「映画関連資料デジタル化の手引」について

“映画”にまつわる資料は、映画産業としての企画・製作・流通等の過程で生み出される資料や、個の映画人の生涯にわたるコレクション資料などをはじめとし、平面・立体などの形態の違いや印刷物・手書原稿・原画など様々な特性をもつといえます。近年、情報技術の発達とともに、これら資料の有効活用のためデジタル化の需要が高まっているものの、デジタル化に伴う技術事項や作業行程の効率化についての知識は、広く一般化していない状況であるといえます。

 

BDCプロジェクトでは、フィルムセンター所蔵のスチル写真、ポスター、脚本、プレス資料、制作資料、その他立体資料など、様々な種別の映画関連資料[※1]を題材にデジタル化を行ってきました。

この度、これらのデジタル化の作業を通じ得られたデジタル化の仕様や、技術の標準化に係る情報を取り纏め、「東京国立近代美術館フィルムセンター映画関連資料デジタル化の手引」(以下、手引書[※2])の作成を行いました。 続きを読む


BDC技術セミナー その4「映画関連資料のデジタル化に関するセミナー」について

今回は、技術セミナーに関する話題の第4回、セミナーのタイトルは「映画関連資料[※1]のデジタル化に関するセミナー」です。

 

前回の記事も併せてご参照下さい)

“映画”にまつわる資料は、映画産業としての企画・製作・流通等の過程で生み出される資料や、個の映画人の生涯にわたるコレクション資料などをはじめとし、平面・立体などの形態の違いや印刷物・手書原稿・原画など様々な特性をもつといえます。近年、情報技術の発達とともに、これら資料の有効活用のためデジタル化の需要が高まっているものの、デジタル化に伴う技術事項や作業行程の効率化についての知識は、広く一般化していない状況です。

本セミナーでは、多様な映画関連資料について、国内の映画(演劇やアニメーションなどを含む)関連資料を扱う組織の事例紹介をはじめとし、デジタル化の目的や資料特性などに応じた技術事項や作業行程の解説などを通じ、資料デジタル化全般について学ぶための機会を設けました。

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大藤信郎コレクションのデジタル化資料を活用した調査研究事例紹介 その2(調査結果報告)

平成28年度BDCプロジェクトでの資料デジタル化調査研究(映画関連資料の原資料からのデジタル化作業)では、フィルムセンター所蔵の大藤信郎コレクションの資料デジタル化を行いました。

デジタル化された資料の一部は、ウェブサイト「日本アニメーション映画クラシックス」の大藤信郎記念館のページにおいて公開されており、手書き台本、造形作品や切り紙キャラクターなど、約140点の資料がご覧いただけます。

 

BDCプロジェクトでは、アニメーション史研究者である臼井直也氏に協力を依頼し、デジタル化された大藤信郎コレクションの新たな活用方法について検証を行いました。

本記事は、前回の中間報告からの調査報告結果を紹介するものとなります。

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映画アーカイブにおける長期保存システムの調査研究

東京国立近代美術館フィルムセンター(以下「フィルムセンター」)では、近年、映画フィルムのデジタル化やデジタル修復等の研究事業をすすめています。

平成28年度、BDCプロジェクトではそれらの作業行程で生成される各種デジタルデータの長期保存のための調査研究を、株式会社エヌ・ティ・ティ・データに委託研究という形で実施しました。

 

本ブログでは、調査研究の内容を概観するとともに、調査研究にて作成された報告書の本編を紹介したいと思います。 続きを読む