインの魔術師 ゴヤ-Ⅱ-  近代の無秩序は彼とともに始まる
スペインの魔術師 ゴヤ-Ⅲ-  理性の眠りは怪物を生む
ドラクロワ ロマン主義の逆説  時代に遅れてきた青年
ドラクロワ ロマン主義の逆説  魂の貴族性について
聖なるスキャンダル画家 マネ  オランピアの露出感について
聖なるスキャンダル画家 マネ  一個の落日 ダンディズム
19 「美の美」シリーズ③(計144分)
セザンヌ その孤独なまなざし  青春よりはるか遠くにありて
セザンヌ その孤独なまなざし  南仏の一刻の夕立が
伝道者ヴァン・ゴッホ  画家は何故画家になるのか
故郷喪失者ヴァン・ゴッホ  画家は色とかたちに舞う
自虐の人ヴァン・ゴッホ  画家は耳を失う
ヴァン・ゴッホの自殺  画家はついに故郷に帰れず
20 BIG1物語 王貞治(86分・35mm・カラー・スタンダード・モノラル)
21 アンデス 美の巡礼(25分・16mm・カラー・スタンダード・モノラル)
狂言師 三宅藤九郎(32分・35mm・カラー・スタンダード・モノラル)
幕末に生きる 中岡慎太郎(57分・35mm・カラー・スタンダード・モノラル)
22 人間の約束(123分・35mm・カラー・ビスタサイズ・モノラル)
23 嵐が丘(132分・35mm・カラー・ビスタサイズ・ステレオ)
24 鏡の女たち(129分・35mm・カラー・ビスタサイズ・ステレオ)

入場無料(当日1回目の上映をご覧になった方は、そのままトーク・イベントに参加することができます。トーク・イベントのみの参加もできます)。

日程:10月9日(土)
時間:3:20pm-
ゲスト:吉田喜重監督

日程:10月16日(土)
時間:3:00pm-
ゲスト:蓮實重彦氏(映画評論家)

日程:10月23日(土)
時間:3:00pm-
ゲスト:青山真治氏(映画監督)

日程:10月30日(土)
時間:3:00pm-
ゲスト:岡田茉莉子氏(女優)

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The National Museum of Modern Art, Tokyo