Art東京国立近代美術館
Craft&Design東京国立近代美術館工芸館
MOMAT TOP
Screening 上映・企画情報
大ホール

フィルムセンター開館40周年記念①
発掘された映画たち2010

The 40th Anniversary of National Film Center Part 1
Cinema: Lost and Found 2010
2010.5.11-5.27
作品詳細
F 5/16(日) 4:00pm 5/19(水) 7:00pm  
戦前の小型映画文化――ホーム・ムービーは語る
(計61分)

京都映画史の調査とアーカイブ活動を行う「京都映像文化デジタル・アーカイヴ ―マキノ・プロジェクト―」(2000年発足)。本プログラムでは、同プロジェクトがこれまでに収集・復元してきた映画のコレクションから、エトナ映画社撮影所長の田中英一(1916-2007)、1937年から41年にかけて日活社長を務めた森田佐吉(1874-1944)旧蔵のプライベート・フィルム(特記以外原版は16mm)、そしてパテベビーで撮られたホーム・ムービーを紹介する(作品題名は、フィルム缶やリールに記されたタイトルを採用)。

《エトナ映画の自画像》 田中英一のご子息・田中英雄氏から預かったフィルム11本中、35mm化を果たした4作品。

《旧日活社長・森田佐吉の記録》 森田佐吉氏の孫・森田隆夫氏から預かり、フィルムセンターに寄贈・35mm化を仲介した2作品。

《日常に向けた視線:パテベビー》 2008-2009年度に購入した9.5mmコレクションから、35mm化した4作品。

《エトナ映画の自画像》
ロケーションの想ひ出
(14分・18fps・35mm・白黒・無声)

エトナ映画社の第1作『神崎東下り』(1934年)のメイキング。ステージ借用先の片岡千恵蔵プロダクションやロケの撮影風景で、監督の後藤岱山、撮影の田中十三、主演の光岡竜三郎、三桝豊、楠武夫らが登場。リーダー代わりについていた、祇園祭を撮ったフィルムもそのまま35mm化。

'34(撮)(編)田中聖峰(田中英一)

エトナスタジオ
(3分・18fps・35mm・白黒・無声)

旧マキノ御室撮影所を購入してエトナのステージを作った1934年末から翌1月初頭の映像と推定される。後半は『鬼伏せ頭巾』(1935年、後藤岱山監督)のメイキング映像。

'34-35(撮)田中聖峰(推定)

素人演藝名流大会
(7 分・18fps・35mm・白黒・無声)

自身の浪曲トーキー『神崎東下り』の製作を目的にエトナを設立したという社長の田中伊助(田中英一の兄)が、京都日日新聞社主催の演芸大会(1934年9月、於:京都公会堂)で「吉田楢丸」を名乗り浪曲を披露。後藤岱山が舞台設営をしている場面が「ロケーションの想ひ出」にあることから、同会の映像が『神崎東下り』で使用された可能性がある。

'34(撮)田中聖峰(推定)

カメラマンの想い出 昭和10-20年頃
(19分・16fps・35mm・白黒・無声)

田中英一が撮影に関わった『神崎東下り』、『成田不動尊御霊験記 平将門討伐絵巻』(1934年、合同映画、中川紫郎監督、岸雅夫[田中英一]撮影)、『慶州佛国寺と石窟庵』(1941年、合同映画、中川紫郎監督)、恤兵映画の『四国便り』(詳細不明)のメイキング。原版はレギュラー8。

'34-41

《旧日活社長・森田佐吉の記録》
森田長太郎氏出征
(4分・16fps・35mm・白黒・無声)

森田佐吉と親族一同が甥・長太郎の出征を見送る様子。

'40年前後

日活太秦撮影所運動会
(6分・16fps・35mm・白黒・無声)

撮影所内で開催された社員運動会の様子で、所内の稲荷、横田永之助の立像と日活マーク、所内オープンの景観も映っている。ラストは皇紀2600年旗の前で森田佐吉、片岡千恵蔵ら幹部の記念撮影。

'40

《日常に向けた視線:パテベビー》
第5回撮影会作品
(2分・16fps・35mm・白黒・無声)

愛宕スキー場
(2分・16fps・35mm・白黒・無声)

上記2作品は、大阪の9.5mmサークル羊光会のメンバー(氏名不詳)による撮影。京都の、今も変わらぬ景観と無くなったスキー場の様子が収められている。

橘や横浜出港
(2分・16fps・35mm・白黒・無声)

阿波盆踊り
(2分・16fps・35mm・白黒・無声)

上記2作品は、同一人物(氏名不詳)のコレクション。『阿波盆踊り』は作者の子供が庭で遊んでいる様子を記録したと推定される。

5月16日(日)4:00pmの回は途中に冨田美香氏(立命館大学映像学部准教授/マキノ・プロジェクト代表)の解説を挟みながらの上映となります(解説約30分)。

■(監)=監督・演出 (原)=原作・原案 (脚)=脚本・脚色 (構)=構成 (撮)=撮影 (美)=美術・舞台装置 (編)=編集 (音)=音楽 (出)=出演 (解)=解説・ナレーション
■スタッフ、キャストの人名は原則として公開当時の表記を記載しています。
■特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
■記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
■各プログラム中の上映順序は変更になる場合があります。

Calendar 上映・展示カレンダー
上映・展示カレンダー
The National Museum of Modern Art, Tokyo