2002年日韓国民交流年記念事業 「韓国映画――栄光の1960年代」特別企画

扈賢贊(ホ・ヒョンチャン)講演会
「1960年代、韓国映画の風景」

フィルムセンターでは、扈賢贊(ホ・ヒョンチャン)氏をお招きし、講演会「1960年代、韓国映画の風景」を開催いたします。
扈氏は、1960年代に映画プロデューサーとして、金洙容(キム・スヨン)監督の「浜辺の村」(1965年)のほか、数々の秀作を製作して名声を得、さまざまな要職を歴任の後、1990年代には韓国映像資料院第2代理事長に就任、映画遺産の保存にも大きく貢献されてきた韓国映画界の重鎮です。
質的にも量的にも驚異的な伸長をみせた韓国映画の1960年代は、自国映画史上、“黄金時代”とも呼ばれてきましたが、近年までその実相が日本や世界に伝えられることはほとんどありませんでした。28本の知られざる韓国映画が連続上映される画期的な特集「韓国映画――栄光の1960年代」の開催を記念して行なわれるこの講演会では、そうした偉大な10年間に映画プロデューサーとして第一線で活躍された扈氏に、往事の“栄光の真実”を語っていただきます――監督やスタッフたちはどんな映画を作ろうとしていたのか、スターたちはいかに輝いていたのか、観客はどのように映画を見ていたのか――現場に携わった映画人だけに可能な、豊かで濃密な体験談を聞くことができるでしょう。
当日から2か月にわたって始まる上映会ともども、多くの皆様のご来場をお待ち申し上げます。

日時:2002年11月6日(水)午後7時〜8時
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター・大ホール(2階)
* 入場は無料です。
* 6時15分に開場します。
* 日本語による講演です。

【扈賢贊(ホ・ヒョンチャン)氏略歴】

1926年9月20日大田生まれ。弘益(ホンイク)大学校文学部卒。ソウル新聞で記者となり、東亞日報での文化部次長を経て独立、韓国文化プロモーションを設立した。1960年代には、映画プロデューサーとして活躍、兪賢穆(ユ・ヒョンモク)監督の「惜しみなく捧げる」(1962年)、金洙容(キム・スヨン)監督の「翼夫人」(1965年)、「浜辺の村」(1965年)、「射撃場の子供たち」(1967年)、李晩煕(イ・マニ)監督の「晩秋」(1966年)など、芸術的にも高く評価される劇映画を企画・製作した。また、テレビ放映用記録映画シリーズ「韓国の美」も制作した。1991年、韓国映像資料院の第2代理事長(2002年夏以降、同職の漢語名称は院長)に就任、1993年まで務めた。1995年から96年までは韓国映画振興公社社長、さらにソウル・テレコム代表取締役社長なども歴任した。また、1986年に映画評論家協会会長(第5代、任期1年)を務めたほか、芸術評論家協議会副会長、大鐘賞・青龍賞・百想芸術大賞の審査委員長、韓国放送大賞審査委員長、公演倫理委員会委員長等多くの重職に就いた。1950年代から映画評論やコラムなどを多数執筆し、著書に「韓国映画100年」(2000年、文学思想社)があり、また、書き下ろし「わがシネマの旅 韓国映画を振りかえる」(根本理恵・訳、2001年、凱風社)は日本で刊行された。韓国映画振興公社社長を最後に公職を退き、現在はフリーの立場で映画評論等を執筆している。1999年には、大韓民国文化勲章(銀冠賞)を受賞。