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平成16年度映画製作専門家養成講座(第8回)
──撮影技術~伝承のかたち2──

主催 東京国立近代美術館フィルムセンター

2005年3月9日(水)-3月12日(土)

はじめに

 映画産業の縮小や非フィルム映像産業の拡大につれて、日本映画の豊かな歴史を支えてきた優れた技芸の一部は過去のものとなる傾向にあり、近年、これを憂慮する声が次第に大きくなってきています。わが国唯一の国立映画研究機関である東京国立近代美術館フィルムセンターは、映画(フィルム)を取り巻くこうした技と匠が世界に誇り得る技術的文化遺産であるとの認識から、それらを次世代に正しく伝え、将来の映画人を育成すること、ならびに映画芸術の発展に資することを目的として、平成9年度より「映画製作専門家養成講座」という事業を実施してきました。

 平成11年度の第3回までは、監督、撮影、照明などの部門別に講座を開催してきましたが、主要な部門をほぼ網羅したことに伴い、4回目となった平成12年度より、映画芸術に多大な功績を残した映画人の業績をたどりながら、より広く映画製作を学ぶことのできる場を提供することとしています。今回は、師匠から弟子へ、先輩から後輩へ、ベテランから新人へと伝承される撮影技術について、現在第一線で活躍中の撮影監督のお話とフィルム上映を通じて学んでいただきます。

 日本映画の技と匠を伝えようとするこの講座が、日本映画の良き伝統を守る一助となり、また、映画映像製作に携わる方々の交流の場となることを願っております。

講師紹介

各講座の内容は、映画の現場におけるように本講座のコーディネーターとフィルムセンターのスタッフによってアレンジされたものです。

受講者は、各講座の講師とともに映画を鑑賞し、質疑応答をまじえながら映画製作の技術等について講義を受けます。

コーディネーター
宮澤誠一(みやざわ・せいいち)…日本大学芸術学部映画学科教授

 いま、日本映画の先頭を切って活躍されている撮影監督の方々でも、現在に至るまでの道筋は様々です。大手の撮影所に所属してベテランたちの薫陶を受けた方もいらっしゃる一方、フリーの助手として現場の経験を積まれた方も増えています。今回の講座では、撮影技術の伝承という立場から、現在活躍中の撮影監督に“師匠”や“先輩”との関係を語っていただきます。実際の作品にも触れることで、現場のコミュニケーション、技術など多彩な側面に触れることとなるでしょう。

*映画製作の第一線で活躍中の撮影監督にご出講いただくことを主眼としておりますので、現場のスケジュール等によって、講師が変更になることがあります。あらかじめご了承ください。

*また同じ理由により、各講師のご出講日が4日間のどの日になるか、そして各日の上映作品もまだ決定しておりません。後日詳細が決まり次第、フィルムセンターのウェブサイト(http://www.momat.go.jp/fc.html)にて情報をお知らせいたします。また、お電話によるお問い合わせ(当講座事務局03-3561-0823)でもお答えいたします。同じくご了承ください。

講師:長沼六男(ながぬま・むつお)
1945年生まれ。1968年松竹に入社、撮影助手を経て『新・人間失格』(1978年)でキャメラマンとして一本立ちする。『魚影の群れ』(1983年)、『座頭市』(1989年)、『おろしや国酔夢譚』(1992年)などの撮影を担当、1989年よりフリー。近年は山田洋次作品を多く手がけ、とりわけ『たそがれ清兵衛』(2002年)では毎日映画コンクールや日本アカデミー賞などの撮影賞を受けた。2004年、紫綬褒章を受章。
講師:安藤庄平(あんどう・しょうへい)
1933年生まれ。大映東京撮影所を経て、1954年日活撮影所に入社。撮影助手を経て『花を喰う虫』(1967年)でデビュー、日活作品として浦山桐郎監督の『私が棄てた女』(1968年)などの秀作を残す。また『泥の河』(1981年)や『死の棘』(1990年)では小栗康平監督の右腕として力量を発揮した。他にも、低予算映画から大作まで高い信頼を得ている。
講師:川上皓市(かわかみ・こういち)
1946年生まれ。フリーの撮影助手として黒木和雄、東陽一、小川紳介などの独立系映画作家の作品に携わる。1978年に『サード』で撮影監督デビュー、その後も『もう頬づえはつかない』(1979年)、『四季・奈津子』(1980年)など東陽一作品に定評がある。近年も『身も心も』(1997年)、『スリ』(2000年)、『透光の樹』(2004年)などの力作を手がけている。

応募要項

主催
東京国立近代美術館フィルムセンター 企画・助言
平成16年度映画製作専門家養成講座実行委員会
(品田雄吉、高村倉太郎、野上照代、堀越謙三、松本正道、宮澤誠一)
会場
東京都中央区京橋3-7-6
東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール(地下1階)
講座日程
第1講平成17年3月9日(水)午後0時30分~午後6時
第2講平成17年3月10日(木)午後1時~午後6時
第3講平成17年3月11日(金)午後1時~午後6時
第4講平成17年3月12日(土)午後1時~午後6時30分
受講料
無料。ただし、受講料金以外の交通費や食費、宿泊費等は受講者の負担となります。
修了証
受講修了者には全講座(4日間)出席をもって、修了証を発行します。
応募資格
映画(自主製作を含む)をはじめ、TVやビデオ製作など、映像製作の諸分野で助手等の現場経験を有する方、映画・映像に関する専門学校などで実習経験を有する方ならどなたでも応募できます。
ただし、応募多数の場合には募集定員の範囲内で審査を行います。
募集定員
100名程度
応募方法
応募用紙に氏名等必要な事項を記入の上、切り離して封筒を作成し郵送してください。
募集期限
平成17年2月18日(金)必着
なお、書類選考の上、応募用紙に添付された所定のはがきにて合否の通知を行います。
応募用紙送付先/問い合わせ先
〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-6
東京国立近代美術館フィルムセンター
映画製作専門家養成講座事務局
TEL 03-3561-0823(代表)