デジタル映画の保存・活用に係る法制度等に関する調査

 

EuropeanaやDPLA、Troveなど、オンラインの世界には、新たな知的インフラとしての大規模な文化遺産情報ポータルサイトが次々に現れ、さまざまな文化資源に関する情報へのアクセスが飛躍的に向上しました。この背景にはもちろん、ICTの発展やデジタル化による文化遺産のさらなる資源化に対する国家的あるいは戦略的な支援があり、また著作権法等の改正など法整備も不可欠であったと言えます。

国内でもデジタルアーカイブという言葉が定着してきたように、図書館や資料館等、さまざまな文化機関で所蔵資料のデジタル化が進められ、オンラインアクセス可能な文化財も増えつつあります。一方、映画を保存するアーカイブ機関にも同様の期待は寄せられますが、これを実現するためにはまず、映画作品をめぐる複雑な著作権等の権利を適切な形で処理する必要があり、それにはいまだ多くの課題が伴います。

 

BDCプロジェクトでは、昨年度、関連する法制度の現状をきちんと把握し、今後の活動の基礎となる法的知識を広く共有するため、五常法律会計事務所への委託により「映画の孤児著作物のデジタル利用に関する法制度」についての調査を実施しました。

 

調査報告は、現在日本の法環境において、アーカイブ等が保存する映画や孤児作品(著作権者等権利者不明の作品)について、これらを適法にデジタル利用するためにはどのような方法が考えられるのか、現状の法制度の可能性と限界を軸に、法律家の視点から考察を加えつつ、解説しています。また、オランダ及びイギリスのフィルムアーカイブ実務と法制度に関する事例も紹介しています。

 

詳しくは下記の報告書をご覧ください。


「映画の孤児著作物のデジタル利用に関する法制度」報告書

(KM)