過去の上映

  • 2018.4.24 - 9.2
  • 上映企画

国立映画アーカイブ開館記念 映画にみる明治の日本

Inaugurating NFAJ: Meiji Period in Films

会期 第1期:2018年4月24日(火)-5月13日(日)
   第2期:2018年8月14日(火)-9月2日(日)
4-5月の休館日:月曜日、4月1日(日)-4月9日(月)
8月の休館日:月曜日、8月6日(月)-13日(月)

会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU(2階)
定員:310名(各回入替制・全席自由席)

当日券についてはこちらをご覧ください。

前売券についてはこちらをご覧ください

概要

NFAJプログラム No.2
PDF版でもご覧いただけます↑

 海を越えて人や文物が流れ込み、政治・法体制や経済の仕組みが近代化され、新しい思想や表現が誕生した明治時代(1868-1912)。映画もまた、この時期に日本に渡来して社会に根付き、20世紀を代表する芸術として開花していきます。
 明治維新150年にあたる本年、国立映画アーカイブでは、所蔵フィルムの中から「明治」に関わる作品、そしてこれまで上映に活用される機会の少なかった作品を選び出し、映画が「明治」をどのように描いてきたかを振り返ります。全体は大きく3つのセクションから構成されています。明治期に実際に撮影された草創期の作品を集めた「明治期製作の映画」、明治を描いた記録映画作品を集めた「明治を描く《記録映画篇》」、そして明治を描いた劇映画作品を集めた「明治を描く《劇映画篇》」です。明治期の人々や社会を記録した貴重な映像から、坂本龍馬、女性解放運動の先駆者・福田英子、明治天皇、製糸工場で働く少女たち、高橋お伝などを描いた作品、また、鞍馬天狗や川島浪子、貫一とお宮、富島松五郎、美登利、お蔦と早瀬主悦など、小説の主人公たちが活き活きと動く姿を、ぜひご覧ください。会期は4-5月と8-9月の2期に分かれ、計36番組(56作品)を上映します。皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。

※9月2日(日)の開館時間が9:45amに変更となりました(7月14日追記)。

■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術・設計・舞台装置 (音)=音楽 (出)=出演 (解)=解説・ナレーション
■スタッフ、キャストの人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。

第1期:4月24日(火)-5月13日(日) 1.明治期製作の映画 (計73分) 明治を描く《記録映画篇》 2.明治天皇 御大葬餘影 他 (計67分) 3.議會の話[無声版] (計107分) 4.疏水 流れに沿って― (計64分) 明治を描く《劇映画篇1》 5.鞍馬天狗 鉞組暗躍篇 (1分・1934・嵐寛寿郎プロダクション・監:曽根千晴)
鞍馬天狗 (72分・1928・嵐寛寿郎プロダクション・監:山口哲平)
6.坂本龍馬 (21分・1928・阪東妻三郎プロダクション・監:枝正義郎)
海援隊快擧 (61分・1933・朝日映画連盟・監・脚:志波西果)
7.エノケンの近藤勇 (80分・1935・P.C.L.・監:山本嘉次郎) 8.杉野兵曹長の妻 (23分・1940・大都・監:山内俊英)
世紀の合唱 愛國行進曲 (76分・1938・東宝東京・監:伏水修)
9.鞍馬天狗 薩摩の密使 (76分・1941・日活京都・監:菅沼完二) 10.江戸最後の日 (97分・1941・日活京都・監・脚:稲垣浩) 11.維新の曲 (113分・1942・大映京都・監:牛原虚彦) 12.鞍馬天狗 黄金地獄 (90分・1942・大映京都・監・脚:伊藤大輔) 13.秘話ノルマントン號事件 假面の舞踏 (95分・1943・松竹大船・監:佐々木啓祐) 14.我が戀は燃えぬ (84分・1949・松竹京都・監:溝口健二) 15.明治天皇と日露大戦争 (113分・1957・新東宝・監・原:渡邊邦男) 16.明治大帝御一代記 (187分・1964・大蔵映画・監・原:大蔵貢) 17.あゝ野麦峠 (153分・1979・新日本映画・監:山本薩夫) 18.武士の家計簿 (129分・2010・「武士の家計簿」製作委員会・監:森田芳光) 第2期:8月14日(火)-9月2日(日)
明治を描く《劇映画篇2》
19.ほとヽぎす (19分・1922・松竹蒲田・監・脚:池田義信)
不如帰より 浪子 (54分・1932・オリエンタル映画社・監:田中栄三)
20.金色夜叉[赤澤大助版] (45分・1934・赤澤キネマ・監:赤澤大助)
金色夜叉[清水宏版] (77分・1937・松竹大船・監:清水宏)
21.路傍の石 (130分・1938・日活多摩川・監:田坂具隆) 22.無法松の一生[再公開版] (79分・1943・大映京都・監:稲垣浩) 23.破戒 (99分・1948・松竹京都・監:木下惠介) 24.坊っちゃん (111分・1953・東京映画・監:丸山誠治) 25.たけくらべ (95分・1955・新東宝・監:五所平之助) 26.無法一代 (101分・1957・日活・監:滝沢英輔) 27.女の肌 (75分・1957・大映東京・監:島耕二) 28.毒婦高橋お伝 (74分・1958・新東宝・監:中川信夫) 29.荷車の歌 (144分・1959・全国農村映画協会・監:山本薩夫) 30.婦系図より 湯島に散る花 (90分・1959・新東宝・監:土居通芳) 31.糸あやつり 人形劇映画 明治はるあき (73分・1968・博物館明治村・監:五所平之助) 32.鬼の詩 (93分・1975・鐵プロダクション=ATG・監・脚:村野鐵太郎) 33.姿三四郎 (143分・1977・東宝・監・脚:岡本喜八) 34.野菊の墓 (91分・1981・東映東京=サンミュージック・監:澤井信一郎) 35.遠野物語 (116分・1982・鐵プロダクション=IBC岩手放送=俳優座映画放送=麻布企画・監:村野鐵太郎) 36.上方苦界草紙 (102分・1991・プロダクションゆりーか=鐵プロダクション・監:村野鐵太郎)

上映作品詳細

第1期:4月24日(火)-5月13日(日)


1明治期製作の映画(計73分)

  • 2018年5月2日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月12日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU

『明治の日本』は日本で撮影された最古の動く映像で、リュミエール社のコンスタン・ジレル、ガブリエル・ヴェールによって撮影されたものだが、一部に日本人カメラマンの草分け・柴田常吉が撮影した映像が含まれているという説もある。現存する最古の日本映画である『紅葉狩』は、九代目市川団十郎と五代目尾上菊五郎の舞踊を記録した作品で、日活から寄贈された可燃性デュープネガが、2009年に映画フィルムとして初めて国の重要文化財に指定された。ライオン株式会社創業者の葬列の様子を記録した『小林富次郎葬儀』もまた、フィルムが重要文化財に指定(2011年)された作品。今回、新たにデジタル復元版を作製した。『第一篇 日露戰役 追懷ノ巻』は日露戦争の実写フッテージを後年再編集したもの。新橋での日本軍凱旋画面では、当時新橋にあった吉澤商店の建物も確認できる。『明治四十五年四月四日 藤田男爵 葬式の實况』は、明治期の関西財界の巨頭・藤田伝三郎(1841-1912)の葬儀を記録した映画。にぎやかな葬列の様子が、民間人として初めて男爵位を与えられた藤田の多方面にわたる功績を偲ばせる。

明治の日本(24分・16mm・16fps・無声・白黒)

1897-1899(リュミエール社)(撮)コンスタン・ジレル、ガブリエル・ヴェール

紅葉狩[デジタル復元版](6分・35mm・16fps・無声・白黒)

1899(撮)柴田常吉(出)九代目市川團十郎、五代目尾上菊五郎、二代目尾上丑之助

明治二十八年の両國大相撲(11分・35mm・16fps・無声・白黒)

1900(撮)土屋常二(出)逆鉾、海山、太刀山、駒ヶ嶽、錦山、緑島、大嵜、小綠、大砲、小錦、稲川、國見山、朝汐、梅ヶ谷、荒岩、常陸山

第一篇 日露戰役 追懷ノ巻(22分・35mm・16fps・無声・白黒)

1933(満洲教育映画協会)

小林富次郎葬儀[デジタル復元版](7分・35mm・16fps・無声・白黒)

1910(吉沢商店)

明治四十五年四月四日 藤田男爵 葬式の實况[デジタル復元版](3分・35mm・16fps・無声・染色)

1912(福宝堂)


明治を描く《記録映画篇》


2明治天皇 御大葬餘影 他(計67分)

  • 2018年5月2日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月13日4:30 PM@長瀬記念ホール OZU

明治天皇の御大葬と乃木将軍の葬儀を受けて撮られた『明治天皇 御大葬餘影』と『嗚呼乃木將軍』は、文字通り「明治」の終わりを記録した貴重な映像である。一般社団法人京都映画芸術文化研究所所蔵の17.5mmフィルムから今回ブローアップした。『三月十日』は、3月10日の陸軍記念日に際して日露戦争を回顧した記録映画。『郵便物語 遞信シリーズ・第一扁』は、明治期以降整備された近代郵便制度におけるさまざまな郵便物をわかりやすく解説した文化映画である。

明治天皇 御大葬餘影(2分・35mm・16fps12fps・無声・白黒)

1912頃

嗚呼乃木將軍(3分4分・35mm・16fps12fps・無声・白黒)

1912頃

三月十日(30分・35mm・白黒)

1933(陸軍新聞班=朝日新聞社)(監)鈴木重吉(音)辻順治

郵便物語 遞信シリーズ・第一扁(32分・35mm・22fps・無声・白黒)

1936(藝術映画社)(監)南不競(撮)中山良夫


3議會の話[無声版](計107分)

  • 2018年5月3日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月11日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

『交通.通信機関の今昔』は、蒸気機関車・地下鉄や飛行船などの乗り物、電話機、航空郵便、ラジオ等通信手段の発達を紹介する。帝国議会議事堂が竣工した1936年に製作された『議會の話』は、議会の成り立ちと仕組みを解説する文部省映画。「日本歴史教材映画大系」は小中学生向けに製作された教材映画。『おおさか・橋・ひと』は水都・大阪に架かるさまざまな橋の由来を説明する。

交通.通信機関の今昔(29分・16mm・18fps・無声・白黒)

1932(大尚シネマ商會)(原)林龍(脚)大島能於(撮)荒川勝彌

議會の話[無声版](18分・16mm・24fps・無声・白黒)

1936(文部省)(撮)冩眞化学研究所

日本歴史教材映画大系 ―明治のはじめ― 文明開化(13分・16mm・白黒)

1965(記録映画社=教育映画配給社)(監)上野耕三(脚)真鍋元之(撮)金山富男

日本歴史教材映画大系-14 近代産業の発達(13分・16mm・白黒)

1968(記録映画社=教育映画配給社)(監)上野耕三(脚)真鍋元之(撮)古川直木

おおさか・橋・ひと(34分・16mm・カラー)

1991(トーヨー・アド=岩波映画)(監)神馬亥佐雄


4疏水 流れに沿って―(計64分)

  • 2018年5月3日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月9日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU

『美をもとめてNo. 355 19世紀の浪漫衣裳』は、TBS系列で日曜朝に放映されていたTVシリーズからの一篇。西欧の衣裳の変遷をたどると共に、日本の洋装事始となった鹿鳴館文化への影響を説明する。『明治の絵画』は、明治初期に西洋の写実技法を採り入れたことから、数々の日本画の名作が生まれた過程を解説する。「日本映画史」3部作の第1部では、『鳰の浮巣』(1900)などフィルムが現存しない初期作品の映像や著名弁士たちの説明が収められており、当時の映画史研究の成果を知るうえでも興味深い。『疏水 流れに沿って――』は、戦前京都のアマチュア映画作家・能勢克男が琵琶湖疏水をテーマに撮った作品だが、内務省とGHQによって二度検閲され、現存するのは能勢が戦後に再編集した版である。

美をもとめてNo. 355 19世紀の浪漫衣裳(12分・16mm・カラー)

1980(TBS=TBS映画社)

明治の絵画(22分・35mm・カラー)

1968(日映科学)(監)中村麟子(脚)藤原智子(撮)佐藤登(音)長沢勝俊(解)平光淳之助

日本映画史 第一部(16分・35mm・白黒)

1941(大日本映画協会=松竹)(監修)權田保之助(構成・編集)大田皓一(特別説明)玉井旭洋、泉天嶺、生駒雷遊、徳川夢聲(解)松井翠聲

疏水 流れに沿って―(14分・35mm・16fps・無声・白黒)

1934(Ciné Front)(監・撮)能勢克男


明治を描く《劇映画篇1》


5鞍馬天狗 鉞組暗躍篇/鞍馬天狗(計73分)

  • 2018年4月24日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月4日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

大佛次郎によって1924年に誕生した幕末維新期のヒーロー・鞍馬天狗は、同年に早くも最初の映画化を果たす。嵐寛寿郎(当初は長三郎)は、1927年の映画初出演作『鞍馬天狗異聞 角兵衛獅子』(マキノ・プロ製作)以来、40作以上で鞍馬天狗を演じ、絶大な人気を誇った。『鞍馬天狗』は、嵐がマキノを退社し自ら興した嵐寛寿郎プロダクションの第一回作品。一瞬の剣戟場面が玩具映画として残されている『鞍馬天狗 鉞組暗躍篇』と共に上映。

鞍馬天狗 鉞組暗躍篇(1分・35mm・24fps・無声・調色)

1934(嵐寛寿郎プロダクション)(監)曽根千晴(原)大佛次郎(脚)比佐芳武(撮)野村金吾(出)嵐寛寿郎

鞍馬天狗(72分・35mm・16fps・無声・染色)

1928(嵐寛寿郎プロダクション)(監)山口哲平(原)大佛次郎(脚)木村富士夫(撮)藤井春美(美)木村哲、奥田十羅夫(出)嵐寛寿郎、中村竹三郎、嵐徳昇、嵐橘右ヱ門、尾上松緑、生駒栄子、嵐佳一、山本礼三郎


6坂本龍馬/海援隊快擧(計82分)

  • 2018年4月24日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月5日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU

坂本龍馬を描いた無声映画の2本立て。『坂本龍馬』はパテベビー版からのブローアップで、阪東妻三郎が念願の龍馬役を演じる。『海援隊快擧』は、志波西果が興して短命に終わった映画会社・朝日映画連盟の2作目にして最終作。当時フリーの月形龍之介を龍馬役に迎え、道半ばにして斃れた彼の半生を描く。

坂本龍馬(21分・35mm・16fps・無声・白黒)

1928(阪東妻三郎プロダクション)(監)枝正義郎(原・脚)冬島泰三(撮)友成達雄(出)阪東妻三郎、森靜子、春路謙作、志賀靖郎、春日清、中村政太郎、泉春子、中村琴之助、市川傳之助

海援隊快擧(61分・35mm・16fps・無声・白黒・不完全)

1933(朝日映画連盟)(監・脚)志波西果(撮)大井幸三(出)月形龍之介、結城重三郎、櫻井京子、若山京子、浮田勝三郎、斯波快輔、中山介二郎、有村志朗、金子弘、細田又三郎、大仲半二郎、伊田兼美


7エノケンの近藤勇(80分・35mm・白黒)

  • 2018年4月25日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月5日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1935(P.C.L.)(監)山本嘉次郎(原・脚)P.B. 文藝部、P.C.L.文藝部(撮)唐澤弘光(美)北猛夫(音)栗原重一(出)榎本健一、二村定一、中村是好、柳田貞一、如月寛多、田島辰夫、丸山定夫、伊東薫、花島喜世子、宏川光子、北村季佐江、千川輝美、髙尾光子、夏目初子

喜劇王エノケンのP.C.L.第3作で、エノケンは近藤勇と坂本龍馬の二役を演じる。エノケン一座も総出演。エノケンと二村定一が立ち上げた劇団「ピエル・ブリヤント」の文藝部およびP.C.L.文藝部による脚本で、池田屋場面でのモーリス・ラヴェルの「ボレロ」の活用など、時代劇の約束事を縦横無尽に脱臼させ、パロディ化するモダンな手際が見どころ。


8杉野兵曹長の妻/世紀の合唱 愛國行進曲(計99分)

  • 2018年4月25日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月6日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU

杉野兵曹長の妻(23分・35mm・白黒・部分)

1940(大都)(監)山内俊英(原・脚)土田耕平(撮)藤井康次(美)小野田直吉、峰八十八(音)杉田良造(出)水原洋一、最上伸、市川一郎、小柳みどり、高村栄一、松村光夫、橘喜久子、岡野彦一

日露戦争で名誉の死を遂げた杉野孫七兵曹長の実話を基にした作品。夫の遺言に従い、杉野夫人が遺された3人の息子たちを立派な軍人にするために奮闘する。オリジナル5巻のうち3巻が残存している。

世紀の合唱 愛國行進曲(76分・35mm・白黒)

1938(東宝東京)(監)伏水修(脚)小林勝(撮)北義雄(美)安倍輝明(音)伊藤昇(出)瀧澤修、英百合子、北澤彪、佐山亮、汐見洋、御橋公、河村弘二、藤原釜足

作曲家・瀬戸口藤吉(瀧澤)を描いた作品。明治33(1900)年、苦心の末に彼が完成させた「軍艦行進曲」は日本海軍を象徴する曲となっていく。海軍軍楽長を務め引退した瀬戸口は、少年のための楽器製造に心血を注ぐが、「愛國行進曲」の作曲に周囲の反対を押し切って応募、もう一つの名曲が誕生する。


9鞍馬天狗 薩摩の密使(76分・35mm・白黒)

  • 2018年4月26日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月4日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1941(日活京都)(監)菅沼完二(原)大佛次郎(脚)来栖重兵衞(撮)宮川一夫(美)川村鬼与志(音)高橋半(出)嵐寛壽郎、市川春代、香川良介、志村喬、團德麿、北龍二、高田弘、ケ・ア・ネロブツェフ、淺香新八郎、藤川三之祐、仁禮功太郎

幕末。幕府軍が輸入しようとするフランス製武器弾薬の陸揚げを阻止するため、鞍馬天狗が活躍する。フランス人武器商に仕えながらも鞍馬天狗に諭され、愛国心に目覚める娘お照(市川)の描写に顕著なように、尊王攘夷の側面が強調され、国威発揚の色彩が濃い。


10江戸最後の日(97分・35mm・白黒)

  • 2018年4月26日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月8日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1941(日活京都)(監・脚)稲垣浩(原)吉田絃二郎(脚)和田勝一(撮)石本秀雄(美)角井平吉(音)西梧郎(出)阪東妻三郎、尾上菊太郎、原健作、香川良介、志村喬、大澤健司、戸上城太郎、上田吉二郎、水野浩、河部五郎、遠山滿、環歌子、柳恵美子、澤村敏子、常盤操子

明治元(1868)年、幕府軍が鳥羽・伏見の戦いに敗れてから官軍に江戸城を明け渡すまでの緊迫した日々を、分裂して動揺する様子を交えて描いた一篇。外国の干渉を避けるため、主戦派を抑えようとした勝海舟(阪東)を軸にして、剣戟シーンよりも心理的葛藤など静的な芝居に特徴のある時代劇である。


11維新の曲(113分・35mm・白黒)

  • 2018年4月27日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月8日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1942(大映京都)(監)牛原虚彦(脚)八尋不二(撮)三木滋人(美)鈴木正治、川村鬼与志(音)佐藤顕雄(出)阪東妻三郎、市川右太衛門、片岡千惠藏、嵐寛壽郎、澤村國太郎、立松晃、嵐徳三郎、大國一公、香川良介、荒木忍、伊澤一郎、北龍二、大友柳太郎、市川春代、琴糸路、高山廣子、梅村蓉子

戦時下の企業合併で誕生した大映の第1回作品。四大時代劇スターの初共演で、阪東妻三郎が坂本龍馬、市川右太衛門が桂小五郎、片岡千恵蔵が西郷吉之助(隆盛)、嵐寛寿郎が徳川慶喜を演じる。薩長連合の結成から大政奉還までの歴史的激動と人間模様が描かれる。


12鞍馬天狗 黄金地獄(90分・35mm・白黒)

  • 2018年4月28日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月10日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1942(大映京都)(監・脚)伊藤大輔(原)大佛次郎(撮)石本秀雄(美)角井平吉(音)西梧郎(出)嵐寛壽郎、琴糸路、澤勝彦、原健作、上山草人、山本冬郷、アレクサンダー・ペトロウィッチ、トニー・ミスチェンコ、ガラー・コズロフ

伊藤大輔が初めて撮った鞍馬天狗ものの娯楽巨篇。冒頭から回転運動を基調とした映像による語りが冴え渡り、この時期の伊藤と嵐寛寿郎双方の代表作となった。鞍馬天狗に対立する悪として外国の武器商人が据えられ、幕末の尊王攘夷の動きと戦中期の排外主義が重ね合わせられている。


13秘話ノルマントン號事件 假面の舞踏(95分・35mm・白黒)

  • 2018年4月27日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月6日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1943(松竹大船)(監)佐々木啓祐(脚)野田高梧(撮)渡邊健次(美)濱田辰雄(音)早乙女光(出)佐分利信、大久保晴子、河野敏子、葉山正雄、葛城文子、徳大寺伸、齋藤達雄、水戸光子、桑野道子、青山杉作、山口勇、油井宗信

明治19(1886)年に起き、日本人乗客25名全員が死亡したことで知られる英国船ノルマントン号の沈没とその後に起こった欧化排斥の流れを描いた国策映画。領事裁判権の撤廃を訴える検事の精一郎(佐分利)が、無罪放免となったノルマントン号船長(山口)の有罪を立証しようと尽力する。


14我が戀は燃えぬ(84分・35mm・白黒)

  • 2018年4月28日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月9日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1949(松竹京都)(監)溝口健二(原)野田高梧(脚)依田義賢、新藤兼人(撮)杉山公平(美)水谷浩(音)伊藤宣二(出)田中絹代、水戸光子、三宅邦子、菅井一郎、千田是也、東野英治郎、小澤栄太郎、松本克平、浜田寅彦、清水將夫、宇野重吉、小堀誠、澤村貞子、荒木忍、平野郁子、富本民平、村田宏壽、永田光男

女性解放運動の先駆者・福田(旧姓・影山)英子の自伝を基に野田高梧が原案を作成。明治17(1885)年に地元の岡山で自由民権運動の演説に共鳴し上京した英子(田中)の成長が、政府スパイに成り下がる恋人(小澤)や新たなパートナーの自由党闘士(菅井)との出逢いや別れとともに描かれる。


15明治天皇と日露大戦争(113分・35mm・カラー)

  • 2018年4月29日11:30 AM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月10日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1957(新東宝)(監・原)渡邊邦男(脚)館岡謙之助(撮)渡邊孝(美)梶由造、黒澤治安(音)鈴木静一(出)嵐寛壽郎、阿部九州男、髙田稔、武村新、藤田進、岬洋二、江川宇礼雄、廣瀬恒美、沼田曜一、細川俊夫、田崎潤、鳥羽陽之助、丹波哲郎、明智十三郎、沢井三郎、宇津井健、林寛、髙島忠夫、中山昭二、若山富三郎、竜崎一郎、御木本伸介、天知茂

新東宝が大蔵貢社長の発案で社運を賭けて製作した大作で、配給収入約4億4千万円と当時としては空前の大ヒットを記録した。日露交渉の不調から旅順港の閉鎖、黄海海戦、遼陽攻撃、二〇三高地の攻防、奉天の会戦、そして日本海大海戦と、戦争の経緯が描かれる。時代劇の大スター・嵐寛寿郎が明治天皇役に抜擢されたことも、大きな話題となった。


16明治大帝御一代記(187分・16mm・カラー)

  • 2018年4月29日2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月11日2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月11日2:30 PM@長瀬記念ホール OZU

1964(大蔵映画)(監・原)大蔵貢(撮)岩崎秀光(美)黒沢治安(音)長瀬貞夫(出)嵐寛寿郎、岡譲司、安井昌二、宇佐美諄也、富田浩太郎、美川陽一郎、久松保夫、永井秀明、近衛敏明、高田稔、江川宇礼雄、林寛、細川俊夫、清川新吾、寺島貢、浅野進次郎、若山弦蔵

大政奉還から日清・日露戦争を経て明治天皇の崩御と乃木大将夫妻の殉死まで、明治期におけるさまざまな歴史的出来事を再現した大作。大蔵貢が新東宝倒産後に設立した大蔵映画作品だが、新東宝作品で明治天皇を描写したフッテージも再利用されている。嵐寛寿郎が明治天皇を演じたのも、本作が最後となった。

※途中(上映開始から約90分頃)、10分間の休憩を設けます。


17あゝ野麦峠(153分・35mm・カラー)

  • 2018年5月1日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月12日3:30 PM@長瀬記念ホール OZU

1979(新日本映画)(監)山本薩夫(原)山本茂実(脚)服部佳(撮)小林節雄(美)間野重雄(音)佐藤勝(出)大竹しのぶ、原田美枝子、友里千賀子、古手川祐子、地井武男、三上真一郎、森次晃嗣、赤塚真人、山本亘、小松方正、平田昭彦、中原早苗、岡本茉利、浅野亜子、津田京子、北林谷栄、西村晃、三国連太郎(解)鈴木瑞穂

山本茂実の同名ノンフィクションを映画化。明治中期に岐阜県飛騨の寒村から、集団で野麦峠を越えて長野県の製糸工場に働きに来た少女たちが、日本の外貨獲得のための主要輸出品である生糸の生産の担い手となるが、劣悪な労働環境の中で心身を疲弊させていく…。


18武士の家計簿(129分・35mm・カラー)

  • 2018年5月1日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年5月13日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2010(「武士の家計簿」製作委員会)(監)森田芳光(原)磯田道史(脚)柏田道夫(撮)沖村志宏(美)近藤成之(音)大島ミチル(出)堺雅人、仲間由紀恵、伊藤祐輝、藤井美菜、桂木ゆき、大八木凱斗、嶋田久作、ヨシダ朝、佐藤恒治、山中崇、宮川一朗太、小木茂光、茂山千五郎、草笛光子、西村雅彦、松坂慶子、中村雅俊

磯田道史のノンフィクション『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』の映画化。藩の会計処理役を務めてきた猪山家八代目の直之(堺)は、家の膨大な借金返済のための極端な倹約生活を両親も含めた家族に実行させ、見事に建て直す。しかし、幕末の動乱に猪山家も否応なく巻き込まれていくのだった…。


第2期:8月14日(火)-9月2日(日)
明治を描く《劇映画篇2》


19ほとヽぎす/不如帰より 浪子(計73分)

  • 2018年8月14日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月24日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

ほとヽぎす(19分・35mm・20fps・無声・染色・部分)

1922(松竹蒲田)(監・脚)池田義信(原)徳富蘆花(撮)水谷文次郎(美)西山桂太郎、岩井三郎(出)岩田祐吉、栗島すみ子、関根達発、中川芳江、岡島艶子、五月信子

明治の文豪・徳富蘆花の著名な原作であり、繰り返し舞台化・映画化されたお馴染みの悲劇。現存するフィルムには逗子海岸と青山墓地の場面が残されている。

不如帰より 浪子(54分・35mm・白黒)

1932(オリエンタル映画社)(監)田中栄三(原)徳富蘆花(脚)森岩雄(撮)町井春美、池戸豊(出)水谷八重子、汐見洋、大日方傳、林千歳、寺島信、澄川久、岡本千鶴子、津々美雅子、古川緑波、松井翠声、大辻司朗

浪子(水谷)は海軍少尉川島(大日方)と幸福な結婚生活を送っていたが、夫が日清戦争に出征中に結核を発病し、家の断絶を恐れる姑(林)から離婚を申し渡される。そして失意の中、彼女の若い命は消えていくのであった…。


20金色夜叉 他(計122分)

  • 2018年8月14日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月30日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU

金色夜叉[赤澤大助版](45分・35mm・サウンド版 ・白黒)

1934(赤澤キネマ)(監)赤澤大助(原)尾崎紅葉(撮)佐竹三男(音)浪花家辰丸(出)片桐敏朗、四条華子、靜香八郎、高梨俵堂、曽我迺家蝶太郎、西條伸、白井君雄

尾崎紅葉の未完の同名小説を映画化。1910年代からたびたび映画会社が取り上げてきた原作であるが、本作は浪花家辰丸の浪花節を活用したサウンド版浪花節も活用したトーキーとして製作された。1931年に設立され、主として無声映画を手がけてきた赤澤キネマは、1935年に活動を停止した。

※解説を修正しました(8月15日)。

金色夜叉[清水宏版](77分・35mm・白黒)

1937(松竹大船)(監)清水宏(原)尾崎紅葉(脚)源尊彦、中村能行(撮)青木勇(美)江坂実(音)伊藤宜二(出)夏川大二郎、川崎弘子、近衛敏明、三宅邦子、上山草人、佐分利信、笠智衆、豊田満、武田秀郎、佐野周二、大塚君代、吉川満子

『金色夜叉』の最初のトーキー作品。人物の設定も近代的に改変され、波打ち際で貫一が宮を蹴り倒す原作の有名な場面も、海沿いの車道で揉める2人を遠景でとらえた、清水らしいものになっている。脚本の源尊彦は清水のペンネーム。

※解説を修正しました(8月15日)。


21路傍の石(130分・35mm・白黒)

  • 2018年8月15日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月25日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1938(日活多摩川)(監)田坂具隆(原)山本有三(脚)荒牧芳郎、高重屋四郎(撮)伊佐山三郎、碧川道夫、永塚一榮(美)松山崇(音)中川榮三(出)片山明彦、山本禮三郎、瀧花久子、井染四郎、吉田一子、澤村貞子、松平冨美子、吉井莞象、見明凡太郎、三井智惠子、上代勇吉、井上敏正、潮万太郎、小杉勇、江川宇禮雄

貧しい家の少年の逞しい成長を描いた山本有三の名作の映画化。故郷から東京に出てきた主人公の吾一(片山)が、下宿先から出ていく決心をするところまでが描かれる。ランプの火屋(ガラスの筒)を磨くというこの時代ならではの行為が、物語上重要なものとして活用されている。

※開始から約98分の箇所で、フィルム焼き付け時のミスにより、2分弱にわたってフレームがずれています。どうぞご了承ください。


22無法松の一生[再公開版](79分・35mm・白黒・英語字幕付)

  • 2018年8月15日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月26日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1943(大映京都)(監)稲垣浩(原)岩下俊作(脚)伊丹万作(撮)宮川一夫(美)角井平吉(音)西梧郎(出)阪東妻三郎、月形龍之介、永田靖、園井惠子、川村朱門、澤村アキオ、杉狂兒、山口勇、葛木香一、尾上華丈、小宮一晃、香川良介、小林叶江、町田仁、荒木忍、横山文彦、戸上城太郎、水野浩

岩下俊作の小説『富島松五郎伝』を映画化した名作。明治から大正にかけて、九州・小倉で恩義ある軍人一家に献身的に尽くす無頼の車夫・松五郎を阪東妻三郎が演じる。内務省による当時の検閲は、軍人の妻に対する慕情の表現を許さず、戦後にはGHQが日露戦争勝利を祝う提灯行列の場面などを切除してしまった。


23破戒(99分・35mm・白黒)

  • 2018年8月16日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月25日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1948(松竹京都)(監)木下惠介(原)島崎藤村(脚)久板栄二郎(撮)楠田浩之(美)本木勇(音)木下忠司(出)池部良、桂木洋子、瀧澤修、宇野重吉、清水將夫、加藤嘉、小澤栄太郎、東野英治郎、松本克平、永田靖、東山千栄子、村瀬幸子、薄田研二

東宝争議のため松竹に企画ごと譲られた作品で、東西の撮影所交流の第1回作品として、木下惠介が京都に出向いて撮った。木下はあえて島崎藤村の原作を読まず、部落差別問題よりも池部良と桂木洋子が演じる恋人たちの苦悩に重点を置き、細やかな自然描写とともにみずみずしい青春映画に仕上げた。


24坊っちゃん(111分・35mm・白黒)

  • 2018年8月16日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月26日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1953(東京映画)(監)丸山誠治(原)夏目漱石(脚)八田尚之(撮)山崎一雄(美)島康平(音)渡邊浦人(出)池部良、森繁久彌、岡田茉利子、小澤榮、浦邊粂子、三好榮子、藤間紫、多々良純、本間文子、平井岐代子、三條利喜江

戦前のP.C.L.版(山本嘉次郎監督)に続く2度目の映画化。松山の中学校に、東京から若い教師・坊っちゃん(池部)が赴任し、生徒たちの悪戯や教頭の横暴に負けることなく、逆にやり返していく。直情径行であるがゆえに周囲から浮いてしまう青年の役柄が、池部良の持ち味と絶妙に融け合った一篇。


25たけくらべ(95分・35mm・白黒・英語字幕付)

  • 2018年8月17日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年9月1日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1955(新東宝)(監)五所平之助(原)樋口一葉(脚)八住利雄(撮)小原讓治(美)久保一雄(音)芥川也寸志(出)美空ひばり、北原隆、岸惠子、山田五十鈴、市川染五郎、柳永二郎、望月優子、岸旗江、吉川満子、毛利菊枝、佐々木孝丸、中村是好、山茶花究、坂本武、中村正紀、服部哲治、櫻川忠七、飯田蝶子、櫻むつ子(朗読)夏川靜江

樋口一葉の同名小説を映画化。遊廓に生きる姉妹のほの暗い運命を描く。美空ひばりが少女・美登利、岸恵子はその姉で、吉原の花魁に扮している。美登利が出入りする吉原の駄菓子屋の女で元花魁のお吉の落魄した姿を、山田五十鈴が見事に演じている。


26無法一代(101分・35mm・白黒)

  • 2018年8月17日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年9月2日12:30 PM@長瀬記念ホール OZU

1957(日活)(監)滝沢英輔(原)西口克己(脚)八住利雄(撮)横山實(美)松山崇(音)佐藤勝(出)三橋達也、新珠三千代、芦川いづみ、宇野重吉、清水将夫、宍戸錠、殿山泰司、沢村國太郎、利根はる惠、鏑木はるな、田中筆子、小峰千代子、髙野由美、芦田伸介

自身の体験を基に廓の非人間的な実情を描いて話題となった、西口克己の「廓」を映画化。明治末期、金儲けの鬼と化した貫太(三橋)とお銀(新珠)夫妻が、伏見中書島で遊郭を始める。だがそこにやくざが絡んで寄生し、遊女を自由廃業させようとする救世軍に対しては軍が介入し、人間性を失った社会の構造があぶり出される。


27女の肌(75分・35mm・カラー)

  • 2018年8月18日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月24日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1957(大映東京)(監)島耕二(原)川口松太郎(脚)松田昌一(撮)髙橋通夫(美)仲美喜雄(音)大森盛太郎(出)京マチ子、淡島千景、根上淳、北原義郎、市川和子、南左斗子、小泉順子、鶴見丈二、潮万太郎、丸山修、河原侃二、杉田康、村田扶実子、町田博子、槇俊夫、夏木章、早川雄三、飛田喜佐夫

西南戦争を背景に、二人の女の生きざまを描いたメロドラマ。明治10(1877)年、熊本・人吉から避難する馬車の乗客の中に、女中のおしん(京)とお徳(淡島)がいた。だが八代で官軍の取り調べを受けた際、お徳は隊長の朝吹(根上)に体を要求されてしまう…。本作の少し前に『踊子』(1957、清水宏)でもコンビを組んだ京と淡島が、対照的な女性を演じる。


28毒婦高橋お伝(74分・35mm・白黒)

  • 2018年8月18日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月28日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1958(新東宝)(監)中川信夫(原)澤賢介(脚)仲津勝義、中澤信(撮)河崎喜久三(美)黒澤治安(音)渡辺宙明(出)若杉嘉津子、明智十三郎、丹波哲郎、中村彰、舟橋元、松本朝夫、沢井三郎、芝田新、山田美奈子、國方傳、宮田文子、大関啓子、天野照子、五月藤江

中川信夫の才気溢れる犯罪映画で、明治初期に実在し斬首刑となった高橋お伝をモデルに、男たちへの復讐を誓った妖艶な女(若杉)の半生を描く。長屋を捉えた立体的な移動撮影など、中川の演出プランに見事にマッチした河崎喜久三の機敏なキャメラワークも見逃せない。


29荷車の歌(144分・35mm・白黒・英語字幕付)

  • 2018年8月21日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月30日6:30 PM@長瀬記念ホール OZU

1959(全国農村映画協会)(監)山本薩夫(原)山代巴(脚)依田義賢(撮)前田実(美)久保一雄(音)林光(出)望月優子、三国連太郎、左幸子、左民子、岸輝子、浦辺粂子、水戸光子、西村晃、稲葉義男、佐野淺夫、矢野宣、塚本信夫、島田屯、大町文夫、小沢栄太郎、利根はる恵、辻伊万里、戸田春子、奈良岡朋子

山代巴の同名小説を映画化。荷車引きの女性(望月)の苦難に満ちた半生が、明治・大正・昭和の三代にわたって語られる。農家を緻密に作り込んだ久保一雄の美術が、リアリズムを基調とする作品と溶け合い、素晴らしい効果を上げている。


30婦系図より 湯島に散る花(90分・35mm・カラー)

  • 2018年8月19日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月28日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1959(新東宝)(監)土居通芳(原)泉鏡花(脚)金田光夫(撮)森田守(美)加藤雅俊(音)清水保雄(出)高倉みゆき、天知茂、坂東好太郎、北沢典子、佐々木孝丸、江見俊太郎、魚住純子、宮田文子、花岡菊子、三原葉子、高松政雄、宮浩一、倉橋宏明、川部修詩、高村洋三

泉鏡花が明治40(1907)年に発表し、翌年に新派で舞台化されて当たり狂言となった「婦系図」の4度目の映画化。初のカラー・シネスコ作品でもある。高倉みゆきがお蔦、天知茂が早瀬主悦役に起用され、世間に引き裂かれた悲運の恋人たちを演じる。


31糸あやつり 人形劇映画 明治はるあき(73分・35mm・カラー)

  • 2018年8月19日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月29日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1968(博物館明治村)(監)五所平之助(原・出)安藤鶴夫(脚)堀江英雄(撮)篠村荘三郎(美)平川透徹(音)山下毅雄(出)竹田扇之助、竹田喜之助、竹田助二郎、竹田糸信、石鍋友子、石鍋敏夫、青木大吉、飯室康一、関すゝむ、穴沢安光(朗読)宮城まり子、久米明

愛知県犬山市に1965年に開館した博物館明治村が、明治100年記念事業として製作した映画。五所平之助の若々しい実験精神があふれる。明治村を訪れた太郎じいさんが、古き良き明治の姿を回想する形式で話が展開し、竹田人形座が繰るあやつり人形が戸外へと飛び出し、明治の文物や情緒を表現する。


32鬼の詩(93分・35mm・カラー)

  • 2018年8月21日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月31日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1975(鐵プロダクション=ATG)(監・脚)村野鐵太郎(原・脚・出)藤本義一(脚)杉浦久(撮)吉岡康弘(美)上野堯(音)林光(出)桂福團治、片桐夕子、露の五郎、中原早苗、井川比佐志、信欣三、本郷淳、伊達三郎、早川雄三、蛍雪太朗、江藤潤、渡辺潔、石山雄大、福原圭一、入江洋佑

第71回直木賞を受賞した、藤本義一の同名小説を映画化。明治末期、上方の落語家・桂馬喬(桂)は妻・露(片桐)を失ったことから常軌を逸した芸を披露し始め、自らを追い詰めていく…。ストイックに映画作りを追求し続ける村野鐵太郎が、私財を投じて製作した力作。


33姿三四郎(143分・35mm・カラー)

  • 2018年8月22日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年9月2日3:30 PM@長瀬記念ホール OZU

1977(東宝)(監・脚)岡本喜八(原)富田常雄(脚)隆巴(撮)木村大作(美)阿久根巌(音)佐藤勝(出)三浦友和、秋吉久美子、仲代達矢、中村敦夫、若山富三郎、田中邦衛、矢吹二朗、宮内洋、草笛光子、浅野ゆう子、岸田今日子、中谷一郎、神崎愛、岸田森、山本麟一、田崎潤、丹波哲郎、芦田伸介、森繁久彌

富田常雄の同名小説の5度目の映画化。当時大人気だった三浦友和が三四郎に扮し、矢野正五郎(仲代)への弟子入りから村井乙美(秋吉)とのロマンス、檜垣源之助(中村)や彼の二人の弟(矢吹、宮内)との生死をかけた対決までを一気に描く。


34野菊の墓(91分・35mm・カラー)

  • 2018年8月22日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年9月1日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1981(東映東京=サンミュージック)(監)澤井信一郎(原)伊藤左千夫(脚)宮内婦貴子(撮)森田富士郎(美)桑名忠之(音)菊池俊輔(出)松田聖子、桑原正、加藤治子、樹木希林、湯原昌幸、赤座美代子、村井国夫、白川和子、叶和貴子、北城真記子、常田富士男、沢竜二、愛川欽也、島田正吾、丹波哲郎

信州の旧家のいとこ同士の、ほのかな恋心と悲しい別れを描いた伊藤左千夫の同名小説の3度目の映画化。マキノ雅弘の助監督を長年務めた澤井信一郎の第1回監督作品で、当時人気絶頂のアイドル・松田聖子の素顔の魅力を見事に引き出した、その新人らしからぬ演出力が賞賛された。


35遠野物語(116分・35mm・カラー・英語字幕付)

  • 2018年8月23日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月31日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1982(鐵プロダクション=IBC岩手放送=俳優座映画放送=麻布企画)(監)村野鐵太郎(原)柳田國男、阿伊染徳美(脚)高山由紀子(撮)吉岡康弘(美)間野重雄、神田明良(音)姫神せんせいしょん(出)原陽子、隆大介、役所広司、江波杏子、藤村志保、仲代達矢、井川比佐志、滝田裕介、峰岸徹

『鬼の詩』『月山』(1979)と、自身の信じる道を脇目もふらず追い求める男を描いてきた村野鐵太郎が、一途に愛を貫き通す男女を描いた幻想譚。日露戦争のさなか、小夜(原)と武夫(隆)は家の格式の違いに阻まれながらも、互いへの想いを成就させようとする。


36上方苦界草紙(102分・35mm・カラー・英語字幕付)

  • 2018年8月23日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU
  • 2018年8月29日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU

1991(プロダクションゆりーか=鐵プロダクション)(監)村野鐵太郎(原)藤本義一(脚)高山由紀子(撮)吉岡康弘、馬場順一(美)神田明良(音)本條秀太郎(出)葉山レイコ、原田和代、寄田由加、小川真由美、井川比佐志、峰岸徹、菅井きん、田中邦衛、片桐夕子

藤本義一の同名小説を映画化。明治20年代はじめの伊勢参宮街道で、お杉(葉山)とお玉(寄田)の姉妹による三味線演奏の大道芸が人気を集めていた。やがてお玉は男と逃げ、末の妹・お文(原田)が二代目お玉として務めることになる。演奏中に媚態を見せて客足を伸ばすお杉に対して、二代目お玉は演奏を極めることを決意する。


■作品によって開映時間が異なりますのでご注意ください。
■9月2日(日)の開館時間が9:45amに変更となりました(7月14日追記)。

2018年4月24日

2018年4月24日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年4月24日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年4月25日

2018年4月25日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年4月25日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年4月26日

2018年4月26日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年4月26日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年4月27日

2018年4月27日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年4月27日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年4月28日

2018年4月28日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年4月28日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年4月29日

2018年4月29日11:30 AM@長瀬記念ホール OZU
2018年4月29日2:30 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月1日

2018年5月1日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月1日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月2日

2018年5月2日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月2日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月3日

2018年5月3日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月3日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月4日

2018年5月4日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月4日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月5日

2018年5月5日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月5日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月6日

2018年5月6日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月6日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月8日

2018年5月8日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月8日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月9日

2018年5月9日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月9日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月10日

2018年5月10日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月10日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月11日

2018年5月11日2:30 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月11日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月12日

2018年5月12日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月12日3:30 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年5月13日

2018年5月13日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年5月13日4:30 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月14日

2018年8月14日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月14日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月15日

2018年8月15日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月15日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月16日

2018年8月16日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月16日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月17日

2018年8月17日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月17日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月18日

2018年8月18日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月18日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月19日

2018年8月19日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月19日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月21日

2018年8月21日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月21日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月22日

2018年8月22日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月22日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月23日

2018年8月23日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月23日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月24日

2018年8月24日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月24日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月25日

2018年8月25日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月25日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月26日

2018年8月26日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月26日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月28日

2018年8月28日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月28日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月29日

2018年8月29日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月29日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月30日

2018年8月30日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月30日6:30 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年8月31日

2018年8月31日3:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年8月31日7:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年9月1日

2018年9月1日1:00 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年9月1日4:00 PM@長瀬記念ホール OZU

2018年9月2日

2018年9月2日12:30 PM@長瀬記念ホール OZU
2018年9月2日3:30 PM@長瀬記念ホール OZU

当日券(発券=2階受付)

料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、東京国立近代美術館及び国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料

◆当日券で入場される方には、開館と同時に、当日上映する全ての回の入場整理券を1階ロビーにて発券します。
・各日の開館時間についてはスケジュール欄をご覧下さい。
・各回の開映後の入場はできません。
・当日券の発券は、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・当日券の発券は各回1名につき1枚のみです。

入場方法

①前売券をお持ちの方は、開場時(開映30分前)に、前売券に記載された整理番号順にご入場いただけます。
②その後は、当日券の整理券をお持ちの方が、整理番号順にご入場いただけます。前売券をお持ちの方は、随時ご入場いただけます。
・前売券、当日券は、当日・当該回のみ有効です。

前売券

4月12日(木)10時より、チケットぴあにて全上映回の前売券(全席自由席・各100席分)を販売します。
[Pコード:558-413]

前売料金:一般520円/高校・大学生・シニア310円/小・中学生100円

◆前売券を購入された方は、開場時(開映30分前)に、前売券に記載された整理番号順にご入場いただけます。その後は随時ご入場いただけます。

・各回の開映後の入場はできません。
・学生、シニア(65歳以上)の方は証明できるものをご提示ください。
・前売券は当日・当該回のみ有効です。

 

前売券の購入方法

[Pコード:558-413]

チケットぴあ店舗、セブン-イレブン、サークルKサンクスで購入
  4月12日(木)10時より各プログラムの前日まで購入可能

  前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。

受付電話(0570-02-9999)で購入
  4月12日(木)10時より各プログラムの4日前23:59まで購入可能

  前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円がかかります。
  ※毎週火・水2時30分~5時30分はシステムメンテナンスのため受付休止となります。

チケットぴあのサイト(http://w.pia.jp/t/nfaj-meiji/で購入
  購入時期によってご利用可能な決済方法が異なります

  前売料金に加え、1枚につき発券手数料108円、また決済方法によって1件につき決済手数料がかかる場合があります。
 *購入サイトは、準備でき次第アップされますが、ご利用は4月12日(木)10時からです。

※チケットぴあの手数料等については、チケットぴあHPのヘルプ利用料一覧の頁をご覧ください。
 本前売券の購入に、システム利用料(通常216円/枚)はかかりません。

※前売券の払い戻し、交換、再発行はいたしません。

国立映画アーカイブ

〒104-0031
東京都中央区京橋 3-7-6

お問い合わせ(8時~22時)
ハローダイヤル
03-5777-8600

アクセス

本日、9月26日は休館日です

国立映画アーカイブ先付け映像『Archive of Lights』
作者 山村浩二
(ロゴ:作者 鈴木一誌)