www.momat.go.jp

大ホール上映作品

日本・キューバ外交関係樹立75周年記念

キューバ映画への旅
Voyage to Cuban Cinema

4月6日(火)- 4月25日(日)→上映スケジュール

協力=駐日キューバ大使館、キューバ国立映画芸術産業庁(ICAIC)、国際シネマ・ライブラリー

定員=310名(各回入替制)
発券=2階受付
料金=一般500円/高校・大学生・シニア300円/小・中学生100円
・観覧券は当日・当該回にのみ有効です。
・発券・開場は開映の45分前から行ない、定員に達し次第締切となります。
・開映後の入場はできません。

 カリブ海の島国キューバは、サルサ・ブームや記録映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』によって近年その魅力的な音楽がクロースアップされていますが、その一方で、1959年の革命以降数々の力作を送り出してきた《小さな映画大国》でもあります。

 革命後しばらくはイタリアのネオレアリズモの影響を受けますが、その後国立の映画芸術産業庁(ICAIC)を拠点に、トマス・グティエレス・アレア、ウンベルト・ソラスといった名監督が鮮烈な作品を送り出し、新ラテンアメリカ映画祭の開催でも知られる首都ハバナはラテンアメリカ映画の中心地の一つとしても知られてきました。かつてキューバを訪れた監督フランシス・フォード・コッポラも「キューバは小さな所だが、彼らには健全で、リアルで、野心的な映画がある」と語っています。

 この度フィルムセンターは、日本とキューバの外交関係樹立75周年を記念して、キューバ映画の名作を紹介する上映企画「キューバ映画への旅」を開催することとなりました。さまざまなテーマや表現で彩られる劇映画のほか、斬新な記録映画やユーモアに満ちた短篇アニメーション、日本との初の合作映画も上映されます。

 キューバ映画史を見渡す豪華なラインアップをお楽しみください。

■(監)=監督 (原)=原作 (脚)=脚本 (撮)=撮影 (音)=音楽 (美)=美術 (出)=出演 (解)=ナレーション

■本特集の上映作品は、プログラム12と13の一部、14を除いてすべて日本語字幕付プリントです。プログラム14は字幕を必要としない作品です。プログラム12と13の字幕なし作品については、会場で日本語のハンドアウトを配布します。

■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。

1 4/6(火)3:00pm 4/14(水)7:00pm 4/25(日)1:00pm
レボルシオン 革命の物語
(87分・35mm・白黒)
HISTORIAS DE LA REVOLUCIÓN
革命軍とバチスタ政府軍との戦闘を「負傷者」「反乱者たち」「サンタ・クララの戦い」の3つの挿話にまとめた硬質のセミ・ドキュメント作品で、新政権誕生後初めての長篇である。革命キューバ映画の最初の養分となったのは、イタリアのネオレアリズモ映画であった。かつてローマの映画実験センターで映画作りを学んだG・アレアたちは、撮影監督としてイタリアから『戦火のかなた』(1946年)の名手オテロ・マルテッリを招聘し(第1・2話を担当)、新しい映画体制の礎を築いた。
'60(ICAIC)(監)(脚)トマス・グティエレス・アレア(脚)ホセ・エルナンデス、ウンベルト・アレナル(撮)オテロ・マルテッリ、セルヒオ・ベハル(音)カルロス・ファリーニャス、アロルド・グラマトヘス、レオ・ブローウェル(出)エドゥアルド・モウレ、リリアン・ジェレーナ、フランシスコ・ラゴ、ミリアム・ゴメス、カリスト・マレーロ、ブラス・モラ、トマス・ロドリゲス、エンカルニト・ロハス、パスクアル・サモラ、レイナルド・ミラバジェス、カルメン・ベルナル、ヘッドゥ・マスコルレト
2 4/6(火)7:00pm 4/15(木)3:00pm 4/24(土)4:00pm
ルシア
(160分・35mm・白黒)
LUCÍA
スペインの植民地だった1895年、アメリカの支配が強まる1932年、そして革命の1960年代という3つの時代を生きた3人の“ルシア”の行動を通して、キューバ女性の愛と自立を謳いあげたオムニバス巨篇。3つの挿話のタッチはそれぞれ異なり、フランスのヌーヴェル・ヴァーグ、ブラジルのシネマ・ノーヴォなど世界の映画運動との同時代性を色濃く匂わせるが、何よりも26歳のソラス監督による、時に荒々しく時にロマンティックな演出が鮮烈である。また世界的ギタリストであるブローウェルの、変幻自在なスコア作りにも支えられている。
'68(ICAIC)(監)(脚)ウンベルト・ソラス(脚)フリオ・ガルシア・エスピノーサ、ネルソン・ロドリゲス(撮)ホルヘ・エレーラ(美)ペドロ・ガルシア・エスピノーサ(音)レオ・ブローウェル(出)ラケル・レブエルタ、エスリンダ・ヌニェス、アデーラ・レグラ、エドゥアルド・モウレ、ラモン・ブリト、アドルフォ・ジャウラード、イダリア・アンレウス、エルミニア・サンチェス、シルビア・プラナス、フローラ・ラウテン、マリア・エレナ・モリネット、テテ・ベルガラ、フラビオ・カルデリン
3 4/7(水)3:00pm 4/17(土)1:00pm
最後の晩餐
(115分・35mm・カラー)
LA ULTIMA CENA
18世紀末のこと。広大なサトウキビ園を経営する伯爵は、キリストの「最後の晩餐」を模して、そこで働く12人の奴隷を豪華な夕食に招待する。伯爵がとうとうと語る“神学”に、にわか“使徒”たちも一度は雇い主の人徳について考え始める。だが元の重労働に戻されてみれば、結局、反逆と弾圧の血なまぐさい全面戦争に突入するよりなかった…。史実をもとに、複雑な論理の衝突を巧みにさばいたG・アレア監督の手腕が光る一篇で、これが日本初上映となる。
'77(ICAIC)(監)(脚)トマス・グティエレス・アレア(脚)トマス・ゴンサレス、マリア・エウヘニア・アヤ(撮)マリオ・ガルシア・ホヤ(美)カルロス・アルディッティ(音)レオ・ブローウェル(出)ネルソン・ビジャグラ、シルバーノ・レイ、ルイス・アルベルト・ガルシア、ホセ・アントニオ・ロドリゲス、サムエル・クラクストン、マリオ・バルマセダ、イデルフォンソ・タマヨ、ミルタ・イバラ
4 4/7(水)7:00pm 4/16(金)3:00pm 4/24(土)1:00pm
天国の晩餐
(112分・35mm・カラー)LOS SOBREVIVIENTES
革命などすぐつぶれると信じてキューバに留まった、歴史あるオロスコ一族。闇物資を手にし、アメリカの侵攻事件にも大喜びの当主(E・サンティエステバン)だったが、革命政権は倒れない。裕福だった一家の生活は苦しくなり、召使やお抱えの農民も逃げ出してゆく。仕方なく自分たちで畑を耕し始めるが、その先に待っていた結末とは…。世の中から隔絶した豪邸を舞台に、ルイス・ブニュエル作品をも思わせるブラックな感覚が、物語の進展とともに満ちてくる。
'78(ICAIC)(監)(脚)トマス・グティエレス・アレア(脚)アントニオ・ベニテス・ロホ、コンスタンテ・ディエゴ、マリア・エウヘニア・アヤ(撮)マリオ・ガルシア・ホヤほか(美)ホセ・M・ビラ(音)レオ・ブローウェル(出)エンリケ・サンティエステバン、アナ・ビーニャ、レイナルド・ミラバジェス、フアニータ・カルデビージャ、へルマン・ピネリ、ビンセンテ・レブエルタ、レオノル・ボレロ、カルロス・デ・ラ・テヘラ、アナ・リリアン・レンテリア、カルロス・モクテスマ、アルマンド・ソレル
5 4/8(木)3:00pm 4/23(金)7:00pm
ダビドの花嫁
(99分・35mm・カラー)
UNA NOVIA PARA DAVID
1967年、ハバナにある全寮制の高校に転入したダビド(J・L・アルバレス)。級友たちは、彼が一目惚れしたクラスで評判の美人オルガ(E・マッソーラ)を、ダビドとくっつけようとからかい半分で画策する。ひとりの少年が友人たちとの出会いを通して恋愛や性に目覚めてゆく様を1960年代のヒット曲に乗せて描いたみずみずしい学園ドラマで、ウンベルト・ソラスなどの助監督だったオルランド・ロハス監督による初の長篇劇映画である。
'85(ICAIC)(監)オルランド・ロハス(脚)セネル・パス(撮)リビオ・デルガード(美)デルビン・ハコメ(音)パブロ・ミラネス(出)ホルへ・ルイス・アルバレス、マリア・イサベル・ディアス・ラゴ、フランシスコ・ガットルノ、エディット・マッソーラ、タイス・バルデス、セサール・エボラ、リンダ・ミラバル、ローランド・タラハーノ、フアン・ファルコン
6 4/8(木)7:00pm 4/17(土)4:00pm 4/20(火)3:00pm
フルカウント
(96分・35mm・カラー)EN TRES Y DOS
優勝決定戦が華やかに行われているハバナの野球場。球界の花形として活躍しながら、引退を目前に控えたスター選手ロペス(S・クラクストン)が最後の試合に臨む。人生最後の打席、2ストライク3ボールに続く一球の行方を、家族や仲間たちも見守っていた。世界に名だたるキューバの野球界を背景に、ひとりの黒人選手の人生模様を暖かく綴った野球映画。キューバ初のボクシング世界王者となったキッド・チョコレートなど、新旧の著名スポーツ選手もゲスト出演している。
'85(ICAIC)(監)(脚)ローランド・ディアス(脚)エリセオ・アルベルト・ディエゴ(撮)ギジェルモ・センテノ(美)ルイス・ラコスタ(音)ホセ・マリア・ビティエル(出)サムエル・クラクストン、イレーラ・ブラーボ、マリオ・バルマセダ、アレハンドロ・ルゴ、エルビラ・セルベラ、ルイス・アルベルト・ガルシア、アロルド・ドミニケ、ボビー・サラマンカ、エンリケ・モリナ、オルランド・カシン、ペドロ・カルボ、フランク・ゴンザレス、アルベルト・モリナ
7 4/9(金)3:00pm 4/18(日)1:00pm
成功した男
(109分・35mm・カラー)
UN HOMBRE DE ÉXITO
1930年代から革命の時代まで、次々と移り変わる権力者に取り入ってしたたかに生き抜いたプレイボーイ(C・エボラ)の生き様を痛烈に皮肉った現代史ドラマ。イタリアの現代音楽作曲家ルイジ・ノーノが参加しているが、その他に、革命前のキューバ音楽はもちろん、マンボやプレスリーのナンバーまでふんだんに取り入れた音楽構成も見所である。ソラス監督の円熟を示す作品で、1986年の新ラテンアメリカ映画祭のグランプリなどに輝いた。
'86(ICAIC)(監)(脚)ウンベルト・ソラス(脚)フアン・イグレシアス(撮)リビオ・デルガード(美)デルビン・ハコメ(音)ルイジ・ノーノ(出)セサール・エボラ、デイジー・グラナドス、ルベンス・デ・ファルコ、ホルヘ・トリンチェト、マベル・ロチェ、ラケル・レブエルタ、カルロス・クルス、ミゲル・ナバロ、オマル・バルデス、ホルヘ・アリ、マックス・アルバレス、ノラ・モンテス、オルランド・コントレラス
8 4/9(金)7:00pm 4/21(水)3:00pm
危険に生きて
(92分・35mm・カラー)
CLANDESTINOS
革命闘争がもっとも激しかった1958年、地下活動の中で投獄された青年活動家(L・A・ガルシア)と、彼のもとを訪れた娘(I・サントス)は互いに惹かれ合ってゆく。当時実際に行われた革命派の宣伝手法を脚本に活かしつつ、街頭での戦闘シーンをも盛り込んだ青春映画の力作。ニュース映画の経験もあるフェルナンド・ペレス監督が初めて完成させた長篇劇映画で、タシケント国際映画祭では新人監督賞を受賞している。
'87(ICAIC)(監)(原)フェルナンド・ペレス(脚)ヘスス・ディアス(撮)アドリアーノ・モレノ(音)エデシオ・アレハンドロ(出)ルイス・アルベルト・ガルシア、イサベル・サントス、スサーナ・ペレス、レネ・ロサーダ、アマド・デル・ピノ、ミゲル・グティエレス、ミゲル・ナバロ
9 4/10(土)1:00pm 4/16(金)7:00pm
公園からの手紙
(90分・35mm・カラー)
CARTAS DEL PARQUE
1913年、中部の町マタンサス。空を飛びたいという夢を持つ青年フアン(M・パネーケ)は、自分の姿を見守るマリア(I・ロペス)と恋におちる。二人は互いへのラブレターを代筆屋ペドロ(V・ラプラーセ)に頼むが、ペドロはいつしか代筆の仕事を越えて、自分自身のマリアへの恋心を手紙にしたためるようになる。文豪ガルシア・マルケスの原作を元に、奇妙な三角関係をロマンティックに綴ったスペインとの合作で、天才ジャズ・ピアニストのゴンサロ・ルバルカバが音楽に携わった。
'88(ICAIC=テレビジョン・エスパニョーラ)(監)(脚)トマス・グティエレス・アレア(原)(脚)ガブリエル・ガルシア・マルケス(脚)エリセオ・アルベルト(撮)マリオ・ガルシア・ホヤ(美)フェルナンド・ペレス・オレリ(音)ゴンサロ・ルバルカバ(出)ビクトル・ラプラーセ、イボンネ・ロペス、ミゲル・パネーケ、ミルタ・イバラ、アドルフォ・ジャウラード、エリオ・メサ、パウラ・アウ、アメリタ・ピタ、ダゴベルト・ガインサ、ラウル・エグレン、ホルヘ・アリ
10 4/10(土)4:00pm 4/21(水)7:00pm
ハロー ヘミングウェイ
(90分・35mm・カラー)
HELLO HEMINGWAY
21年間をキューバに過ごし、「老人と海」などの傑作を送り出した文豪アーネスト・ヘミングウェイ。1956年、その隣家に住んでいた貧しい女学生のラリータ(L・デ・ラ・ウス)は、“有名な隣人”に託してアメリカ留学の夢を実現させようとする。革命前のハバナを舞台に描かれるほろ苦い青春物語で、脚本はヘミングウェイの世界に傾倒していたペレス監督夫人のM・ロジェロが執筆した。
'90(ICAIC)(監)フェルナンド・ペレス(脚)マイダ・ロジェロ(撮)フリオ・バルデス(美)オネリオ・ララルデ(音)エディシオ・アレハンドロ(出)ラウラ・デ・ラ・ウス、ラウル・パス、エルミニア・サンチェス、ホセ・アントニオ・ロドリゲス、モデスト・アラニス・フォン・デア・メーデン、マリア・イサベル・ディアス、エンリケ・モリーナ、マルタ・デル・リオ
11 4/11(日)1:00pm 4/22(木)7:00pm
苺とチョコレート
(110分・35mm・カラー)
FRESA Y CHOCOLATE
アートの世界に生きる反体制的でゲイのディエゴ(J・ペルゴリア)と、政治を専攻する堅物のダビド(V・クルス)。信条も性格もまるで違う二人だったが、互いの心根を知るにつれ徐々に信頼の糸で結ばれてゆく。だが周囲の連中に危険人物とみなされたディエゴは、キューバを去ろうと心に決める…。ベルリン国際映画祭の銀熊賞にも輝き、巨匠G・アレアの健在を示した爽やかな秀作で、本作で注目されたV・クルスは、後に日本公開作『ビバ!ビバ!キューバ!』(2000年)の主演の座も射止めている。
'93(ICAIC=IMCINE=タバスコ・フィルム=テレ・マドリッド=SGAE)(監)トマス・グティエレス・アレア(共同監督)フアン・カルロス・タビオ(原)(脚)セネル・パス(撮)マリオ・ガルシア・ホヤ(美)フェルナンド・オレリ(音)ホセ・マリア・ビティエル(出)ホルヘ・ペルゴリア、ヴラディミール・クルス、ミルタ・イバラ、フランシスコ・ガットルノ、ジョエル・アンヘリーノ、マリリン・ソラヤ、アンドレス・コルティナ、アントニオ・カルモナ、リカルド・アビラ、マリア・エレナ・デル・トロ、ゾランダ・オニャ、ディアナ・イリス・デル・プエルト
12 4/11(日)4:00pm 4/15(木)7:00pm 4/23(金)3:00pm
短篇集[1]:サンチアゴ・アルバレス選集(計73分)
「写真を2枚と編集機(ムビオラ)、そしてちょっと音楽をくれ。君に映画を作ってやろう」と豪語した“編集の天才”、サンチアゴ・アルバレス。革命のニュース映画をはじめ、これまでに数百本の短篇をまとめ、キューバ記録映画の基礎を築いた異色のドキュメンタリストである。ベトナムへの連帯を示した彼の作品を通じてその“緊急映画(シネ・ウルヘンテ)”の思想を紹介する。
ハノイ13日火曜日
(38分・16mm・パートカラー)
HANOI, MARTES 13
1966年12月、アメリカの猛烈な北爆にさらされたベトナムの映像を、アルバレスがコラージュ的な手法で完成させた作品。民衆はいつものように稲作や漁に励み、そして自衛のために立ち上がるが、それをアルバレスは戦局報道を超えた挑発的な編集でまとめている。プリントのカラー部分はすでに大きく褪色している。
'67(ICAIC)(監)サンチアゴ・アルバレス(撮)イバン・ナポレスほか
79歳の春
(25分・35mm・カラー・日本語字幕なし)
79 PRIMAVERAS
1969年に79歳の生涯を終えたベトナムの指導者、ホー・チ・ミンのありし日の姿を描き出した伝記ドキュメンタリー。アルバレス流のつなぎの美学はここでも発揮され、ライプチヒ国際短篇映画祭でグランプリを受賞した。
'69(ICAIC)(監)サンチアゴ・アルバレス(撮)イバン・ナポレス
13 4/13(火)3:00pm 4/18(日)4:00pm
短篇集[2](計64分)

エル・メガノ
(25分・35mm・白黒)
EL MÉGANO

エル・メガノの沼地で木炭を採取する労働者の悲惨な日常生活を捉え、バチスタ政権から上映を禁止されたセミ・ドキュメント。ブニュエル『糧なき土地』やイヴェンス『ボリナージュの悲惨』の系譜にも連なる、革命キューバ映画の二人の建設者による共同作品。
'55(監)(脚)フリオ・ガルシア・エスピノーサ、トマス・グティエレス・アレア(脚)アルフレード・ゲバラ、ホセ・マシップ
われらの土地
(19分・35mm・白黒)
ESTA TIERRA NUESTRA
土地のなかった農民が初めて耕地を受け取り、新しい農村の建設に向かう様を捉える。革命の後最初に作られた記録映画で、G・アレアやG・エスピノーサらは本作の完成と並行して映画芸術産業庁(ICAIC)の設立に携わった。
'59(軍映画局)(監)トマス・グティエレス・アレア(脚)フリオ・ガルシア・エスピノーサ(撮)ホルヘ・エレーラ(音)フアン・ブランコ(解)フランシスコ・フォルカデ
侵略者に死を
(10分・35mm・白黒・日本語字幕なし)
MUERTE AL INVASOR
1961年4月、アメリカCIA傭兵のキューバ侵攻を撃退した際、キューバ政権側がその態度を明らかにした作品。墜ちた飛行機や捕虜などが撮影されており、自国の勝利を確認するカストロ首相の姿も見られる。
'61(ICAIC)(監)サンチアゴ・アルバレス、トマス・グティエレス・アレア
はじめて映画を見た日
(10分・35mm・白黒)
POR PRIMERA VEZ
シエラ・マエストラ地方の小さな山村を訪問した巡回映写班の活動を追ったドキュメンタリー。テレビ出身で、革命後にチェコスロヴァキアで演出を学んだコルタサルの帰国第1回作品。チャップリン映画に見入る人々の表情が印象的である。
'67(ICAIC)(監)(脚)オクタビオ・コルタサル(撮)ホセ・ロペス(音)ラウル・ゴメス
14 4/13(火)7:00pm 4/22(木)3:00pm
キューバ・アニメーション傑作集
(計85分)

「キノスコピオ」シリーズ
(29分・35mm・カラー)
QUINOSCOPIO

アルゼンチンの人気漫画家キーノの作品を基にしたコミカルなショート・ショート集。キューバ初の長篇アニメ『エルピディオ・バルデス』(1979年)を演出した、漫画家にしてキューバ・アニメ界の第一人者パドロン監督が、キーノと意気投合して実現した。
'85~(ICAIC)(監)フアン・パドロン(脚)ホアキン・ラバド(キーノ)(動画)マリオ・ガルシア・モンテス(音)ダニエル・ロングレス
「フィルミヌート」シリーズ
(56分・35mm・カラー)
FILMINUTO
「キノスコピオ」シリーズに先立つミニ・ジョーク集で、政治風刺から男女関係のもつれまで大人向けのギャグを連発する。ややラテン的な吸血鬼やサムライも度々登場して、品のある笑いを提供している。後に長篇『ハバナの吸血鬼』(1985年)も作ったパドロンにとって、吸血鬼はお気に入りのキャラクターだという。
'80~(ICAIC)(監)(脚)マリオ・リバス、トゥリオ・ラッジ、フアン・パドロン(撮)アルフレード・ロドリゲスほか(動画)ホセ・レイジェス、ノエル・リマ(音)ダニエル・ロングレス
15 4/14(水)3:00pm 4/20(火)7:00pm 4/25(日)4:00pm
キューバの恋人
(100分・35mm・白黒)
日本映画初のキューバとの合作で、ハバナに寄港した日本の軟派な漁船員(津川雅彦)とゲリラとして祖国から旅立とうとする女性革命兵士(J・プラセンシア)のラブ・ストーリー。『とべない沈黙』を評価したキューバ映画界は監督に黒木和雄を指名、土本典昭らのプロデュースを得て自主製作映画として完成した。ハバナから東部のサンチアゴ・デ・クーバに至るロード・ムービーとして、革命から10年を経て依然熱気あふれる新キューバのドキュメントにもなっている。キューバ公開時の題は’MÁS CERCA DE TI’(もっと君の近くに)。
'69(黒木プロ=ICAIC)(監)(脚)黒木和雄(脚)阿部博久、加藤一郎(撮)鈴木達夫(音)松村禎三(出)津川雅彦、ジュリー・プラセンシア、グロリア・リー、アルマンド・ウルバッチ、フランシスコ・カスティセーノ、ニコラス・ギリエン、ジャン・クロド、フィデル・カストロ首相