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Screening 上映・企画情報
大ホール

映画監督 川島雄三

Yuzo Kawashima Retrospective
2007.6.12-7.22

2007年6月12日(火)~7月22日(日)

開催要領

定員=310名(各回入替制)
発券=2階受付
料金=一般500円/高校・大学生・シニア300円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)は無料
・観覧券は当日・当該回にのみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切となります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者の方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。

★開映後の入場はできません。
★6-7月の休館日:月曜日、7月23日(月)~26日(木)

 今年は、戦後の日本映画に類い稀な光彩を与えた名匠・川島雄三監督が、その畢生の代表作である『幕末太陽傳』(1957年)を発表して半世紀の節目となります。19年間という決して長くはない監督人生を駆け抜けた川島監督の映画は、ダンディズムあふれる監督自身の生き様とともに語り継がれ、今も多くのファンに愛されています。
 1918年、青森県の下北に生まれた川島監督は、映画青年として学生時代を過ごした後の1938年に松竹大船撮影所に入社、渋谷実監督らのもとで助監督経験を積みました。戦時下の1944年に『還って来た男』で監督昇進を果たすと、戦後はナンセンス・コメディをも含む一連の喜劇を発表します。日活に移籍してからはさらにその才能が開花、喜劇だけでなくメロドラマ、文芸映画、サスペンス映画などさまざまなジャンルに名作を残しました。喜劇では『愛のお荷物』(1955年)や『貸間あり』(1959年)のような軽快な風刺から『しとやかな獣』(1962年)のような辛辣なタッチに至るまで幅広い演出力を見せる一方、メロドラマにおいては『洲崎パラダイス 赤信号』(1956年)などを通じて人間存在のはかなさに迫りました。東京映画、大映などさまざまな撮影所からも招かれる人気監督として、『雁の寺』(1962年)や『青べか物語』(1962年)といった文学作品の映画化でも高い評価を得ましたが、さらなる活躍の期待されていた1963年、51本目の作品となる『イチかバチか』を遺して45歳の若さで急逝しました。あえて軽佻浮薄な戯作者を自称し、「サヨナラだけが人生だ」の墓碑銘を得たその作品群には、常に人生に対する諦念と、その中で生きることの哀歓が刻み込まれています。
 フィルムセンター初の川島監督特集となるこの企画では、新たに所蔵フィルムとなった、上映機会の少ない松竹時代の作品を加えて、同監督の特集としては史上最大となる計39作品が上映されます。いつまでも褪せることのない川島演出の輝きと質感をこの機会に是非ご確認ください。


■(監)=監督 (製)=製作 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (音)=音楽 (出)=出演
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。

1 還って来た男(68分・35mm・白黒)
2 シミキンのオオ!市民諸君(69分・35mm・白黒)
3 夢を召しませ(72分・35mm・白黒)
4 女優と名探偵(31分・35mm・白黒)
天使も夢を見る(84分・35mm・白黒)
5 適齢三人娘(85分・35mm・白黒)
6 とんかつ大将(94分・35mm・白黒)
7 こんな私じゃなかったに(88分・35mm・白黒)
8 学生社長(93分・35mm・白黒)
9 東京マダムと大阪夫人(96分・35mm・白黒)
10 お嬢さん社長(93分・35mm・白黒)
11 真実一路(139分・35mm・白黒)
12 昨日と明日の間(120分・35mm・白黒)
13 愛のお荷物(110分・35mm・白黒)
14 あした来る人(115分・35mm・白黒)
15 銀座二十四帖(117分・35mm・白黒)
16 風船(110分・35mm・白黒)
17 洲崎パラダイス 赤信号(81分・35mm・白黒)
18 わが町(98分・35mm・白黒)
19 飢える魂(79分・35mm・白黒)
20 續 飢える魂(97分・35mm・白黒)
21 幕末太陽傳(110分・35mm・白黒)
22 暖簾(123分・35mm・白黒)
23 グラマ島の誘惑(105分・35mm・カラー)
24 貸間あり(112分・35mm・白黒)
25 人も歩けば(99分・35mm・白黒)
26 接吻泥棒(83分・35mm・白黒)
27 夜の流れ(111分・35mm・カラー)
28 赤坂の姉妹より 夜の肌(103分・35mm・カラー)
29 縞の背広の親分衆(91分・35mm・カラー)
30 特急にっぽん(85分・35mm・白黒)
31 女は二度生まれる(99分・35mm・カラー)
32 花影(99分・35mm・カラー)
33 雁の寺(98分・35mm・パートカラー)
34 青べか物語(100分・35mm・カラー)
35 箱根山(105分・35mm・白黒)
36 しとやかな獣(96分・35mm・カラー)
37 喜劇 とんかつ一代(94分・35mm・カラー)
38 イチかバチか(102分・35mm・白黒)

6月27日(水)7:00pm 『還って来た男』上映終了後
ゲスト:上野昂志氏(映画評論家)

7月17日(火)7:00pm 『女は二度生まれる』上映終了後
ゲスト:斉藤綾子氏(明治学院大学教授)

※トークのみの入場はできません。

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The National Museum of Modern Art, Tokyo